遺失物取扱規則

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遺失物取扱規則左ノ通相定候條此旨布吿候事

遺失物取扱規則

第一條  凡遺失物ト稱スルハ自ラ其遺失スルコヲ覺ラス及ヒ其所在ノ明カナラサルモノヲ云フ故ニ若シ其物ヲ得ルニ臨テ物主其塲ニ就テ其主タルヿヲ鐙明スルニ於テハ直ニ之ヲ返還シ遺失物ヲ以テ論スルヿヲ得ス

第二條  凡遺失ノ物ヲ得レハ五日內ニ其主ニ還シ其主分明ナラサレハ之ヲ官ニ送ルヘシ官之ヲ榜示シ壹年內其主ナキ時ハ之ヲ得者ニ給ス

第三條  凡遺失者ハ其遺失スル物品ノ模樣員數並ニ遺失ノ日時場所等ヲ可成丈ケ詳細ニ記載シ速カニ官ニ屆出ヘシ但得者ヨリ其返還ヲ得ル時モ亦更ニ其旨ヲ屆出ヘシ

第四條  凡遺失ノ物ヲ得レハ之ヲ其主ニ還スト雖トモ其費用ヲ償ハシムルコヲ得且得者ニ報勞ノタメ其物價百分ノ五ヨリ少カラス貳拾ヨリ多カラサル金圓ヲ給スヘシ若シ物主得者ト其價格ヲ爭フ時ハ官之ヲ評價人ニ托シテ其價ヲ定ム

第五條  凡遺失物ヲ得ルニ物品盜贜ニ孫ルモノハ直ニ官ニ送ルヘシ官之ヲ其主ニ還シ止タ其費用 ミヲ償ハシム

第六條  官私ノ地內ニ於テ埋藏ノ物品ヲ堀得ルモノハ之ヲ官ニ送ルヘシ其主分明ナラサルモノハ地主ノ所有ニ歸スヘシ若シ借地人其借地ヨリ堀得タルトキハ之ヲ地主ト中分セシム

但盜贜ニ係ルモノハ此限ニ在ラス

第七條  凡遺失ノ物ヲ得ルニ若シ其物耐久シ難クシテ其主分明ナラサル時ハ迅速ニ之ヲ官ニ送ルヘシ官之ヲ公賣シ其代價ヲ領置シ榜示シテ處分スルヿ第二條ノ如シ

第八條  凡家畜ノ類他所ニ逸走スルモノハ之ヲ遺失物ト稱スルヲ得スト雖トモ其主ヨリ之ヲ官ニ報シ及ヒ得者ニ其費用ト報勞金ヲ給與スルヿ第三條第四條ニ同シ若シ他人ノ財產ヲ毀損スル時ハ律ニ照シテ處分ス

第九條  凡逸走スル畜類ヲ得タル者其主分明ナラサレハ之ヲ官ニ送ルヘシ若シ八日內其主ナケレハ官之ヲ公賣シテ得者ニ其費用ヲ償ヒ仍ホ代金ノ剩餘アルモノハ之ヲ官ニ領置シ榜示シテ處分スルヿ第二條ノ如シ

第十條  凡遺失物及ヒ逸走畜類ノ官ニ係ルモノハ官ヨリ得者ニ其費用ト報勞金ヲ給スルヿ私物ニ異ナルヿナシ

第十一條  凡警察官吏タル者ハ所部ノ內外ヲ問ハス遺失物ヲ得レハ速ニ之ヲ官ニ送リ全ク其主ニ還付シ其主ナケレハ之ヲ官ニ沒ス

第十二條  凡一切應禁ノ物ヲ得レハ遺失及ヒ埋藏ヲ論セス並ニ官ニ沒ス

策十三條  凡公私債證書地券諸鑑札等ノ類ハ遺失物ヲ以テ論スルヲ得スト雖トモ物主ハ得者ニ其費用ヲ償フヘシ

第十四條  凡遺失物及ヒ逸走畜類ヲ得若クハ埋藏物ヲ堀得テ官私ニ全ク送還セス或ハ物主ノ其主タルヿヲ證明スルニ冒認シテ返還セサル者ハ並ニ律ニ照シテ處分ス

この作品は1926年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。