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裁判官弾劾裁判所規則

提供:Wikisource
昭和二十四年八月十日決定(昭和二十四年八月十日官報掲載)
昭和二十三年九月六日決定弾劾裁判所規則の全部改正〕

改正

昭和二十五年七月二十九日決定(昭和二十五年八月二十八日官報掲載)
昭和三十四年四月九日決定(昭和三十四年四月十四日官報掲載)
昭和五十九年三月二十八日決定(昭和五十九年三月二十九日官報掲載)
平成九年十月二十二日決定(平成九年十月二十四日官報掲載)
平成十三年三月二十六日決定(平成十三年三月二十八日官報掲載)
平成十三年八月九日決定(平成十三年八月十三日官報掲載)

目次

第一章 総則
第二章 裁判員及び参事の除斥、忌避及び回避
第三章 弁護人
第四章 裁判
第五章 書類及び送達
第六章 期間
第七章 被訴追者の召喚
第八章 証拠
第一節 検査
第二節 証人尋問
第三節 鑑定
第四節 通訳及び飜訳
第五節 証拠保全
第九章 公判
第一節 公判準備及び公判手続
第二節 公判の裁判
第十章 資格回復
第十一章 附則

第一章 総則

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 (審理及び裁判手続の根拠)

第一条 裁判官弾劾裁判所(以下「弾劾裁判所」という。)の審理及び裁判の手続については、裁判官弾劾法(昭和二十二年法律第百三十七号。以下「法」という。)に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。

第二章 裁判員及び参事の除斥、忌避及び回避

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 (忌避の申立)

第二条 裁判員に対する忌避の申立は、弾劾裁判所に、受命裁判員に対する忌避の申立は、忌避すべき裁判員にしなげればならない。

2 忌避の申立をするには、その原因を示さなければならない。

3 忌避の原因及び忌避の申立をした者が事件について請求若しくは陳述をした際に忌避の原因があることを知らなかつたこと、又は忌避の原因が事件について請求若しくは陳述をした後に生じたことは、申立をした日から三日以内に書面で疎明しなければならない。

 (申立に対する意見書)

第三条 忌避された裁判員は、次に掲げる場合を除いては、忌避の申立に対し、意見書を差し出さなければならない。

一 忌避の申立が審理を遅延させる目的のみでされたことが明らかであるとして、却下するとき。
二 忌避の申立が刑事訴訟法(昭和二十三年法律第一三一号)第二十二条の規定に違反し、又は前条第二項若しくは第三項に定める手続に違反してされたものとして、却下するとき。

 (審理手続の停止)

第四条 忌避の申立があつたときは、前条各号に規定する場合を除いては、審理手続を停止しなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

 (除斥の裁判)

第五条 彈劾裁判所は、除斥の事由に該当する裁判員があると認めるときは、職権で除斥の決定をしなければならない。

2 前項の決定をするには、当該裁判員の意見を聴かなければならない。

3 当該裁判員は、第一項の決定に関与することができない。

第六条 削除

 (回避)

第七条 裁判員は、忌避されるべき原因があると思料するときは、回避しなければならない。

2 回避の申立は、弾劾裁判所に書面でしなければならない。

3 弾劾裁判所は、回避の申立について決定をしなければならない。

4 回避については、第五条第三項の規定を準用する。

 (除斥、回避の裁判の送達)

第八条 第五条及び前条の決定は送達しない。

 (準用規定)

第九条 弾劾裁判所の参事については、この章の規定を準用する。

2 受命裁判員に附属する参事に対する忌避の申立は、その附属する裁判員にしなければならない。

第三章 弁護人

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 (弁護人の選任方式)

第十条 弁護人を選任するには、弁護人と連署した書面を弾劾裁判所に差し出さなければならない。

 (主任弁護人)

第十一条 被訴追者に数人の弁護人があるときは、その一人を主任弁護人とする。但し、弁護士でない者を主任弁護人とすることはできない。

2 主任弁護人は、被訴追者が単独で、又は全弁護人の合意で指定する。

3 主任弁護人を指定することができる者は、その指定を変更することができる。

4 全弁護人のする主任弁護人の指定又はその変更は、被訴追者の明示した意思に反してすることはできない。

 (主任弁護人の指定、変更の方式)

第十二条 主任弁護人を指定し、又はその変更をするには、書面を弾劾裁判所に差し出さなければならない。

 (裁判長の指定する主任弁護人)

第十三条 被訴追者に数人の弁護人がある場合に主任弁護人がないときは、裁判長は、主任弁護人を指定しなければならない。

2 裁判長は、前項の指定を変更することができる。

3 前二項の主任弁護人は、第十一条の主任弁護人ができるまで、その職務を行う。

 (主任弁護人の指定、変更の通知)

第十四条 主任弁護人の指定又はその変更については、被訴追者がこれをしたときは、直ちにその旨を裁判官訴追委員会(以下「訴追委員会」という。)及び主任弁護人となつた者に、全弁護人又は裁判長がこれをしたときは、直ちにその旨を訴追委員会及び被訴追者に通知しなければならない。

 (副主任弁護人)

第十五条 裁判長は、主任弁護人に事故がある場合には、他の弁護人のうち一人を副主任弁護人に指定することができる。

2 主任弁護人があらかじめ、弾劾裁判所に副主任弁護人となるべき者を届け出た場合には、その者を副主任弁護人に指定しなければならない。

3 裁判長は、第一項の指定を取り消すことができる。

4 副主任弁護人の指定又はその取消については、前条後段の規定を準用する。

 (主任弁護人、副主任弁護人の辞任、解任)

第十六条 主任弁護人又は副主任弁護人の辞任又は解任については、第十二条の規定を準用する。

2 主任弁護人又は副主任弁護人の辞任又は解任があつたとき、は直ちに事件関係人に通知しなければならない。但し、被訴追者が解任をしたときは、被訴追者に通知することを要しない。

 (主任弁護人、副主任弁護人の権限)

第十七条 主任弁護人又は副主任弁護人は、弁護人に対する通知又は書類の送達について他の弁護人を代表する。

2 主任弁護人及び副主任弁護人以外の弁護人は、裁判長又は受命裁判員の許可及び主任弁護人又は副主任弁護人の同意がなければ、申立、請求、質問、尋問又は陳述をすることができない。但し、証拠物の謄写の許可の請求、裁判書の謄本又は抄本の交付の請求及び公判期日において証拠調べが終つた後にする意見の陳述については、この限りではない。

 (被訴追者の弁護人の数の制限)

第十八条 弾劾裁判所は、特別の事情のあるときは、弁護人の数を各被訴追者について三人までに制限することができる。

2 前項の制限の決定は、被訴追者に告知することによつてその効力を生ずる。

3 被訴追者の弁護人の数を制限した場合において制限した数を超える弁護人があるときは、直ちにその旨を各弁護人及びこれらの弁護人を選任した者に通知しなければならない。この場合には制限の決定は前項の規定にかかわらず,その告知のあつた日から七日の期間を経過することによつてその効力を生ずる。

4 前項の制限の決定が効力を生じた場合になお制限された数を超える弁護人があるときは、弁護人の選任は、その効力を失う。

 (国選弁護人選任の請求)

第十九条 刑事訴訟法第三十六条の規定による弁護人の選任の請求をするには、その理由を示さなければならない。

 (国選弁護人の選任)

第二十条 刑事訴訟法の規定に基いて弾劾裁判所又は裁判長が附すべき弁護人は、弾劾裁判所の所在地に居住する弁護士の中から裁判長が選任しなければならない。但し、やむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

2 被訴追者の利害が相反しないときは、同一の弁護人に数人の弁護をさせることができる。

 (弁護人の書類の閲覽等)

第二十一条 弁護人は、裁判長の許可を受けて、自己の使用人その他の者に事件に関する書類及び証拠物を閲覧文は謄写させることができる。

第四章 裁判

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 (職務の停止)

第二十二条 罷免の訴追を受けた裁判官の職務の停止は、決定でする。

2 前項の決定をしたときは、罷免の訴追を受けた裁判官の属する裁判所(罷免の訴追を受けた裁判官が簡易裁判所の裁判官であるときは、管轄地方裁判所。以下同じ。)最高裁判所及び訴追委員会に通知しなければならない。

 (決定、命令の手続)

第二十三条 決定は、申立により公判廷でするとき、又は公判廷における申立によりするときは、事件関係人の陳述を聴かなければならない。その他の場合には、事件関係人の陳述を聴かないですることができる。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

2 命令は、事件関係人の陳述を聴かないですることができる。

3 決定又は命令をするについて事実の取調をする場合において必要があるときは、刑事訴訟法及びこの規則の規定により、証人を尋問し、又は鑑定を命ずることができる。

4 前項の場合において必要と認めるときは、訴追委員会の委員長又はその指定する裁判官訴追委員(以下訴追委員長という。)、被訴追者又は弁護人を取調又は処分に立ち会わせることができる。

 (裁判の告知)

第二十四条 裁判の告知は、公判廷においては、宣告によつてし、その他の場合には、裁判書の謄本を送達してしなければならない。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

 (裁判の宣告)

第二十五条 裁判の宣告は、裁判長が行う。

2 判決の宣告をするには、主文及び理由を朗読し、又は主文の朗読と同時に理由の要旨を告げなければならない。

 (終局裁判の裁判書の謄本の送付)

第二十六条 弾劾裁判所の終局裁判の裁判書の謄本は、法第三十五条の規定によるの外、訴追委員会、被訴追者の属する裁判所及び管轄高等裁判所に送付しなければならない。

第五章 書類及び送達

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 (事件に関する書類)

第二十七条 事件に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。

 (事件に関する書類の作成者)

第二十八条 事件に関する書類は、特別の定のある場合を除いては、参事が作らなければならない。

 (証人等の尋問調書)

第二十九条 証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人の尋問については、調書を作らなければならない。

2 調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 尋間に立ち会つた者の氏名
二 証人が宣誓をしないときは、その事由
三 証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人の尋問及び供述並びにこれらの者を尋問する機会を尋問に立ち会つた者に与えたこと。

3 調書は、参事をして供述者に読み聞かさせ、又は供述者に閲覧させて、その記載が相違ないかどうかを問わなければならない。

4 供述者が増減変更を申し立てたときは、その供述を調書に記載しなければならない。

5 尋問に立ち会つた訴追委員長、被訴追者又は弁護人が調書の記載の正確性について異議を申し立てたときは、申立の要旨を調書に記載しなければならない。この場合には、裁判長又は尋問をした受命裁判員は、その申立についての意見を調書に記載させることができる。

6 調書には、供述者に署名押印させなければならない。

 (速記、録音)

第三十条 証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人の尋問については、速記者にその問答を筆記させ、又は録音裝置を使用して録取させることができる。

 (検査の調書)

第三十一条 法第二十九条第三項第二号の規定による検査については、調書を作らなければならない。

2 前項の調書には、検査に立ち会つた者の氏名を記載しなければならない。

 (調書の記載要件)

第三十二条 第二十九条及び前条の調書には、参事が尋問又は検査をした年月日及び場所を記載して署名押印し、その尋問又は検査をした者が認印しなければならない。ただし、弾劾裁判所が尋問又は検査をしたときは、認印は裁判長がしなければならない。

2 前条の調書には、検査をしたときをも記載しなければならない。

 (公判調書の記載要件)

第三十三条 公判調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 公判をした年月日
二 裁判員、参事及び訴追委員長の氏名並びに被訴追者、弁護人及び通訳人の氏名
三 被訴追者が出頭しなかつたときは、その旨
四 訴追委員長が訴追状を朗読したこと。
五 訴追状の朗読が終わつた後、被訴追者の権利を保護するため必要な事項を告げたこと。
六 訴追委員長が訴因を追加し、撤回し、又は変更する書面を朗読したこと。
七 事件関係人の申立てその他の申述の要旨
八 被訴追者に対する質問及びその供述
九 証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人の尋問及び供述並びに証人に宣誓をさせなかつたこと及びその事由
十 取調べをした書類及び証拠物
十一 公判廷においてした検証
十二 裁判長が記載を命じた事項及び事件関係人の請求により記載を許した事項
十三 被訴追者若しくは弁護人が最終に陳述をしたこと又は被訴追者若しくは弁護人に対し最終に陳述する機会を与えたこと。
十四 判決その他の裁判の宣告をしたこと。

 (公判調書の作成の手続)

第三十四条 公判調書については、第二十九条第三項、第四項及び第六項の規定による手続を要しない。

2 供述者の請求があるときは、参事をしてその供述に関する部分を読み聞かさせなければならない。尋問された者が増減変更の申立をしたときは、その供述を記載させなければならない。

 (公判調書の署名押印、認印)

第三十五条 公判調書には、参事が署名押印し、裁判長が認印しなければならない。

2 裁判長に差し支えがあるときは、他の裁判員の一人が、その事由を付記して認印しなければならない。

3 参事に差し支えがあるときは、裁判長が、その事由を付記して認印しなければならない。

 (公判廷の速記、録音)

第三十六条 公判廷における証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人の尋問及び事件関係人の陳述については、第三十条の規定を準用する。

2 訴追委員長、被訴追者又は弁護人は、裁判長の許可を受けて、前項の規定による処置をとることができる。

 (異議の申立ての記載)

第三十七条 公判期日における証人の供述の要旨の正確性又は公判調書の記載の正確性についての異議の申立てがあつたときは、申立ての年月日及びその要旨を調書に記載しなければならない。この場合には、参事がその申立てについての裁判長の意見を調書に記載して署名押印し、裁判長が認印しなければならない。

 (調書への引用)

第三十八条 調書には、書面、写真その他弾劾裁判所又は受命裁判員が適当と認めるものを引用し、事件記録に添付して、調書の一部とすることができる。

 (被訴追者の公判調書の閲覧)

第三十九条 弁護人のない被訴追者の公判調書の閲覧は、弾劾裁判所においてしなければならない。

 (証人の供述の要旨等の告知)

第四十条 参事が公判期日外において、前回の公判期日における証人の供述の要旨又は審理に関する重要な事項を告げるときは、裁判長の面前でしなければならない。

 (判決宣告調書)

第四十一条 判決の宣告をした公判期日の調書は、即日整理しなければならない。

 (裁判書の作成)

第四十二条 裁判書は、裁判員が作らなければならない。

 (裁判書の記載要件)

第四十三条 裁判書には、特別の定のある場合を除いては裁判を受ける者の氏名、年令、職業及び住居を記載しなければならない。

2 判決書には、前項に規定する事項の外、公判期日に立ち会つた訴追委員長の氏名を記載しなければならない。

 (裁判書の謄本、抄本)

第四十四条 裁判書の謄本又は抄本は、原本により作らなければならない。

 (公務員の書類)

第四十五条 公務員が作るべき書類には、特別の定のある場合を除いては、年月日を記載して署名押印し、その所属の官公署を表示しなければならない。

2 書類には、毎葉に契印しなければならない。

 (公務員の書類の訂正)

第四十六条 公務員が書類を作るには、文字を改変してはならない。文宇を加え、削り、又は欄外に記入したときは、これに認印しその字数を上欄に記載しなければならない。但し、削つた部分は読むことができるように字体を残さなければならない。

 (公務員以外の者の書類)

第四十七条 公務員以外の者が作るべき書類には、年月日を記載して署名押印しなければならない。

2 前項の書類については、第四十五条第二項及び前條の規定を準用する。

 (署名押印に代わる記名押印)

第四十七条の二 裁判員及び参事が署名押印すべき場合には、署名押印に代えて記名押印することができる。ただし、判決書に署名押印すべき場合については、この限りでない。

2 訴追委員、訴追委員会事務局参事その他の公務員(前項に規定する者を除く。)又は弁護人若しくは弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者が、弾劾裁判所若しくは裁判員に対する申立て、意見の陳述、通知、届出その他これらに類する訴訟行為に関する書類に署名押印すべき場合又は書類の謄本若しくは抄本に署名押印すべき場合も、同項と同様とする。

 (署名押印の特則)

第四十八条 公務員以外の者が署名押印すべき場合に、署名することができないとき(前条第二項の規定により記名押印することができるときを除く。)は他人に代書させ、押印することができないときは指印しなければならない。

2 他人に代書させた場合には、代書した者が、その事由を記載して署名押印しなければならない。

 (送達)

第四十九条 送達に関する事務は、参事が取り扱う。

2 送達は、郵便によつてする。

3 送達は、特別の定のある場合を除いては、送達を受けるべき者に送達すべき書類の原本又は謄本を交付するものとする。

4 送達については、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条第二項、第百二条第三項、第百三条(第一項ただし書を除く。)、第百五条、第百六条、第百七条第一項及び第三項並びに第百九条の規定を準用する。

 (送達のための届出)

第五十条 被訴追者及び弁護人は、書類の送達を受けるため、書面でその住居又は事務所を弾劾裁判所に届け出なければならない。

 (郵便に付する送達)

第五十一条 住居又は事務所を届け出なければならない者がその届出をしないときは、参事は、書類を書留郵便に付して、その送達をすることができる。ただし、訴追状及び終局裁判の裁判書の謄本の送達については、この限りではない。

2 前項の場合においては、書類を書留郵便に付したときに、その送達があつたものとみなす。

 (最高裁判所、訴追委員会に対する送達)

第五十二条 最高裁判所及び訴追委員会に対する送達は、書類をその庁に送付してしなければならない。

 (交付送達)

第五十三条 参事が送達すべき書類を本人に交付したときは、その送達があつたものとみなす。

第六章 期間

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 (期間)

第五十四条 期間については、刑事訴訟法第五十五条の規定を準用する。

 (法定期間の延長)

第五十五条 弾劾裁判所は、事件関係人の住居又は事務所の所在地と弾劾裁判所の所在地との距離及び交通通信の便否を考慮し、訴訟行為をすべき法定の期間を延長するのを相当と認めるときは、決定で、延長する期間を定めなければならない。

第七章 被訴追者の召喚

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 (召喚状の猶予期間)

第五十六条 被訴追者に対する召喚状の送達と出頭との間には、少くとも十二時間の猶予を置かなければならない。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

2 被訴追者に異議がないときは、前項の猶予期間を置かないことができる。

第八章 証拠

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第一節 検査

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 (検査についての制限)

第五十七条 法第二十九条第三項第二号の規定による検査については、刑事訴訟法第百十四条及び第百三十条の規定を準用する。

 (検査の立会)

第五十八条 検査をするときは、参事を立ち会わせなければならない。

2 訴追委員長、被訴追者又は弁護人は、検査に立ち会うことができる。

3 弾劾裁判所は、あらかじめ、検査の日時及び場所を前項の規定により立ち会うことができる者に通知しなければならない。但し、これらの者があらかじめ弾劾裁判所に立ち会わない意思を明示した場合及び急速を要する場合は、この限りでない。

第二節 証人尋問

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 (尋問事項書)

第五十九条 証人の尋問を請求した者は、裁判員の尋問の参考に供するため、速やかに尋問事項又は証人が証言すべき事項を記載した書面を差し出さなければならない。但し、公判期日において、事件関係人にまず証人を尋問させる場合は、この限りでない。

2 前項の書面に記載すべき事項は、証人の証言により立証しようとする事項のすべてにわたらなければならない。

3 公判期日外において、証人の尋問をする場合を除いて、裁判長は、相当と認めるときは、第一項の規定にかかわらず、同項の書面を差し出さないことを許すことができる。

4 公判期日外において、証人を尋問する場合には、速やかに相手方及びその弁護人の数に応ずる第一項の書面の謄本を弾劾裁判所に差し出さなければならない。

 (請求の却下)

第六十条 前条の規定に違反してされた証人尋問の請求は、却下することができる。

 (尋問事項の告知等)

第六十一条 弾劾裁判所は、公判期日外において訴追委員長、被訴追者又は弁護人の請求にかかる証人を尋問する場合には、第五十九条第一項の書面を参考として尋問すべき事項を定め、相手方及びその弁護人に知らせなければならない。

2 相手方又はその弁護人は、書面で前項の尋問事項に附加して、必要な事項の尋問を請求することができる。

 (職権による公判期日外の尋問)

第六十二条 弾劾裁判所は、職権で公判期日外において証人を尋問する場合には、あらかじめ、訴追委員長、被訴追者及び弁護人に尋問事項を知らせなければならない。

2 訴追委員長、被訴追者又は弁護人は、書面で前項の尋問事項に附加して、必要な事項の尋問を請求することができる。

 (証人召喚状の記載要件)

第六十三条 証人に対する召喚状には、その氏名及び住居、被訴追者の氏名、事件名、出頭すべき年月日時及び場所並びに正当な理由がなく出頭しないときは、過料の制裁を受けることがある旨を記載し、裁判長が記名押印しなければならない。

 (証人召喚の猶予期間)

第六十四条 証人に対する召喚状の送達と出頭との間には、少くとも二十四時間の猶予を置かなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

 (証人尋問上の注意、在廷証人)

第六十五条 召喚により出頭した証人は、速やかに尋問しなければならない。

2 証人が弾劾裁判所の構内にいるときは、召喚をしない場合でも、尋問することができる。

 (証人尋問の立会)

第六十六条 証人を尋問するときは、参事を立ち会わせなければならない。

 (人定尋問)

第六十七条 証人に対しては、まず、その人違でないかどうかを取り調べなければならない。

 (宣誓の趣旨の説明等)

第六十八条 証人が宣誓の趣旨を理解することができる者であるかどうかについて疑があるときは、宣誓前にこの点について尋問し、且つ、必要と認めるときは、宣誓の趣旨を説明しなければならない。

 (宣誓の時期)

第六十九条 宣誓は、尋問前にさせなければならない。

 (宣誓の方式)

第七十条 宣誓は、宣誓書によりしなければならない。

2 宣誓書には、良心に従つて、真実を述べ何事も隠さず、又何事も附け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。

3 裁判長は、証人に宣誓書を朗読させ、且つ、これに署名押印させなければならない。証人が宣誓書を朗読することができないときは、裁判長は参事に朗読させなければならない。

4 宣誓は、起立して厳粛に行わなければならない。

 (個別宣誓)

第七十一条 証人の宣誓は、各別にさせなければならない。

 (偽証の警告)

第七十二条 宣誓をさせた証人には、尋問前に偽証の罰を告げなければならない。

 (証言拒絶権の告知)

第七十三条 証人に対しては、尋問前に、自己又は刑事訴訟法第百四十七条に規定する者が刑事訴追を受け又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる旨を告げなければならない。

2 刑事訴訟法第百四十九条に規定する者に対しては、必要と認めるときは、同條の規定の趣旨に従い、証言を拒むことができる旨を告げなければならない。

 (証言の拒絶)

第七十四条 証言を拒む者は、その事由を示さなければならない。

2証言を拒む者がその事由を示さないときは、過料の制裁を受けることがある旨を告げて証言を命じなければならない。

 (個別尋問)

第七十五条 証人は、各別に尋問しなければならない。

2 後に尋問すべき証人が在廷するときは、退廷を命じなければならない。

 (対質)

策七十六条 必要があるときは、証人と他の証人又は被訴追者と対質させることができる。

 (書面による尋問)

第七十七条 証人が、耳が聞えないときは書面で問い、口がきけないときは書面で答えさせることができる。

 (公判期日外の尋問調書の閲覽等)

第七十八条 弾劾裁判所は、訴追委員長、被訴追者又は弁護人が公判期日外における証人尋問に立ち会わなかつた場合において、証人尋問調書が整理されたとき又はその送付を受けたときは、速やかにその旨を立ち会わなかつた者に通知しなければならない。

2 被訴追者は、前項の尋問調書を弾劾裁判所において閲覧することができる。

 (受命裁判員、受託裁判官の尋問)

第七十九条 受命裁判員又は法第二十九条第一項の規定により、証拠の取調を嘱託された地方裁判所の裁判官が証人を尋問する場合においても、第五十九条第一項、第二項及び第四項、第六十条から第六十二条まで並びに前条の手続は、弾劾裁判所がしなければならない。

第三節 鑑定

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 (宣誓)

第八十条 鑑定人の宣誓は、鑑定をする前にさせなければならない。

2 宣誓は、宣誓書によりしなければならない。

3 宣誓書には、良心に従つて、誠実に鑑定をすることを誓う旨を記載しなければならない。

 (鑑定の報告)

第八十一条 鑑定の経過及び結果は、鑑定人に鑑定書により又は口頭で報告させなければならない。

2 鑑定人が数人あるときは、共同して報告させることができる。

3 鑑定の経過及び結果を鑑定書により報告させる場合には、鑑定人に対し、鑑定書に記載した事項に関し公判期日において尋問を受けることがある旨を告げなければならない。

 (裁判所外の鑑定)

第八十二条 弾劾裁判所は、必要がある場合には、裁判所外で鑑定をさせることができる。

2 前項の場合には、鑑定に関する物を鑑定人に交付することができる。

 (鑑定のための閲覧等)

第八十三条 鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判長の許可を受けて、書類及び証拠物を閲覧し若しくは謄写し、又は被訴追者に対し質問する場合若しくは証人を尋問する場合に立ち会うことができる。

2 鑑定人は、被訴追者に対する質問若くしは証人の尋問を求め、又は裁判長の許可を受けてこれらの者に対し直接に問を発することができる。

 (準用規定)

第八十四条 鑑定については、前節の規定を準用する。

第四節 通訳及び飜訳

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 (準用規定)

第八十五条 通訳及び飜訳については、前節の規定を準用する。

第五節 証拠保全

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 (請求の方式)

第八十六条 証拠保全の請求は、書面で弾劾裁判所にしなければならない。

2 前項の書面には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 事件の概要
二 証明すべき事実
三 証拠及び保全の方法
四 証拠保全を必要とする事由

3 証拠保全を必要とする事由は、疎明しなければならない。

第九章 公判

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第一節 公判準備及び公判手続

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 (審理の準備)

第八十七条 法廷における審理の準備については、刑事訴訟法第二百七十二条から第二百七十六条まで、第二百七十八条、第二百七十九条及び第二百八十一条の規定を準用する。

 (訴追状謄本の送達不能)

第八十八条 弾劾裁判所は、訴追状の謄本が送達できなかつたときは、直ちに訴追委員会にその旨を通知しなければならない。

 (第一回の公判期日)

第八十九条 被訴追者に対する第一回の公判期日の召喚状の送達は、訴追状の謄本を送達する前にはすることができない。

2 第一回の公判期日と被訴追者に対する召喚状の送達との間には、少くとも五日の猶予期間を置かなければならない。

3 被訴追者に異議がないときは、前項の猶予期間を置かないことができる。

 (期日の変更について意見の聽取)

第九十条 公判期日を変更するについては、あらかじめ、職権でする場合には、訴追委員長及び被訴追者又は弁護人の意見を、請求によつてする場合には、相手方又はその弁護人の意見を聽かなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。

 (期日変更請求の却下決定の送達)

第九十一条 公判期日の変更に関する請求を却下する決定は、送達することを要しない。

 (不出頭の場合の資料)

第九十二条 被訴追者は、公判期日に召喚を受けた場合において、精神又は身体の疾病その他の事由により出頭することができないと思料するときは、直ちにその事由を記載した書面及びその事由を明らかにすべき医師の診断書その他の資料を弾劾裁判所に差し出さなければならない。

2 前項の診断書には、病名及び病状の外、その精神又は身体の病状において、公判期日に出頭することができるかどうか、自ら又は弁護人と協力して適当に防禦権を行使することができるかどうか、及び出頭し又は審理を受けることにより生命又は健康状態に著しい危險を招くかどうかの点に関する医師の具体的な意見が記載されていなければならない。

 (診断書の不受理等)

第九十三条 弾劾裁判所は、前条の規定による医師の診断書が同条に定める方式に違反しているときは、受理しないことができる。

2 弾劾裁判所は、前条の診断書が同条に定める方式に違反していない場合においても、その内容が疑わしいと認めるときは、診断書を作成した医師を召喚して医師としての適格性及び診断書の内容に関し証人として尋問し、又は他の適格性のある公平な医師に対し被訴追者の病状についての鑑定を命ずる等適当な措置を講ずることができる。

 (不当な診断書)

第九十四条 弾劾裁判所は、医師が第九十二条の規定による診断書を作成するについて、故意に虚偽の記載をし、同条に定める方式に違反し、又は内容を不明瞭なものとしその他相当でない行為があつたものと認めるときは、厚生労働大臣若しくは医師をもつて組織する団体がその医師に対し適当と認める処置をとることができるようにするためにその旨をこれらの者に通知し、又は法令によつて認められている他の適当な処置をとることができる。

 (準用規定)

第九十五条 公判期日に召喚を受けた証人その他の者については、前三条の規定を準用する。

 (証拠調の請求の時期)

第九十六条 証拠調の請求は、公判期日前にもすることができる。但し、第一回の公判期日前は、この限りでない。

 (証拠調の請求の方式)

第九十七条 証拠調の請求は、証明すべき事実を表示してしなければならない。

2 前項の規定に違反してされた証拠調の請求は、却下することができる。

 (証拠決定)

第九十八条 証拠調又は証拠調の請求の却下は、決定でしなければならない。

2 前項の決定をするについては、証拠調の請求に基く場合には、相手方又はその弁護人の意見を、職権による場合には、訴追委員長及び被訴追者又は弁護人の意見を聴かなければならない。

3 被訴追者が出頭しないでも証拠調を行うことができる公判期日に被訴追者及び弁護人が出頭していないときは、前項の規定にかかわらず、これらの者の意見を聴かないで、第一項の決定をすることができる。

 (証拠決定の送達)

第九十九条 証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人を尋問する旨の決定は、公判期日前にする場合においても送達することを要しない。

2 前項の場合には、直ちにその氏名を事件関係人に通知しなければならない。

 (証拠決定についての提示命令)

第百条 証拠調の決定をするについて必要があると認めるときは、事件関係人に証拠書類又は証拠物の提示を命ずることができる。

 (証拠調の請求の順序)

第百一条 訴追委員長は、まず、事件の審判に必要と認めるすべての証拠の取調を請求しなければならない。

2 被訴追者又は弁護人は、前項の請求が終つた後、事件の審判に必要と認める証拠の取調を請求することができる。

 (証拠調の範囲等を定める手続)

第百二条 弾劾裁判所は、必要と認めるときは、公判期日前訴追委員長及び被訴追者若しくは弁護人に出頭を命じ又は書面を差し出させて、証拠調の範囲、順序及び方法を定めることができる。但し、第一回の公判期日前は、この限りでない。

2 前項の手続は、受命裁判員にさせることができる。

3 訴追委員長及び被訴追者又は弁護人に出頭を命じて前二項の手続をするときは、参事を立ち会わせなければならない。

4 第一項の手続については、調書を作り、裁判長又は受命裁判員が参事とともに署名押印しなければならない。

 (計算その他繁雜な事項の取調)

第百三条 弾劾裁判所は、計算その他繁雜な事項について公判廷で取り調べることを不便とするときは、受命裁判員にその取調をさせることができる。但し、第一回の公判期日前は、この限りでない。

2 前項の場合には、受命裁判員は、被訴追者に出頭を命ずることができる。

3 訴追委員長及び弁護人は、前項の取調に立ち会うことができる。

4 第一項の取調をすべき日時及び場所は、あらかじめ、訴追委員長及び弁護人に通知しなければならない。

5 第一項の取調については、前条第三項及び第四項の規定を準用する。

 (人定質問)

第百四条 裁判長は、訴追委員長の訴追状の朗読に先だち、被訴追者に対し、その人偉でないことを確めるに足りる事項を問わなければならない。

 (被訴追者の権利保護のための告知事項)

第百五条 裁判長は、訴追状の朗読が終わつた後、被訴追者に対し、終始沈黙し又個個の質問に対し陳述を拒むことができる旨の外、陳述をすることもできる旨及び陳述をすれば自己に不利益な証拠ともなり又利益な証拠ともなるべき旨を告げなければならない。

 (弁護人等の陳述)

第百六条 弾劾裁判所は、訴追委員長が証拠調のはじめに証拠により証明すべき事実を明らかにした後、被訴追者又は弁護人にも、証拠により証明すべき事実を明らかにすることを許すことができる。

2 前項の場合には、被訴追者又は弁護人は、証拠とすることができず又は証拠としてその取調を請求する意思のない資料に基いて、彈核裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞のある事項を述べることはできない。

 (証拠調の順序)

第百七条 証拠調については、まず、訴追委員長が取調を請求した証拠で事件の審判に必要と認めるすべてのものを取り調べ、これが終つた後、被訴追者又は弁護人が取調を請求した証拠で事件の審判に必要と認めるものを取り調べるものとする。但し、相当と認めるときは、随時必要とする証拠を取り調べることができる。

2 前項の証拠調が終わつた後においても必要があるときは、更に証拠を取り調べることを妨げない。

 (陪席裁判員の尋問)

第百八条 陪席の裁判員は、証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人を尋問するには、あらかじめ、その旨を裁判長に告げなければならない。

 (裁判長の尋問)

第百九条 裁判長は、必要と認めるときは、何時でも事件関係人の証人、鑑定人、通訳人又は飜訳人に対する尋問を中止させ、自らその事項について尋問することができる。

2 前項の規定は、事件関係人が刑事訴訟法第二百九十五条に規定する趣旨の制限の下において証人その他前項に規定する者を充分に尋問することができる権利を否定するものと解釈してはならない。

 (事件関係人の尋問の機会)

第百十条 裁判長は、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問をする場合には、事件関係人に対し、これらの者を尋問する機会を与えなければならない。

 (証拠の証明力を争う機会)

第百十一条 裁判長は、弾劾裁判所が適当と認める機会に、訴追委員長及び被訴追者又は弁護人に対し、反証の取調の請求その他の方法により証拠の証明力を争うことができる旨を告げなければならない。

 (証拠調に関する異議の申立)

第百十二条 証拠調に関する異議の申立をするには、簡潔に理由を示さなければならない。

 (異議の申立の時期、排除決定)

第百十三条 証拠調に関する異議の申立は、個個の行為ごとに、遅くともその行為が終つた後直ちにしなければならない。但し、異議の申立が取り調べた証拠が証拠とすることができないものであることを理由とするものであるときは、弁論の終結までこれをすることができる。

2 前項但書の異議の申立を理由があるものと認めるときは、その証拠の全部又は一部を排除する決定をしなければならない。

 (職務による排除決定)

第百十四条 弾劾裁判所は、取り調べた証拠が証拠とすることができないものであることが判明したときは、職権でその証拠の全部又は一部を排除する決定をすることができる。

 (釈明等)

第百十五条 裁判長は、必要と認めるときは、事件関係人に対し、釈明を求め又は立証を促すことができる。

2 陪席の裁判員は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。

3 事件関係人は、裁判長に対し、釈明のための発問を求めることができる。

 (訴因の追加、撤回、変更)

第百十六条 訴因の追加、撤回又は変更は、書面を差し出してしなければならない。

2 前項の書面には、被訴追者の数に応ずる謄本を添附しなければならない。

3 弾劾裁判所は、前項の謄本を受け取つたときは、直ちに被訴追者に送達しなければならない。

4 訴追委員長は、前項の送達があつた後、遅帯なく公判期日において第一項の書面を朗読しなければならない。

5 弾劾裁判所は、第一項の規定にかかわらず、被訴追者が在廷する公判廷においては、口頭による訴因の追加、撤回又は変更を許すことができる。

 (最終陳述)

第百十七条 被訴追者又は弁護人には、最終に陳述する機会を与えなければならない。

 (弁論時間の制限)

第百十八条 裁判長は、必要と認めるときは、訴追委員長、被訴追者又は弁護人の本質的な権利を害しない限り、これらの者が証拠調の後にする意見を陳述する時間を制限することができる。

 (公判手続の更新)

第百十九条 開廷後被訴追者の心神喪失により公判手続を停止した場合には、公判手続を更新しなければならない。

2 開廷後長期間にわたり開廷しなかつた場合において必要があると認めるときは、公判手続を更新することができる。

 (弁論の再開請求の却下決定の送達)

第百二十条 終結した弁論の再開の請求を却下する決定は、送達することを要しない。

 (公判廷の写真撮影等の制限)

第百二十一条 公判廷における写真の撮影、録音又は放送は、裁判長の許可を得なければすることができない。但し、特別の定のある場合は、この限りでない。

 (裁判宣告期日の告知)

第百二十二条 罷免の訴追を受けた裁判官の陳述を聴かないで審理した場合において、裁判の宣告のみをすべき公判期日の召喚状には、その公判期日に裁判を宣告する旨をも記載しなければならない。

第二節 公判の裁判

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 (裁判)

第百二十三条 事件について、罷免の事由の証明があつたときは、判決で罷免の裁判をしなければならない。

2 事件について、罷免の事由の証明がないときは、判決で罷免しない旨の裁判をしなければならない。

3 左の場合においては、判決で罷免の訴追を棄却しなければならない。

一 被訴追者に対して裁判権を有しないとき。
二 罷免の訴追の手続がその規定に違反したため無効であるとき。
三 同一の事由について既に裁判を経たとき。

4 罷免の訴追を受けた裁判官が死亡したときは、決定で罷免の訴追を棄却しなければならない。

第十章 資格回復

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 (資格回復の裁判の請求方法)

第百二十四条 罷免の裁判を受けた者が資格回復の裁判の請求をするには、弾劾裁判所にその請求書及び罷免の裁判書の謄本を提出し、証拠物がある場合には、これを添えなければならない。

2 前項の請求書には、次に掲げる事項を記載し、請求者が署名押印しなければならない。

一 請求者の氏名、住居及び職業
二 請求の趣旨及び事由
三 請求の年月日

 (資格回復裁判の請求通知)

第百二十五条 弾劾裁判所は、資格回復の裁判の請求を受けたときは、訴追委員会にその旨を通知しなげればならない。

 (資格回復の裁判)

第百二十六条 資格回復の裁判の請求について、相当とする事由の証明があつたときは、決定で資格回復の裁判をしなければならない。

2 左の場合においては、決定で資格回復の裁判の請求を棄却しなければならない。

一 相当とする事由の証明がなかつたとき。
二 資格回復の請求手続がその規定に違反したため無効であるとき。
三 同一の事由について既に資格回復の裁判を経たとき。

 (本人が死亡した場合の請求)

第百二十七条 資格回復の裁判は、請求した者が死亡したときにもすることができる。

2 前項の場合において、弾劾裁判所は、死亡した者の訴訟手続を受継させるため、左の順位に従いその一人を承継人として選定しなければならない。

第一 配偶者及び直系卑属
第二 直系尊属
第三 兄弟姉妹

 (資格回復裁判の請求の取下げ)

第百二十七条の二 資格回復の裁判の請求は、取り下げることができる。

2 前項の取下げは、書面でしなければならない。

第十一章 附則

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 (旧規則の適用)

第百二十八条 昭和二十三年十二月三十一日までに罷免の訴追を受けた事件については、なお従前の例による。

 (施行期日)

第百二十九条 この規則は、公布の日から施行する。

附則

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附 則(昭和25年7月29日決定、8月28日官報掲載)[1]

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(昭和34年4月9日決定、同月14日官報掲載)[1]

この規則は、公布の日から施行し、昭和三十四年四月一日から適用する。

附 則(昭和59年3月28日決定、同月29日官報掲載)[1]

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(平成9年10月22日決定、同月29日官報掲載)[2]

この規則は、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の施行の日から施行する。

附 則(平成13年3月26日決定、同月28日官報掲載)[1]

この規則は、公布の日から施行する。

附 則(平成13年8月9日決定、同月13日官報掲載)[3]

この規則は、公布の日から施行する。

脚注

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  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

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  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 各「弾劾裁判所規則の一部を改正する規則」による改正。
  2. 民事訴訟法全面改正(平成8年法律第109号)にともない、49条4項に準用していた旧民事訴訟法の条文を、新民事訴訟法の相当条文に置き換え。
  3. 平成13年8月9日「弾劾裁判所規則の一部を改正する規則」。最高裁判所刑事訴訟規則』に合わせ、判決書を除く裁判員や弾劾裁判所事務局参事が作成する文書、並びに事件関係人の作成文書について、署名押印に代え記名押印がができるよう改正。47条の2の追加、48条1項の一部改正。