教員免許令
新字体
[編集]朕教員免許令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
明治三十三年三月三十日
文部大臣 伯爵樺山資紀
勅令第百三十四号
教員免許令
第一条 特別ノ規定アル場合ヲ除クノ外教員免許状ヲ授与スルハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 特別ノ規定アル場合ヲ除クノ外本令ニ依リ免許状ヲ有スル者ニ非サレハ教員タルコトヲ得ス但シ文部大臣ノ定ムル所ニ依リ免許状ヲ有セサル者ヲ以テ教員ニ充ツルコトヲ得
第三条 教員免許状ハ教員養成ノ目的ヲ以テ設置シタル官立学校ノ卒業者又ハ教員検定ニ合格シタル者ニ文部大臣之ヲ授与ス
第四条 教員検定ハ試験検定及無試験検定トシ教員検定委員之ヲ行フ
第五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ教員検定ヲ受クルコトヲ得ス
一 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者但シ国事犯ニシテ復権シタル者ハ此ノ限ニ在ラス
二 信用若ハ風俗ヲ害スル罪ヲ犯シテ罰金ノ刑ニ処セラレ又ハ監視ニ付セラレタル者
三 破産若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復権セサル者又ハ身代限リノ処分ヲ受ケ債務ノ弁償ヲ終ヘサル者
第六条 教員検定ヲ出願スル者ハ手数料トシテ一学科目毎ニ金参円ヲ納付スヘシ
第七条 教員検定ニ関スル規程ハ文部大臣之ヲ定ム
第八条 教員免許状ヲ受ケタル者ノ氏名族籍及免許ノ学科ハ官報ヲ以テ之ヲ公告ス
第九条 教員免許状ヲ有スル者其ノ氏名族籍ヲ変更シ又ハ免許状ヲ毀損亡失シタルトキハ其ノ事由ヲ記シ免許状ノ書換若ハ再渡ヲ文部大臣ニ出願スルコトヲ得
前項ニ依リ免許状ノ書換若ハ再渡ヲ出願スル者ハ手数料金壱円ヲ納付スヘシ
第十条 教員免許状ヲ有スル者第五条各号ノ一ニ該当シタルトキハ免許状ハ其ノ効力ヲ失フ
第十一条 教員免許状ヲ有スル者不正ノ所為其ノ他教員タルヘキ体面ヲ汚辱スルノ行為アリテ其ノ情状重シト認ムルトキハ文部大臣ハ其ノ免許状ヲ褫奪ス
第十二条 本令ニ依リ納付スヘキ手数料ハ収入印紙ヲ用ヰ之ヲ願書ニ貼付スヘシ其ノ既ニ納メタル後ハ何等ノ事情アルモ之ヲ還付セス
附則
第十三条 本令ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十四条 本令施行前文部大臣ニ於テ授与シタル師範学校、中学校、高等女学校ノ教員免許状及旧東京師範学校ニ於テ授与シタル中学師範学科卒業証書ハ本令ニ依リ授与シタル教員免許状ト同一ノ効力ヲ有ス
関連項目
[編集]- 教員検定ニ関スル規程 (明治33年文部省令第10号)
- 教員免許状ヲ有セサル者ヲ教員ニ採用ノ件制定明治三十年省令第十九号第七条同三十二年省令第二十二号同第三十四号廃止 (明治33年文部省令第15号)
- 師範学校中学校女子師範学校師範学校女子部、高等女学校ノ教員免許状効力 (明治41年文部省令第7号)
外部リンク
[編集]この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。