請願令

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朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ請願令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽
昭和六年四月四日

內閣総理大臣  伯爵寺內正毅

內務大臣     男爵後藤新平

海軍大臣      加藤友三郎

陸軍大臣        大島健一

外務大臣〈法學博士子爵〉本野一郎

司法大臣        松室 致

文部大臣        岡田良平

逓信大臣     男爵田健治郎

農商務大臣      仲小路廉

大藏大臣        勝田主計

勅令第三十七號

請願令

第一條 請願ハ法律勅令ニ別段ノ規定アルモノヲ除クノ外本令ニ依リ之ヲ爲スヘシ

第二條 請願ハ文書ヲ以テ之ヲ爲スヘシ

 請願書ニハ侮辱誹毀ニ渉リ又ハ秩序風俗ヲ紊ル文辭ヲ用ウルコトヲ得ス

第三條 請願書ノ門司ハ端正鮮明ナルコトヲ要ス

第四條 請願書ニハ請願ノ要旨、理由、年月日、請願書ノ族稱、職業、住所、年齢ヲ記載シ請願者各自之ニ署名捺印スヘシ

第五條 法人請願者ナルトキハ其ノ名稱及住所ヲ記載シ法定ノ代表者各自請願書ニ署名捺印スヘシ

第六條 法人ハ其ノ目的ノ遂行ニ關係アル事項ニ非サレハ請願ヲ爲スコトヲ得ス

第七條 未成年者及禁治産者ノ請願ハ其ノ法定代理人ニ於テモ之ヲ爲スコトヲ得

 前項ノ場合ニ於テハ請願書ニ代理ノ事由及法定代理人ノ族稱、職業、住所、年齢ヲ記載シ法定代理人之ニ署名捺印スヘシ

第八條 署名スルコト能ハサル者ハ他人ヲシテ代署セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ代署者請願書ニ其ノ事由ヲ附記シ且其ノ族稱、職業、住所、年齢ヲ記載シ之ニ署名捺印スヘシ

第九條 請願ハ第七條ノ場合ヲ除クノ外代理人ニ依リテ之ヲ爲スコトヲ得ス

第十條 天皇ニ奉呈スル請願書ハ封皮ニ請願ノ二字ヲ朱書シ內大臣府ニ宛テ其ノ他ノ請願書ハ請願ノ事項ニ付職權ヲ有スル官公署ニ宛テ郵便ヲ以テ差出スヘシ

第十一條 左ニ掲グル事項ニ付テハ請願ヲ爲スコトヲ得ス

一 皇室典範及帝國憲法ノ變更ニ關スル事項
ニ 裁判ニ干預スル事項

第十二條 相當ノ敬禮ヲ守ラス又ハ本令ノ規定ニ違反スル請願書ハ之ヲ却下ス但シ官公署ニ對スル請願書ハ第三條乃至第五條、第七條第二項又ハ第八條ノ規定ニ違反スルモ之ヲ却下セサルコトヲ得

第十三條 請願ニ對シテハ指令ヲ與ヘス

第十四條 天皇ニ奉呈スル請願書ハ內大臣奏聞シ旨ヲ奉シテ之ヲ處理ス

第十五條 請願ニ關シ官公署ノ職員ニ強テ面接ヲ求メタル者ハ二月以下ノ禁錮若ハ五十圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ處ス

 二人以上共ニ前項ノ罪ヲ犯シタルトキハ六月以下ノ禁錮又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス

第十六條 行幸ノ際沿道又ハ行幸地ニ於テ直願ヲ爲サムトシタル者ハ一年以下ノ懲役ニ處ス行啓ノ際沿道又ハ行啓地ニ於テ直願ヲ爲サムトシタル者亦同シ

第十七條 請願ヲ爲サシムル爲他人ヲ誘惑若ハ煽動シ又ハ名義ノ何タルヲ問ハス問ハス請願ニ關スル運動ノ爲金銭其ノ他ノ利益ヲ収受シ、要求シ若ハ其ノ収受ヲ約束シタル者ハ六月以下ノ懲役又ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。