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Page:小亞細亞横斷旅行談 01.pdf/4

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 (小亞細亞横斷旅行談)四(4)

と云ふ風に土耳其人の中にも色々の種類が分れて居り、一見しては殆と別人種かと思ふ位ゐに違つた容貌を持つて居ります、第二はアルメニヤ人で、之は一種特別の文字と言語を有て居ますが、言語は印度語に似て居るのは不思議です。その人口は今日世界中で四百萬と云ふことであります、其の中二萬入以上は此の小亜細亜の内に住つて居る、アルメニア人の根據地は東方の山地ですが併し小亜細亜到る所にそれが分布されて居ります、重もに通商貿易に從事して金を儲けるのは一番上手だと云ふ評判がある、それ故に餘り他の人種からは好く言はれない、第三は希臘入で、主として海岸地に住つて居る、尤も内地にも這入つて居りますが、内地の方は比較的少ない、土耳其人は希臘入をユナンと呼び、希臘國をユナニスタンと呼びます、これはイヲニヤ人と云ふ意味から轉訛したのです、以上三種は重要なる民族であります、其外に露領の高加索地方から這入つて來て居るチエルケス人種それからメソポタミアの北境なるクールヂスタンから這入つて來たクールド入種、是等がずつとアンゴラ邊まで這入つて居ります、シワスにも澤山居ります即ちクールド人は多島海邊の方までは來て居ませぬがチエルケス人の方は到る所に分布して居ります、其外にスラヴ人種に属するブルガリア人は歐州から亜刺比亜人は叙里亜の方から這入つて雑居して居ります、細かいのは此の他にも猶太人を始め澤山ありますが、重もな人種は今御話した通りであります是等の人間の宗教は土耳其人は回教、アルメニヤ人はアルメニア教と云ふ耶蘇教の一種、希臘人は希臘教を信じてをります。

小亜細亜の交通線路は今日の場合では土耳其の首府が君士坦丁堡でありますから、之を中心と