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道路取締令中改正/道路取締令

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◎内務省令第四十五號

道路法第四十九號ノ規定ニ基キ道路取締令左ノ通定ム

大正九年十二月十六日
内務大臣  床次竹二郎
道路取締令

第一條 道路ヲ通行スル者ハ左側ニ依ルヘシ

第二條 歩道、車道等ノ區別アル道路ニ於テハ其ノ區別ニ從ヒ通行スヘシ

隊伍、神輿、葬列其ノ他ノ行列ハ車道ヲ通行スヘシ但シ兒童、幼兒ノ隊伍ハ此ノ限ニ在ラス
小兒車ハ歩道ヲ通行スヘシ

第三條 牛車、馬車、自動車其ノ他ノ重キ車輛ハ歩道ヲ横切ルヘカラス但シ通路ニ特別ノ装置アル場合又ハ最寄警察官吏ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラス

牛、馬、諸車等ハ斜ニ道路ヲ横切ルヘカラス
地方長官必要ト認ムルトキハ交通頻繁ナル道路ニ於テ特ニ指定シタル場所ノ外區域及時間ヲ限リ車道ノ横断ヲ禁止スルコトヲ得

第四條 牛、馬、諸車等行逢フトキハ互ニ左方ニ避譲スヘシ

第五條 牛、馬、諸車等前方ニ在ル者ヲ追越ス場合ハ止ムヲ得サルトキヲ除クノ外前者ハ左方ニ避ケ後者ハ其ノ右方ヲ通過スヘシ

前項ノ場合ニ於テハ後者ニ於テ音響器ヲ鳴ラシ又ハ掛聲其ノ他ノ合圖ヲ爲シ前者ノ避クルヲ待チテ進行スヘシ
牛、馬、諸車等電車ヲ追越ス場合ハ道路ノ状況ニ依リ止ムヲ得サルトキヲ除クノ外其ノ左方ヲ通過スヘシ

第六條 進行中ノ消防車、郵便車、傷病人運搬車及隊伍、神輿、葬列ニ對シテハ避譲スヘシ

第七條 牛、馬、諸車等ハ左ノ場合ニ於テハ音響器ヲ鳴ラシ又は掛聲其ノ他ノ合圖ヲ爲シ除行スヘシ

一 道路ノ交叉點、曲角其ノ他屈曲ノ場所又ハ雑沓ノ場所ヲ通過スルトキ
二 第三條第三項ノ規定ニ依リ地方長官ノ特ニ指定シタル場所ヲ通過スルトキ
三 歩道ヲ横切ルトキ
四 安全地帯ノ設ケナキ停留場ニ在ル電車ノ側方ヲ通過スルトキ
牛、馬、諸車等道路交叉ノ場所ニ於テ右折セムトスルトキハ道路ヲ横切リタル後右方ニ轉向スヘシ
第一項第四號ノ場合ニ於テ乗降客輻輳スルトキハ牛、馬、諸車等ハ一時進行ヲ停止スヘシ

第八條 牛、馬、諸車等ハ夜間燈火ヲ用井スシテ通行スヘカラス

地方長官ハ土地ノ状況ニ依リ前項ニ異リタル規定ヲ設クルコトヲ得

第九條 鐵道又ハ軌道ノ踏切ヲ通過セムトスルトキハ汽車、電車等ノ接近セサルコトヲ確メタル後通行スヘシ

第十條 牛、馬、諸車等ハ安全地帯内ヲ通行スルヘカラス

第十一條 道路ノ交叉點、曲角、隧道又ハ橋梁等ニ牛、馬、諸車等ヲ駐ムヘカラス

牛、馬、諸車等ヲ駐ムルトキハ其ノ左側端ニ於テ之ヲ爲スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ牛馬等ノ奔逸ヲ防クニ必要ナル措置ヲ爲スヘシ但シ竝木、道路元標、里程標及道路標識等ニ之ヲ繋クヘカラス

第十二條 荷車ノ輪帯幅ハ左ノ制限ニ從フヘシ

牛車   三寸五分以上 四輪車ニ在リテハ其ノ前輪ヲ後輪ノ二分ノ一迄編小スルコトヲ得
馬車   三寸以上 同上
大車 荷臺ノ面積十八平方尺以上ノモノ 二寸以上  
無限軌道其ノ他道路ヲ損傷セサル特別ノ装置ヲ爲セル車ニ在リテハ其ノ装置ノ幅ヲ以テ前項ノ輪帯幅ト看做ス

第十三條 荷車ノ積載量ハ車體ノ重量ヲ合セ左ノ制限ヲ超ユルコトヲ得ス

自動車 千四百貫
牛車 四輪車 五百五十貫
其ノ他 四百貫
馬車 四輪車 五百貫
其ノ他 三百五十貫
大車 二百貫

第十四條 荷車ノ積荷ノ容積ハ左ノ制限ヲ超ユルコトヲ得ス

一 高 自動車ニ在リテハ荷臺ヨリ八尺
其ノ他ノ荷車ニ在リテハ六尺
二 前後ノ出幅 荷臺ヨリ各二尺
三 左右の出幅 荷臺ヨリ各一尺
自動車ニ依ル積荷ハ之ヲ車體ノ前後左右ニ突出セシムルコトヲ得ス

第十五條 地方長官ハ土地ノ状況、道路、橋梁又ハ車輛ノ構造若ハ装置ニ依リ第十二條第一項、第十三條及び第十四條ノ制限ニ異リタル規定ヲ設クルコトヲ得

第十六條 第十三條、第十四條ノ規定又ハ第十五條ニ基ク命令ニ依ル荷車ノ積載量、其ノ積荷ノ容積ノ制限ヲ超ユル物ニシテ分割スヘカラサル場合ハ出發地警察官署ノ許可ヲ受クルヘシ

第十七條 管理者ハ道路ニ關スル工事ノ爲必要アルトキハ道路ノ通行ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得

第十八條 地方長官ハ危險豫防上其ノ他公安上必要ト認ムルトキハ道路ノ通行ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得

警察官吏ハ危險豫防上其ノ他公安上必要ト認ムルトキハ一時道路ノ通行ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得

第十九條 道路ヲ掘鑿シ又ハ道路ニ物ヲ置ク場合ニハ縄張、點燈其ノ他危險豫防ニ必要ナル装置ヲ爲スヘシ

第二十條 沿道ノ土地ニ物ヲ堆積シ又ハ立テ置クトキハ倒壊、崩落ヲ防クニ必要ナル装置ヲ爲スヘシ

第二十一條 道路又ハ沿道ノ土地ニ於テ工作物ヲ建設、撤去若ハ修繕シ又ハ其ノ他ノ作業ヲ爲ストキハ土砂、瓦石、竹木、金物等ノ道路ニ飛散又ハ墜落スルヲ防クニ必要ナル装置ヲ爲スヘシ

第二十二條 警察官署ハ道路及沿道ノ土地ニ於ケル工作物其ノ他ノ施設及物件ニ付其ノ占有者ニ対シ危険防止其ノ他交通保全ノ爲必要ナル措置ヲ命スルコトヲ得

第二十三條 道路ニ於テ物ヲ運搬スルトキハ其ノ飛散、漏出、墜落及危險ヲ防クニ必要ナル装置ヲ爲スヘシ

第二十四條 道路ニ於テ乗馬又ハ諸車運転ノ練習ヲ爲スヘカラス 但シ交通稀疎ニシテ危険ノ虞ナキ場所ニ於テハ此ノ限ニ在ラス

第二十五條 交通頻繁ナル道路ニ於テ兒童、幼兒ニ遊戯ヲ爲サシメ又ハ保護者ナクシテ幼兒ヲ歩行セシムヘカラス

第二十六條 道路ニ於テ煙火、空気銃、吹矢ノ類ヲ弄シ又ハ投石、投球等危險ノ行為ヲ爲スヘカラス

第二十七條 第二條、第三條第一項、第二項、第四條乃至第八條第一項、第十條及第二十五條ノ規定ニ違反シタル者又ハ第三條第三項ノ規定ニ基ク禁止ニ違反シタル者ハ科料ニ処ス

第二十八條 第十一條、第十三條、第十四條、第十六條、第二十三條、第二十四條及第二十六條ノ規定ニ違反シタル者、第十二條第一項ノ規定又ハ第十五條ノ規定ニ基ク命令ニ依ル輪帯幅ノ制限ニ違反シタル荷車ヲ使用シ若ハ同條ノ規定ニ基ク命令ニ依ル荷車ノ積載量、其ノ積荷ノ容積ノ制限ニ違反シタル者又ハ第十七條、第十八條ノ規定ニ基ク禁止若ハ制限ニ違反シタル者ハ拘留又ハ科料ニ処ス

第二十九條 第十九條乃至第二十一條ノ規定ニ違反シタル者又ハ第二十二條ノ規定ニ基ク処分ニ違反シタル者ハ百円以内ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ処ス

第三十條 前条ノ罰則ハ之ヲ法人ニ適用ス

法人ニ処罰スヘキ場合ハ其ノ代表者ヲ以テ被告人トス

第三十一條 本令ニ規定スルモノノ外道路法第四十九條ノ規定ニ基ク命令ハ地方長官之ヲ定ム

本令ハ大正十年一月一日ヨリ之ヲ施行ス

本令施行ノ際現ニ使用スル荷車ノ輪帯幅ハ大正十八年十二月三十一日迄本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ノ制限ニ依ラサルコトヲ得

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。