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高等女学校令

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朕高等女学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム



明治三十二年二月七日

文部大臣 伯爵樺山資紀


勅令第三十一号

高等女学校令

第一条 高等女学校ハ女子ニ須要ナル高等普通教育ヲ為スヲ以テ目的トス

第二条 北海道及府県ニ於テハ高等女学校ヲ設置スヘシ

前項ノ校数ハ土地ノ情況ニ応シ文部大臣ノ指揮ヲ承ケ地方長官之ヲ定ム

第三条 前条ノ高等女学校ノ経費ハ北海道及沖縄県ヲ除ク外府県ノ負担トス

第四条 郡市町村北海道及沖縄県ノ区ヲ含ム又ハ町村学校組合ハ土地ノ情況ニ依リ須要ニシテ其ノ区域内小学教育ノ施設上妨ナキ場合ニ限リ高等女学校ヲ設置スルコトヲ得

第五条 郡市町村立ノ高等女学校ニシテ府県立高等女学校ニ代用スルニ足ルヘキモノアルトキハ地方長官ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ受ケ府県費ヲ以テ相当ノ補助ヲ与ヘ第二条ノ設置ニ代フルコトヲ得

第六条 私人ハ本令ノ規定ニ依リ高等女学校ヲ設置スルコトヲ得

第七条 高等女学校ノ設置廃止ハ文部大臣ノ認可ヲ受クヘシ

高等女学校ノ設置廃止ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第八条 公立高等女学校ノ位置ハ文部大臣ノ認可ヲ経テ地方長官之ヲ定ム

第九条 高等女学校ノ修業年限ハ四箇年トス但シ土地ノ情況ニ依リ一箇年ヲ伸縮スルコトヲ得

高等女学校ニ於テハ二箇年以内ノ補習科ヲ置クコトヲ得

第十条 高等女学校ニ入学スルコトヲ得ル者ハ年齢十二年以上ニシテ高等小学校第二学年ノ課程ヲ卒リタル者又ハ之ト同等ノ学力ヲ有スル者タルヘシ

第十一条 高等女学校ニ於テハ女子ニ必要ナル技芸ヲ専修セントスル者ノ為ニ技芸専修科ヲ置クコトヲ得

高等女学校ニ於テハ其ノ卒業生ニシテ某学科ヲ専攷セントスル者ノ為ニ専攷科ヲ置クコトヲ得

第十二条 高等女学校ノ学科及其ノ程度ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第十三条 高等女学校ノ教科書ハ文部大臣ノ検定ヲ経タルモノニ就キ地方長官ノ認可ヲ経テ学校長之ヲ定ム但シ文部大臣ノ検定ヲ経サル教科書ヲ使用スル必要アルトキハ地方長官ハ文部大臣ノ認可ヲ経テ一時其ノ使用ヲ認可スルコトヲ得

高等女学校教科書ノ検定ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第十四条 高等女学校ノ教員ハ文部大臣ノ授与シタル教員免許状ヲ有スル者タルヘシ但シ文部大臣ノ定ムル所ニ依リ本文ノ免許状ヲ有セサル者ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得

高等女学校教員ノ免許ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第十五条 公立高等女学校職員ノ俸給旅費其ノ他諸給与ニ関スル規則ハ文部大臣ノ認可ヲ経テ地方長官之ヲ定ム

第十六条 高等女学校ノ編制及設備ニ関スル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

第十七条 公立高等女学校ニ於テハ授業料ヲ徴収スヘシ但シ特別ノ場合ニ於テハ之ヲ減免スルコトヲ得

授業料入学料等ニ関スル規則ハ公立学校ニ在リテハ地方長官ニ於テ私立学校ニ在リテハ設立者ニ於テ文部大臣ノ認可ヲ経テ之ヲ定ム

第十八条 本令ノ規定ニ依ラサル学校ハ高等女学校ト称スルコトヲ得ス

第十九条 本令施行ノ為ニ必要ナル規則ハ文部大臣之ヲ定ム

附則

第二十条 本令ハ明治三十二年四月一日ヨリ施行ス

地方長官ハ文部大臣ノ認可ヲ受ケ本令施行ノ日ヨリ四箇年以内第二条ノ設置ヲ延期スルコトヲ得


  • 底本中の旧字を新字に改めた。

関連項目

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外部リンク

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この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。