コンテンツにスキップ

Page:成沢玲川『米国物語』.djvu/86

提供:Wikisource
このページは校正済みです

るが、普通名詞とちがられるママものは元より採用しがたいであらう。

其他アヅサ(梓)、オロシ(卸)、コビナ(小雛)、ムロイ(室井)など日本語其ま ゝのもあるが、ざいりうしやすくない爲めにもちふるに至らない。

加州のバカビルは鹿ビルともやり兼ねたと見えてそんは如何にもくるしい。こつ けいでもかまはなければ、アキヤンポをあかんぼ、ナツパをなつ、ペタルマをだるぐらゐ にするのはあさめしまへの仕事だが、意義發音ふたつながら相叶ふものをえらぶのは容易 なことでは無い。而し多數同胞のはつてんせる地に在つては之をせんていすることは、 日本人全體の爲めに大に便べんであるが一定の文字を使用して、一ぱんに通用する やうにならねばかへつこんざつを來たすばかりである。

日本字新聞