遺失物法

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第一条

  1. 他人ノ遺失シタル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ遺失者又ハ所有者其ノ他物件回復ノ請求権ヲ有スル者ニ其ノ物件ヲ返還シ又ハ警察署長ニ之ヲ差出スヘシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件ハ返還スルノ限ニアラス
  2. 物件ヲ警察署長ニ差出シタルトキハ警察署長ハ物件ノ返還ヲ受クヘキ者ニ之ヲ返還スヘシ若シ返還ヲ受クヘキ者ノ氏名又ハ居所ヲ知ルコト能ハサルトキハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ公告ヲ為スヘシ

第二条

  1. 警察署長ハ其ノ保管ノ物件滅失又ハ毀損ノ虞アルトキ又ハ其ノ保管ニ不相当ノ費用若ハ手数ヲ要スルトキハ政令ノ定ムル方法ニ従ヒ之ヲ売却スルコトヲ得
  2. 売却ノ費用ハ売却代金ヨリ支弁ス
  3. 売却費用ヲ控除シタル売却代金ノ残額ハ拾得物ト看做シテ之ヲ保管ス

第二条ノ二

前条第一項ノ規定ニ依リ売却ニ付スルモ売却スルコト能ハザリシ物件又ハ売却スルコト能ハズト認メラルル物件ハ警察署長ニ於テ之ヲ廃棄スルコトヲ得

第三条

拾得物ノ保管費公告費其ノ他必要ナル費用ハ物件ノ返還ヲ受クル者又ハ物件ノ所有権ヲ取得シ之ヲ引取ル者ノ負担トシ民法第二百九十五条 乃至第三百二条 ノ規定ヲ適用ス

第四条

  1. 物件ノ返還ヲ受クル者ハ物件ノ価格百分ノ五ヨリ少カラス二十ヨリ多カラサル報労金ヲ拾得者ニ給スヘシ但シ国庫其ノ他公ノ法人ハ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
  2. 物件ノ返還ヲ受クル者ハ第十条第二項ノ占有者アル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依ル報労金ノ額ノ二分ノ一宛ヲ拾得者及占有者ニ給スベシ

第五条

第二条ニ依リ売却シタル物件ニ付テハ売却代金ノ額ヲ以テ物件ノ価格トス

第六条

第三条ノ費用及第四条ノ報労金ハ物件ヲ返還シタル後一箇月ヲ過クルトキハ之ヲ請求スルコトヲ得ス

第七条

拾得者ハ予メ申告シテ拾得物ニ関スル一切ノ権利ヲ抛棄シ第三条ノ費用弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得

第八条

  1. 物件ノ返還ヲ受クヘキ者ハ其ノ権利ヲ抛棄シテ第三条ノ費用及第四条ノ報労金弁償ノ義務ヲ免ルルコトヲ得
  2. 物件ノ返還ヲ受クヘキ各権利者其ノ権利ヲ抛棄シタルトキハ拾得者其ノ物件ノ所有権ヲ取得ス但シ拾得者其ノ取得権ヲ抛棄シ第一項ノ例ニ依ルコトヲ得
  3. 法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁シタル物件(行政庁ノ許可其ノ他之ニ類スル処分ニ依リ所有所持スルコトヲ認メラルル物件ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク)ヲ拾得シタル者ハ所有権ヲ取得スルノ限ニアラス
第九条
拾得物其ノ他本法ノ規定ヲ準用スル物件ヲ横領シタルニ依リ処罰セラレタル者及拾得ノ日(次条第二項ノ占有者ニ在リテハ其ノ管守者同項ノ規定ニ依リ物件ノ交付ヲ受ケタル日以下同ジ)ヨリ七日内ニ第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為ササル者ハ第三条ノ費用及第四条ノ報労金ヲ受クルノ権利並ニ拾得物ノ所有権ヲ取得スルノ権利ヲ失フ拾得ノ時ヨリ二十四時間内ニ次条第二項ノ規定ニ依リ船車建築物等ノ管守者ニ物件ノ交付ヲ為サザル者亦同ジ
第十条
  1. 船車建築物其ノ他ノ施設ノ占有者ノ為之ヲ管守スル者其ノ管守スル場所ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタルトキハ速ニ其ノ物件ヲ占有者ニ差出スベシ此ノ場合ニ於テハ占有者ヲ以テ拾得者ト看做シ本法及民法第二百四十条 ノ規定ヲ適用ス
  2. 管守者アル船車建築物其ノ他本来公衆ノ一般ノ通行ノ用ニ供スルコトヲ目的トセザル構内ニ於テ他人ノ物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ管守者ニ交付シ交付ヲ受ケタル管守者ハ之ヲ其ノ船車建築物等ノ占有者ニ差出スベシ
  3. 前項ノ場合ニ於テハ船車建築物等ノ占有者第一条第一項又ハ第十一条第一項ノ手続ヲ為スベシ
  4. 第二項ノ場合ニ於テ拾得者第七条若ハ第八条第二項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ前条後段ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ失ヒタルトキハ同項ノ占有者ハ第四条第二項ノ規定ニ依ル拾得者ノ報労金ヲ受クルノ権利ヲ除キ拾得者ノ拾得物ニ関スル権利ヲ取得ス但シ占有者第七条又ハ第八条第一項ノ例ニ依ルコトヲ得
第十条ノ二
  1. 前条ニ規定スル船車建築物等ノ占有者ニシテ当該船車建築物等ニ於ケル拾得物ヲ保管スルニ適スト認メラルル政令ヲ以テ指定スル法人前条第一項ノ規定ニ依リ拾得者ト看做サルル場合又ハ同条第二項ノ規定ニ依リ物件ノ差出ヲ受ケタル場合ニ於テ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スルコト能ハザルトキハ政令ノ定ムル所ニ依リ警察署長ニ届出ヲ為シタル後其ノ物件ヲ保管スベシ但シ法令ノ規定ニ依リ私ニ所有所持スルコトヲ禁ジタル物件ハ之ヲ速ニ警察署長ニ差出スベシ
  2. 前項ニ規定スル法人政令ヲ以テ定ムル要件ニ従ヒ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シタル物件ニ付テハ前項本文ノ規定ニ拘ラズ之ヲ警察署長ニ差出シ其ノ保管ノ責ヲ免ルルコトヲ得
  3. 第一項ノ規定ニ依ル届出ハ第九条ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ第一条第一項ノ手続ト看做ス
  4. 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ第一条第二項ノ例ニ依リ公告ヲ為スベシ
  5. 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ其ノ物件ノ返還ヲ受クベキ者ニ之ヲ返還スベシ
  6. 第一項ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ハ政令ノ定ムル所ニ依リ第二条又ハ第二条ノ二ノ規定ニ準ジ拾得物ヲ売却シ又ハ廃棄スルコトヲ得
  7. 第一項ノ規定ニ依ル届出ヲ受ケタル警察署長ハ其ノ物件ノ保管ノ状況ヲ調査スル為其ノ保管場所(公ノ法人ニシテ政令ヲ以テ定ムルモノノ設置スル保管場所ヲ除ク)ニ立入リ又ハ所属警察官ヲシテ立入ラシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ正当ナル理由ナクシテ其ノ立入ヲ拒ムコトヲ得ズ
  8. 前項ノ規定ニ依リ立入ラムトスル警察署長又ハ警察官ハ其ノ身分ヲ証スル証明書ヲ携帯シ関係人ニ之ヲ提示スベシ
第十一条
  1. 犯罪者ノ置去リタルモノト認ムル物件ヲ拾得シタル者ハ速ニ其ノ物件ヲ警察署長ニ差出スヘシ
  2. 前項ノ物件ニ関シテハ法律ノ規定ニ依リ没収スルモノヲ除ク外本法(第十条ノ二ヲ除ク以下本条中同ジ)及民法第二百四十条 ノ規定ヲ準用ス但シ犯罪捜査ノ為必要ナルトキハ警察署長ニ於テ公訴権消滅ノ日マデ公告ヲ為サザルコトヲ得
  3. 第一項ノ物件ニ関シテハ公訴権消滅ノ日マデニ前項本文ニ於テ準用スル本法及民法第二百四十条 ノ規定ニ依リ公告ヲ為シタル後既ニ六箇月ヲ経過シアリタル場合ニ限リ公訴権消滅ノ日ニ拾得者ニ於テ所有権ヲ取得ス
第十二条
誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条 ノ規定ヲ準用ス但シ誤テ占有シタル物件ニ関シテハ第三条 ノ費用及第四条 ノ報労金ヲ請求スルコトヲ得ス
第十三条
埋蔵物ニ関シテハ第十条及第十条ノ二ヲ除クノ外本法ノ規定ヲ準用ス
第十四条
本法及民法第二百四十条第二百四十一条 ノ規定ニ依リ物件ノ所有権ヲ取得シタル者取得ノ日ヨリ二箇月内ニ物件ヲ警察署長又ハ第十条ノ二第一項 ノ規定ニ依リ物件ヲ保管スル法人ヨリ引取ラサルトキハ所有権ヲ喪失ス
第十五条
左ノ各号ニ掲グル物件ニシテ交付ヲ受クル者ナキトキハ其ノ所有権ハ夫々当該各号ニ掲グル者ニ帰属ス但シ第八条第三項ニ掲グル物件ニ付テハ其ノ所有権ハ国ニ帰属ス
一 警察署長ノ保管スルモノ 当該警察署ノ属スル都道府県
二 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スルモノ(第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ失ヒタルモノヲ除ク) 当該法人
三 第十条ノ二第一項ニ規定スル法人ノ保管スル物件ニシテ第七条第八条第二項但書第九条又ハ第十条第四項但書ノ規定ニ依リ拾得物ニ関スル権利ヲ抛棄シ又ハ失ヒタルモノ 当該物件ノ保管場所ノ所在スル都道府県
第十六条
本法ニ特別ノ定アルモノヲ除ク外本法ノ施行ニ関スル細目ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七条
明治九年第五十六号布告遺失物取扱規則ハ本法施行ノ日ヨリ廃止ス

附則(昭和二五年五月三〇日法律第二一四号)抄[編集]

(施行期日)

第百十三条
この法律施行の期日は、公布の日から起算して三箇月をこえない期間内において、政令で定める。

(遺失物法の一部改正)

第百二十六条
  1. 遺失物法の一部を次のように改正する。(「次のよう」略)
  2. この法律施行前に国庫に帰属した埋蔵物については、前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

附則(昭和二六年五月二三日法律第一五七号)抄[編集]

  1. この法律は、公布の日から施行する。

附則(昭和三三年三月一〇日法律第五号)抄[編集]

(施行期日)

  1. この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則(平成一一年一二月二二日法律第一六〇号)抄[編集]

(施行期日)

第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。



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  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
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