民事訴訟法

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民事訴訟法

目次

第一編 総則
第一章 通則(第一条―第三条)
第二章 裁判所
第一節 日本の裁判所の管轄権(第三条の二―第三条の十二)
第一節 管轄(第四条―第二十二条)
第二節 裁判所職員の除斥及び忌避(第二十三条―第二十七条)
第三章 当事者
第一節 当事者能力及び訴訟能力(第二十八条―第三十七条)
第二節 共同訴訟(第三十八条―第四十一条)
第三節 訴訟参加(第四十二条―第五十三条)
第四節 訴訟代理人及び補佐人(第五十四条―第六十条)
第四章 訴訟費用
第一節 訴訟費用の負担(第六十一条―第七十四条)
第二節 訴訟費用の担保(第七十五条―第八十一条)
第三節 訴訟上の救助(第八十二条―第八十六条)
第五章 訴訟手続
第一節 訴訟の審理等(第八十七条―第九十二条)
第二節 専門委員(第九十二条の二―第九十二条の七)
第三節 期日及び期間(第九十三条―第九十七条)
第四節 送達(第九十八条―第百十三条)
第五節 裁判(第百十四条―第百二十三条)
第六節 訴訟手続の中断及び中止(第百二十四条―第百三十二条)
第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等(第百三十二条の二―第百三十二条の九)
第二編 第一審の訴訟手続
第一章 訴え(第百三十三条―第百四十七条)
第二章 計画審理(第百四十七条の二・第百四十七条の三)
第三章 口頭弁論及びその準備
第一節 口頭弁論(第百四十八条―第百六十条)
第二節 準備書面等(第百六十一条―第百六十三条)
第三節 争点及び証拠の整理手続
第一款 準備的口頭弁論(第百六十四条―第百六十七条)
第二款 弁論準備手続(第百六十八条―第百七十四条)
第三款 書面による準備手続(第百七十五条―第百七十八条)
第四章 証拠
第一節 総則(第百七十九条―第百八十九条)
第二節 証人尋問(第百九十条―第二百六条)
第三節 当事者尋問(第二百七条―第二百十一条)
第四節 鑑定(第二百十二条―第二百十八条)
第五節 書証(第二百十九条―第二百三十一条)
第六節 検証(第二百三十二条・第二百三十三条)
第七節 証拠保全(第二百三十四条―第二百四十二条)
第五章 判決(第二百四十三条―第二百六十条)
第六章 裁判によらない訴訟の完結(第二百六十一条―第二百六十七条)
第七章 大規模訴訟に関する特則(第二百六十八条―第二百六十九条の二)
第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則(第二百七十条―第二百八十条)
第三編 上訴
第一章 控訴(第二百八十一条―第三百十条の二)
第二章 上告(第三百十一条―第三百二十七条)
第三章 抗告(第三百二十八条―第三百三十七条)
第四編 再審(第三百三十八条―第三百四十九条)
第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則(第三百五十条―第三百六十七条)
第六編 少額訴訟に関する特則(第三百六十八条―第三百八十一条)
第七編 督促手続(第三百八十二条―第三百九十七条)
第八編 執行停止(第三百九十八条―第四百条)
附則

第一編 総則[編集]

第一章 通則[編集]

第一条(趣旨)
第二条(裁判所及び当事者の責務)
第三条(最高裁判所規則)

第二章 裁判所[編集]

第一節 日本の裁判所の管轄権[編集]

第三条の二(被告の住所等による管轄権)
第三条の三(契約上の債務に関する訴え等の管轄権)
第三条の四(消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権)
第三条の五(管轄権の専属)
第三条の六(併合請求における管轄権)
第三条の七(管轄権に関する合意)
第三条の八(応訴による管轄権)
第三条の九(特別の事情による訴えの却下)
第三条の十(管轄権が専属する場合の適用除外)
第三条の十一(職権証拠調べ)
第三条の十二(管轄権の標準時)

第二節 管轄[編集]

第四条(普通裁判籍による管轄)
第五条(財産権上の訴え等についての管轄)
第六条(特許権等に関する訴え等の管轄)
第六条の二(意匠権等に関する訴えの管轄)
第七条(併合請求における管轄)
第八条(訴訟の目的の価額の算定)
第九条(併合請求の場合の価額の算定)
第十条(管轄裁判所の指定)
第十条の二(管轄裁判所の特例)
第十一条(管轄の合意)
第十二条(応訴管轄)
第十三条(専属管轄の場合の適用除外等)
第十四条(職権証拠調べ)
第十五条(管轄の標準時)
第十六条(管轄違いの場合の取扱い)
第十七条(遅滞を避ける等のための移送)
第十八条(簡易裁判所の裁量移送)
第十九条(必要的移送)
第二十条(専属管轄の場合の移送の制限)
第二十条の二(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)
第二十一条(即時抗告)
第二十二条(移送の裁判の拘束力等)

第三節 裁判所職員の除斥及び忌避[編集]

第二十三条(裁判官の除斥)
第二十四条(裁判官の忌避)
第二十六条(訴訟手続の停止)
第二十七条(裁判所書記官への準用)

第三章 当事者[編集]

第一節 当事者能力及び訴訟能力[編集]

第二十八条(原則)
第二十九条(法人でない社団等の当事者能力)
第三十条(選定当事者)
第三十一条(未成年者及び成年被後見人の訴訟能力)
第三十二条(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)
第三十三条(外国人の訴訟能力の特則)
第三十四条(訴訟能力等を欠く場合の措置等)
第三十五条(特別代理人)
第三十六条(法定代理権の消滅の通知)
第三十七条(法人の代表者等への準用)

第二節 共同訴訟[編集]

第三十八条(共同訴訟の要件)
第三十九条(共同訴訟人の地位)
第四十条(必要的共同訴訟)
第四十一条(同時審判の申出がある共同訴訟)

第三節 訴訟参加[編集]

第四十二条(補助参加)
第四十三条(補助参加の申出)
第四十四条(補助参加についての異議等)
第四十五条(補助参加人の訴訟行為)
第四十六条(補助参加人に対する裁判の効力)
第四十七条(独立当事者参加)
第四十八条(訴訟脱退)
第四十九条(権利承継人の訴訟参加の場合における時効の中断等)
第五十条(義務承継人の訴訟引受け)
第五十一条(義務承継人の訴訟参加及び権利承継人の訴訟引受け)
第五十二条(共同訴訟参加)
第五十三条(訴訟告知)

第四節 訴訟代理人及び補佐人[編集]

第五十四条(訴訟代理人の資格)
第五十五条(訴訟代理権の範囲)
第五十六条(個別代理)
第五十七条(当事者による更正)
第五十八条(訴訟代理権の不消滅)
第五十九条(法定代理の規定の準用)
第六十条(補佐人)

第四章 訴訟費用[編集]

第一節 訴訟費用の負担[編集]

第六十一条(訴訟費用の負担の原則)
第六十二条(不必要な行為があった場合等の負担)
第六十三条(訴訟を遅滞させた場合の負担)
第六十四条(一部敗訴の場合の負担)
第六十五条(共同訴訟の場合の負担)
第六十六条(補助参加の場合の負担)
第六十七条(訴訟費用の負担の裁判)
第六十八条(和解の場合の負担)
第六十九条(法定代理人等の費用償還)
第七十条(無権代理人の費用負担)
第七十一条(訴訟費用額の確定手続)
第七十二条(和解の場合の費用額の確定手続)
第七十三条(訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)
第七十四条(費用額の確定処分の更正)

第二節 訴訟費用の担保[編集]

第七十五条(担保提供命令)
第七十六条(担保提供の方法)
第七十七条(担保物に対する被告の権利)
第七十八条(担保不提供の効果)
第七十九条(担保の取消し)
第八十条(担保の変換)
第八十一条(他の法令による担保への準用)

第三節 訴訟上の救助[編集]

第八十二条(救助の付与)
第八十三条(救助の効力等)
第八十四条(救助の決定の取消し)
第八十五条(猶予された費用等の取立方法)
第八十六条(即時抗告)

第五章 訴訟手続[編集]

第一節 訴訟の審理等[編集]

第八十七条(口頭弁論の必要性)
第八十八条(受命裁判官による審尋)
第八十九条(和解の試み)
第九十条(訴訟手続に関する異議権の喪失)
第九十一条(訴訟記録の閲覧等)
第九十二条(秘密保護のための閲覧等の制限)

第二節 専門委員[編集]

第九十二条の二(専門委員の関与)
第九十二条の三(音声の送受信による通話の方法による専門委員の関与)
第九十二条の四(専門委員の関与の決定の取消し)
第九十二条の五(専門委員の指定及び任免等)
第九十二条の六(専門委員の除斥及び忌避)
第九十二条の七(受命裁判官等の権限)

第三節 期日及び期間[編集]

第九十三条(期日の指定及び変更)
第九十四条(期日の呼出し)
第九十五条(期間の計算)
第九十六条(期間の伸縮及び付加期間)
第九十七条(訴訟行為の追完)

第四節 送達[編集]

第九十八条(職権送達の原則等)
第九十九条(送達実施機関)
第百条(裁判所書記官による送達)
第百一条(交付送達の原則)
第百二条(訴訟無能力者等に対する送達)
第百三条(送達場所)
第百四条(送達場所等の届出)
第百五条(出会送達)
第百六条(補充送達及び差置送達)
第百七条(書留郵便等に付する送達)
第百八条(外国における送達)
第百九条(送達報告書)
第百十条(公示送達の要件)
第百十一条(公示送達の方法)
第百十二条(公示送達の効力発生の時期)
第百十三条(公示送達による意思表示の到達)

第五節 裁判[編集]

第百十四条(既判力の範囲)
第百十五条(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
第百十六条(判決の確定時期)
第百十七条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)
第百十八条(外国裁判所の確定判決の効力)
第百十九条(決定及び命令の告知)
第百二十条(訴訟指揮に関する裁判の取消し)
第百二十一条(裁判所書記官の処分に対する異議)
第百二十二条(判決に関する規定の準用)
第百二十三条(判事補の権限)

第六節 訴訟手続の中断及び中止[編集]

第百二十四条(訴訟手続の中断及び受継)
第百二十五条(破産財団に関する訴訟手続の中断及び受継)
第百二十六条(相手方による受継の申立て)
第百二十七条(受継の通知)
第百二十八条(受継についての裁判)
第百二十九条(職権による続行命令)
第百三十条(裁判所の職務執行不能による中止)
第百三十一条(当事者の故障による中止)
第百三十二条(中断及び中止の効果)

第六章 訴えの提起前における証拠収集の処分等[編集]

第百三十二条の二(訴えの提起前における照会)
第百三十二条の三
第百三十二条の四(訴えの提起前における証拠収集の処分)
第百三十二条の五(証拠収集の処分の管轄裁判所等)
第百三十二条の六(証拠収集の処分の手続等)
第百三十二条の七(事件の記録の閲覧等)
第百三十二条の八(不服申立ての不許)
第百三十二条の九(証拠収集の処分に係る裁判に関する費用の負担)

第二編 第一審の訴訟手続[編集]

第一章 訴え[編集]

第百三十三条(訴え提起の方式)
第百三十四条(証書真否確認の訴え)
第百三十五条(将来の給付の訴え)
第百三十六条(請求の併合)
第百三十七条(裁判長の訴状審査権)
第百三十八条(訴状の送達)
第百三十九条(口頭弁論期日の指定)
第百四十条(口頭弁論を経ない訴えの却下)
第百四十一条(呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)
第百四十二条(重複する訴えの提起の禁止)
第百四十三条(訴えの変更)
第百四十四条(選定者に係る請求の追加)
第百四十五条(中間確認の訴え)
第百四十六条(反訴)
第百四十七条(時効中断等の効力発生の時期)

第二章 計画審理[編集]

第百四十七条の二(訴訟手続の計画的進行)
第百四十七条の三(審理の計画)

第三章 口頭弁論及びその準備[編集]

第一節 口頭弁論[編集]

第百四十八条(裁判長の訴訟指揮権)
第百四十九条(釈明権等)
第百五十条(訴訟指揮等に対する異議)
第百五十一条(釈明処分)
第百五十二条(口頭弁論の併合等)
第百五十三条(口頭弁論の再開)
第百五十四条(通訳人の立会い等)
第百五十五条(弁論能力を欠く者に対する措置)
第百五十六条(攻撃防御方法の提出時期)
第百五十七条の二(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)
第百五十八条(訴状等の陳述の擬制)
第百五十九条(自白の擬制)
第百六十条(口頭弁論調書)

第二節 準備書面等[編集]

第百六十一条(準備書面)
第百六十二条(準備書面等の提出期間)
第百六十三条(当事者照会)

第三節 争点及び証拠の整理手続[編集]

第一款 準備的口頭弁論[編集]

第百六十四条(準備的口頭弁論の開始)
第百六十五条(証明すべき事実の確認等)
第百六十六条(当事者の不出頭等による終了)
第百六十七条(準備的口頭弁論終了後の攻撃防御方法の提出)

第二款 弁論準備手続[編集]

第百六十八条(弁論準備手続の開始)
第百六十九条(弁論準備手続の期日)
第百七十条(弁論準備手続における訴訟行為等)
第百七十一条(受命裁判官による弁論準備手続)
第百七十二条(弁論準備手続に付する裁判の取消し)
第百七十三条(弁論準備手続の結果の陳述)
第百七十四条(弁論準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

第三款 書面による準備手続[編集]

第百七十五条(書面による準備手続の開始)
第百七十六条(書面による準備手続の方法等)
第百七十七条(証明すべき事実の確認)
第百七十八条(書面による準備手続終結後の攻撃防御方法の提出)

第四章 証拠[編集]

第一節 総則[編集]

第百七十九条(証明することを要しない事実)
第百八十条(証拠の申出)
第百八十一条(証拠調べを要しない場合)
第百八十二条(集中証拠調べ)
第百八十三条(当事者の不出頭の場合の取扱い)
第百八十四条(外国における証拠調べ)
第百八十五条(裁判所外における証拠調べ)
第百八十六条(調査の嘱託)
第百八十七条(参考人等の審尋)
第百八十八条(疎明)
第百八十九条(過料の裁判の執行)

第二節 証人尋問[編集]

第百九十条(証人義務)
第百九十一条(公務員の尋問)
第百九十二条(不出頭に対する過料等)
第百九十三条(不出頭に対する罰金等)
第百九十四条(勾引)
第百九十五条(受命裁判官等による証人尋問)
第百九十六条(証言拒絶権)
第百九十七条
第百九十八条(証言拒絶の理由の疎明)
第百九十九条(証言拒絶についての裁判)
第二百条(証言拒絶に対する制裁)
第二百一条(宣誓)
第二百二条(尋問の順序)
第二百三条(書類に基づく陳述の禁止)
第二百四条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)
第二百五条(尋問に代わる書面の提出)
第二百六条(受命裁判官等の権限)

第三節 当事者尋問[編集]

第二百七条(当事者本人の尋問)
第二百八条(不出頭等の効果)
第二百九条(虚偽の陳述に対する過料)
第二百十条(証人尋問の規定の準用)
第二百十一条(法定代理人の尋問)

第四節 鑑定[編集]

第二百十二条(鑑定義務)
第二百十三条(鑑定人の指定)
第二百十四条(忌避)
第二百十五条(鑑定人の陳述の方式等)
第二百十五条の二(鑑定人質問)
第二百十五条の三(映像等の送受信による通話の方法による陳述)
第二百十五条の四(受命裁判官等の権限)
第二百十六条(証人尋問の規定の準用)
第二百十七条(鑑定証人)
第二百十八条(鑑定の嘱託)

第五節 書証[編集]

第二百十九条(書証の申出)
第二百二十条(文書提出義務)
第二百二十一条(文書提出命令の申立て)
第二百二十二条(文書の特定のための手続)
第二百二十三条(文書提出命令等)
第二百二十五条(第三者が文書提出命令に従わない場合の過料)
第二百二十六条(文書送付の嘱託)
第二百二十七条(文書の留置)
第二百二十八条(文書の成立)
第二百二十九条(筆跡等の対照による証明)
第二百三十条(文書の成立の真正を争った者に対する過料)
第二百三十一条(文書に準ずる物件への準用)

第六節 検証[編集]

第二百三十二条(検証の目的の提示等)
第二百三十三条(検証の際の鑑定)

第七節 証拠保全[編集]

第二百三十四条(証拠保全)
第二百三十五条(管轄裁判所等)
第二百三十六条(相手方の指定ができない場合の取扱い)
第二百三十七条(職権による証拠保全)
第二百三十八条(不服申立ての不許)
第二百三十九条(受命裁判官による証拠調べ)
第二百四十条(期日の呼出し)
第二百四十一条(証拠保全の費用)
第二百四十二条(口頭弁論における再尋問)

第五章 判決[編集]

第二百四十三条(終局判決)
第二百四十四条
第二百四十五条(中間判決)
第二百四十六条(判決事項)
第二百四十七条(自由心証主義)
第二百四十八条(損害額の認定)
第二百四十九条(直接主義)
第二百五十条(判決の発効)
第二百五十一条(言渡期日)
第二百五十二条(言渡しの方式)
第二百五十三条(判決書)
第二百五十四条(言渡しの方式の特則)
第二百五十五条(判決書等の送達)
第二百五十六条(変更の判決)
第二百五十七条(更正決定)
第二百五十八条(裁判の脱漏)
第二百五十九条(仮執行の宣言)
第二百六十条(仮執行の宣言の失効及び原状回復等)

第六章 裁判によらない訴訟の完結[編集]

第二百六十一条(訴えの取下げ)
第二百六十二条(訴えの取下げの効果)
第二百六十三条(訴えの取下げの擬制)
第二百六十四条(和解条項案の書面による受諾)
第二百六十五条(裁判所等が定める和解条項)
第二百六十六条(請求の放棄又は認諾)
第二百六十七条(和解調書等の効力)

第七章 大規模訴訟等に関する特則[編集]

第二百六十八条(大規模訴訟に係る事件における受命裁判官による証人等の尋問)
第二百六十九条(大規模訴訟に係る事件における合議体の構成)

第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則[編集]

(手続の特色)
第二百七十条
 簡易裁判所においては、簡易な手続により迅速に紛争を解決するものとする。

(口頭による訴えの提起)
第二百七十一条
 訴えは、口頭で提起することができる。

(訴えの提起において明らかにすべき事項)
第二百七十二条
 訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。

(任意の出頭による訴えの提起等)
第二百七十三条
 当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。この場合においては、訴えの提起は、口頭の陳述によってする。

(反訴の提起に基づく移送)
第二百七十四条
 被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。この場合においては、第二十二条の規定を準用する。

 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(訴え提起前の和解)
第二百七十五条
 民事上の争いについては、当事者は、請求の趣旨及び原因並びに争いの実情を表示して、相手方の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所に和解の申立てをすることができる。

 前項の和解が調わない場合において、和解の期日に出頭した当事者双方の申立てがあるときは、裁判所は、直ちに訴訟の弁論を命ずる。この場合においては、和解の申立てをした者は、その申立てをした時に、訴えを提起したものとみなし、和解の費用は、訴訟費用の一部とする。

 申立人又は相手方が第一項の和解の期日に出頭しないときは、裁判所は、和解が調わないものとみなすことができる。

 第一項の和解については、第二百六十四条及び第二百六十五条の規定は、適用しない。

(和解に代わる決定)
第二百七十五条の二
 金銭の支払の請求を目的とする訴えについては、裁判所は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、被告の資力その他の事情を考慮して相当であると認めるときは、原告の意見を聴いて、第三項の期間の経過時から五年を超えない範囲内において、当該請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをして、当該請求に係る金銭の支払を命ずる決定をすることができる。

 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

 第一項の決定に対しては、当事者は、その決定の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、その決定をした裁判所に異議を申し立てることができる。

 前項の期間内に異議の申立てがあったときは、第一項の決定は、その効力を失う。

 第三項の期間内に異議の申立てがないときは、第一項の決定は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

(準備書面の省略等)
第二百七十六条
 口頭弁論は、書面で準備することを要しない。

 相手方が準備をしなければ陳述をすることができないと認めるべき事項は、前項の規定にかかわらず、書面で準備し、又は口頭弁論前直接に相手方に通知しなければならない。

 前項に規定する事項は、相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出されたものに限る。)に記載し、又は同項の規定による通知をしたものでなければ、主張することができない。

(続行期日における陳述の擬制)
第二百七十七条
 第百五十八条の規定は、原告又は被告が口頭弁論の続行の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしない場合について準用する。

(尋問に代わる書面の提出)
第二百七十八条
 裁判所は、相当と認めるときは、証人、当事者本人又は鑑定人の尋問に代え、書面の提出をさせることができる。

(司法委員)
第二百七十九条
 裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。

 司法委員の員数は、各事件について一人以上とする。

 司法委員は、毎年あらかじめ地方裁判所の選任した者の中から、事件ごとに裁判所が指定する。

 前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

 司法委員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

(判決書の記載事項)
第二百八十条
 判決書に事実及び理由を記載するには、請求の趣旨及び原因の要旨、その原因の有無並びに請求を排斥する理由である抗弁の要旨を表示すれば足りる。

第三編 上訴[編集]

第一章 控訴[編集]

(控訴をすることができる判決等)
第二百八十一条
 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。

 第十一条第二項の規定は、前項の合意について準用する。

(訴訟費用の負担の裁判に対する控訴の制限)
第二百八十二条
 訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立して控訴をすることができない。

(控訴裁判所の判断を受ける裁判)
第二百八十三条
 終局判決前の裁判は、控訴裁判所の判断を受ける。ただし、不服を申し立てることができない裁判及び抗告により不服を申し立てることができる裁判は、この限りでない。

(控訴権の放棄)
第二百八十四条
 控訴をする権利は、放棄することができる。

(控訴期間)
第二百八十五条
 控訴は、判決書又は第二百五十四条第二項の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に提起しなければならない。ただし、その期間前に提起した控訴の効力を妨げない。

(控訴提起の方式)
第二百八十六条
 控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。

 控訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 当事者及び法定代理人
 第一審判決の表示及びその判決に対して控訴をする旨

(第一審裁判所による控訴の却下)
第二百八十七条
 控訴が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、第一審裁判所は、決定で、控訴を却下しなければならない。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(裁判長の控訴状審査権)
第二百八十八条
 第百三十七条の規定は、控訴状が第二百八十六条第二項の規定に違反する場合及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い控訴の提起の手数料を納付しない場合について準用する。

(控訴状の送達)
第二百八十九条
 控訴状は、被控訴人に送達しなければならない。

 第百三十七条の規定は、控訴状の送達をすることができない場合(控訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。

(口頭弁論を経ない控訴の却下)
第二百九十条
 控訴が不適法でその不備を補正することができないときは、控訴裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、控訴を却下することができる。

(呼出費用の予納がない場合の控訴の却下)
第二百九十一条
 控訴裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて控訴人に命じた場合において、その予納がないときは、決定で、控訴を却下することができる。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(控訴の取下げ)
第二百九十二条
 控訴は、控訴審の終局判決があるまで、取り下げることができる。

 第二百六十一条第三項第二百六十二条第一項及び第二百六十三条の規定は、控訴の取下げについて準用する。

(附帯控訴)
第二百九十三条
 被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができる。

 附帯控訴は、控訴の取下げがあったとき、又は不適法として控訴の却下があったときは、その効力を失う。ただし、控訴の要件を備えるものは、独立した控訴とみなす。

 附帯控訴については、控訴に関する規定による。ただし、附帯控訴の提起は、附帯控訴状を控訴裁判所に提出してすることができる。

(第一審判決についての仮執行の宣言)
第二百九十四条
 控訴裁判所は、第一審判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。

(仮執行に関する裁判に対する不服申立て)
第二百九十五条
 仮執行に関する控訴審の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、前条の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(口頭弁論の範囲等)
第二百九十六条
 口頭弁論は、当事者が第一審判決の変更を求める限度においてのみ、これをする。

 当事者は、第一審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない。

(第一審の訴訟手続の規定の準用)
第二百九十七条
 前編第一章から第七章までの規定は、特別の定めがある場合を除き、控訴審の訴訟手続について準用する。ただし、第二百六十九条の規定は、この限りでない。

(第一審の訴訟行為の効力等)
第二百九十八条
 第一審においてした訴訟行為は、控訴審においてもその効力を有する。

 第百六十七条の規定は、第一審において準備的口頭弁論を終了し、又は弁論準備手続を終結した事件につき控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について、第百七十八条の規定は、第一審において書面による準備手続を終結した事件につき同条の陳述又は確認がされた場合において控訴審で攻撃又は防御の方法を提出した当事者について準用する。

(第一審の管轄違いの主張の制限)
第二百九十九条
 控訴審においては、当事者は、第一審裁判所が管轄権を有しないことを主張することができない。ただし、専属管轄(当事者が第十一条の規定により合意で定めたものを除く。)については、この限りでない。

 前項の第一審裁判所が第六条第一項各号に定める裁判所である場合において、当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときは、前項ただし書の規定は、適用しない。

(反訴の提起等)
第三百条
 控訴審においては、反訴の提起は、相手方の同意がある場合に限り、することができる。

 相手方が異議を述べないで反訴の本案について弁論をしたときは、反訴の提起に同意したものとみなす。

 前二項の規定は、選定者に係る請求の追加について準用する。

(攻撃防御方法の提出等の期間)
第三百一条
 裁判長は、当事者の意見を聴いて、攻撃若しくは防御の方法の提出、請求若しくは請求の原因の変更、反訴の提起又は選定者に係る請求の追加をすべき期間を定めることができる。

 前項の規定により定められた期間の経過後に同項に規定する訴訟行為をする当事者は、裁判所に対し、その期間内にこれをすることができなかった理由を説明しなければならない。

(控訴棄却)
第三百二条
 控訴裁判所は、第一審判決を相当とするときは、控訴を棄却しなければならない。

 第一審判決がその理由によれば不当である場合においても、他の理由により正当であるときは、控訴を棄却しなければならない。

(控訴権の濫用に対する制裁)
第三百三条
 控訴裁判所は、前条第一項の規定により控訴を棄却する場合において、控訴人が訴訟の完結を遅延させることのみを目的として控訴を提起したものと認めるときは、控訴人に対し、控訴の提起の手数料として納付すべき金額の十倍以下の金銭の納付を命ずることができる。

 前項の規定による裁判は、判決の主文に掲げなければならない。

 第一項の規定による裁判は、本案判決を変更する判決の言渡しにより、その効力を失う。

 上告裁判所は、上告を棄却する場合においても、第一項の規定による裁判を変更することができる。

 第百八十九条の規定は、第一項の規定による裁判について準用する。

(第一審判決の取消し及び変更の範囲)
第三百四条
 第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる。

(第一審判決が不当な場合の取消し)
第三百五条
 控訴裁判所は、第一審判決を不当とするときは、これを取り消さなければならない。

(第一審の判決の手続が違法な場合の取消し)
第三百六条
 第一審の判決の手続が法律に違反したときは、控訴裁判所は、第一審判決を取り消さなければならない。

(事件の差戻し)
第三百七条
 控訴裁判所は、訴えを不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。

第三百八条 前条本文に規定する場合のほか、控訴裁判所が第一審判決を取り消す場合において、事件につき更に弁論をする必要があるときは、これを第一審裁判所に差し戻すことができる。

 第一審裁判所における訴訟手続が法律に違反したことを理由として事件を差し戻したときは、その訴訟手続は、これによって取り消されたものとみなす。

(第一審の管轄違いを理由とする移送)
第三百九条
 控訴裁判所は、事件が管轄違いであることを理由として第一審判決を取り消すときは、判決で、事件を管轄裁判所に移送しなければならない。

(控訴審の判決における仮執行の宣言)
第三百十条
 控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第二百五十九条第二項の請求を除く。)に関する判決については、申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。ただし、控訴裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。

(特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)
第三百十条の二
 第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。

第二章 上告[編集]

(上告裁判所)
第三百十一条
 上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。

 第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。

(上告の理由)
第三百十二条
 上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。

 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。

 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
 専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
 口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
 判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。

 高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。

(控訴の規定の準用)
第三百十三条
 前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。

(上告提起の方式等)
第三百十四条
 上告の提起は、上告状を原裁判所に提出してしなければならない。

 前条において準用する第二百八十八条及び第二百八十九条第二項の規定による裁判長の職権は、原裁判所の裁判長が行う。

(上告の理由の記載)
第三百十五条
 上告状に上告の理由の記載がないときは、上告人は、最高裁判所規則で定める期間内に、上告理由書を原裁判所に提出しなければならない。

 上告の理由は、最高裁判所規則で定める方式により記載しなければならない。

(原裁判所による上告の却下)
第三百十六条
 次の各号に該当することが明らかであるときは、原裁判所は、決定で、上告を却下しなければならない。

 上告が不適法でその不備を補正することができないとき。
 前条第一項の規定に違反して上告理由書を提出せず、又は上告の理由の記載が同条第二項の規定に違反しているとき。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(上告裁判所による上告の却下等)
第三百十七条
 前条第一項各号に掲げる場合には、上告裁判所は、決定で、上告を却下することができる。

 上告裁判所である最高裁判所は、上告の理由が明らかに第三百十二条第一項及び第二項に規定する事由に該当しない場合には、決定で、上告を棄却することができる。

(上告受理の申立て)
第三百十八条
 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。

 前項の申立て(以下「上告受理の申立て」という。)においては、三百十二条第一項及び第二項に規定する事由を理由とすることができない。

 第一項の場合において、最高裁判所は、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除することができる。

 第一項の決定があった場合には、上告があったものとみなす。この場合においては、第三百二十条の規定の適用については、上告受理の申立ての理由中前項の規定により排除されたもの以外のものを上告の理由とみなす。

 第三百十三条から第三百十五条まで及び第三百十六条第一項の規定は、上告受理の申立てについて準用する。

(口頭弁論を経ない上告の棄却)
第三百十九条
 上告裁判所は、上告状、上告理由書、答弁書その他の書類により、上告を理由がないと認めるときは、口頭弁論を経ないで、判決で、上告を棄却することができる。

(調査の範囲)
第三百二十条
 上告裁判所は、上告の理由に基づき、不服の申立てがあった限度においてのみ調査をする。

(原判決の確定した事実の拘束)
第三百二十一条
 原判決において適法に確定した事実は、上告裁判所を拘束する。

 第三百十一条第二項の規定による上告があった場合には、上告裁判所は、原判決における事実の確定が法律に違反したことを理由として、その判決を破棄することができない。

(職権調査事項についての適用除外)
第三百二十二条
 前二条の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。

(仮執行の宣言)
第三百二十三条
 上告裁判所は、原判決について不服の申立てがない部分に限り、申立てにより、決定で、仮執行の宣言をすることができる。

(最高裁判所への移送)
第三百二十四条
 上告裁判所である高等裁判所は、最高裁判所規則で定める事由があるときは、決定で、事件を最高裁判所に移送しなければならない。

(破棄差戻し等)
第三百二十五条
 第三百十二条第一項又は第二項に規定する事由があるときは、上告裁判所は、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送しなければならない。高等裁判所が上告裁判所である場合において、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときも、同様とする。

 上告裁判所である最高裁判所は、第三百十二条第一項又は第二項に規定する事由がない場合であっても、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原判決を破棄し、次条の場合を除き、事件を原裁判所に差し戻し、又はこれと同等の他の裁判所に移送することができる。

 前二項の規定により差戻し又は移送を受けた裁判所は、新たな口頭弁論に基づき裁判をしなければならない。この場合において、上告裁判所が破棄の理由とした事実上及び法律上の判断は、差戻し又は移送を受けた裁判所を拘束する。

 原判決に関与した裁判官は、前項の裁判に関与することができない。

(破棄自判)
第三百二十六条
 次に掲げる場合には、上告裁判所は、事件について裁判をしなければならない。

 確定した事実について憲法その他の法令の適用を誤ったことを理由として判決を破棄する場合において、事件がその事実に基づき裁判をするのに熟するとき。
 事件が裁判所の権限に属しないことを理由として判決を破棄するとき。

(特別上告)
第三百二十七条
 高等裁判所が上告審としてした終局判決に対しては、その判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに限り、最高裁判所に更に上告をすることができる。

 前項の上告及びその上告審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。この場合において、第三百二十一条第一項中「原判決」とあるのは、「地方裁判所が第二審としてした終局判決(第三百十一条第二項の規定による上告があった場合にあっては、簡易裁判所の終局判決)」と読み替えるものとする。

第三章 抗告[編集]

(抗告をすることができる裁判)
第三百二十八条
 口頭弁論を経ないで訴訟手続に関する申立てを却下した決定又は命令に対しては、抗告をすることができる。

 決定又は命令により裁判をすることができない事項について決定又は命令がされたときは、これに対して抗告をすることができる。

(受命裁判官等の裁判に対する不服申立て)
第三百二十九条
 受命裁判官又は受託裁判官の裁判に対して不服がある当事者は、受訴裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、その裁判が受訴裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。

 抗告は、前項の申立てについての裁判に対してすることができる。

 最高裁判所又は高等裁判所が受訴裁判所である場合における第一項の規定の適用については、同項ただし書中「受訴裁判所」とあるのは、「地方裁判所」とする。

(再抗告)
第三百三十条
 抗告裁判所の決定に対しては、その決定に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること、又は決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときに限り、更に抗告をすることができる。

(控訴又は上告の規定の準用)
第三百三十一条
 抗告及び抗告裁判所の訴訟手続には、その性質に反しない限り、第一章の規定を準用する。ただし、前条の抗告及びこれに関する訴訟手続には、前章の規定中第二審又は第一審の終局判決に対する上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定を準用する。

(即時抗告期間)
第三百三十二条
 即時抗告は、裁判の告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。

(原裁判所等による更正)
第三百三十三条
 原裁判をした裁判所又は裁判長は、抗告を理由があると認めるときは、その裁判を更正しなければならない。

(原裁判の執行停止)
第三百三十四条
 抗告は、即時抗告に限り、執行停止の効力を有する。

 抗告裁判所又は原裁判をした裁判所若しくは裁判官は、抗告について決定があるまで、原裁判の執行の停止その他必要な処分を命ずることができる。

(口頭弁論に代わる審尋)
第三百三十五条
 抗告裁判所は、抗告について口頭弁論をしない場合には、抗告人その他の利害関係人を審尋することができる。

(特別抗告)
第三百三十六条
 地方裁判所及び簡易裁判所の決定及び命令で不服を申し立てることができないもの並びに高等裁判所の決定及び命令に対しては、その裁判に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、最高裁判所に特に抗告をすることができる。

 前項の抗告は、裁判の告知を受けた日から五日の不変期間内にしなければならない。

 第一項の抗告及びこれに関する訴訟手続には、その性質に反しない限り、第三百二十七条第一項の上告及びその上告審の訴訟手続に関する規定並びに第三百三十四条第二項の規定を準用する。

(許可抗告)
第三百三十七条
 高等裁判所の決定及び命令(第三百三十条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第一項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。

 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。

 前項の申立てにおいては、前条第一項に規定する事由を理由とすることはできない。

 第二項の規定による許可があった場合には、第一項の抗告があったものとみなす。

 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。

 第三百十三条第三百十五条及び前条第二項の規定は第二項の申立てについて、第三百十八条第三項の規定は第二項の規定による許可をする場合について、同条第四項後段及び前条第三項の規定は第二項の規定による許可があった場合について準用する。

第四編 再審[編集]

再審の事由)
第三百三十八条
 次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。

 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
 判決に関与した裁判官が事件について職務に関する罪を犯したこと。
 刑事上罰すべき他人の行為により、自白をするに至ったこと又は判決に影響を及ぼすべき攻撃若しくは防御の方法を提出することを妨げられたこと。
 判決の証拠となった文書その他の物件が偽造又は変造されたものであったこと。
 証人、鑑定人、通訳人又は宣誓した当事者若しくは法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠となったこと。
 判決の基礎となった民事若しくは刑事の判決その他の裁判又は行政処分が後の裁判又は行政処分により変更されたこと。
 判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があったこと。
 不服の申立てに係る判決が前に確定した判決と抵触すること。

 前項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合においては、罰すべき行為について、有罪の判決若しくは過料の裁判が確定したとき、又は証拠がないという理由以外の理由により有罪の確定判決若しくは過料の確定裁判を得ることができないときに限り、再審の訴えを提起することができる。

 控訴審において事件につき本案判決をしたときは、第一審の判決に対し再審の訴えを提起することができない。

第三百三十九条 判決の基本となる裁判について前条第一項に規定する事由がある場合(同項第四号から第七号までに掲げる事由がある場合にあっては、同条第二項に規定する場合に限る。)には、その裁判に対し独立した不服申立ての方法を定めているときにおいても、その事由を判決に対する再審の理由とすることができる。

(管轄裁判所)
第三百四十条
 再審の訴えは、不服の申立てに係る判決をした裁判所の管轄に専属する。

 審級を異にする裁判所が同一の事件についてした判決に対する再審の訴えは、上級の裁判所が併せて管轄する。

(再審の訴訟手続)
第三百四十一条
 再審の訴訟手続には、その性質に反しない限り、各審級における訴訟手続に関する規定を準用する。

(再審期間)
第三百四十二条
 再審の訴えは、当事者が判決の確定した後再審の事由を知った日から三十日の不変期間内に提起しなければならない。

 判決が確定した日(再審の事由が判決の確定した後に生じた場合にあっては、その事由が発生した日)から五年を経過したときは、再審の訴えを提起することができない。

 前二項の規定は、第三百三十八条第一項第三号に掲げる事由のうち代理権を欠いたこと及び同項第十号に掲げる事由を理由とする再審の訴えには、適用しない。

(再審の訴状の記載事項)
第三百四十三条
 再審の訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 当事者及び法定代理人
 不服の申立てに係る判決の表示及びその判決に対して再審を求める旨
 不服の理由

(不服の理由の変更)
第三百四十四条
 再審の訴えを提起した当事者は、不服の理由を変更することができる。

(再審の訴えの却下等)
第三百四十五条
 裁判所は、再審の訴えが不適法である場合には、決定で、これを却下しなければならない。

 裁判所は、再審の事由がない場合には、決定で、再審の請求を棄却しなければならない。

 前項の決定が確定したときは、同一の事由を不服の理由として、更に再審の訴えを提起することができない。

(再審開始の決定)
第三百四十六条
 裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。

 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方を審尋しなければならない。

(即時抗告)
第三百四十七条
 第三百四十五条第一項及び第二項並びに前条第一項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(本案の審理及び裁判)
第三百四十八条
 裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。

 裁判所は、前項の場合において、判決を正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。

 裁判所は、前項の場合を除き、判決を取り消した上、更に裁判をしなければならない。

(決定又は命令に対する再審)
第三百四十九条
 即時抗告をもって不服を申し立てることができる決定又は命令で確定したものに対しては、再審の申立てをすることができる。

 第三百三十八条から前条までの規定は、前項の申立てについて準用する。

第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則[編集]

(手形訴訟の要件)
第三百五十条
 手形による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求めることができる。

 手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴状に記載してしなければならない。

(反訴の禁止)
第三百五十一条
 手形訴訟においては、反訴を提起することができない。

(証拠調べの制限)
第三百五十二条
 手形訴訟においては、証拠調べは、書証に限りすることができる。

 文書の提出の命令又は送付の嘱託は、することができない。対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える物件の提出の命令又は送付の嘱託についても、同様とする。

 文書の成立の真否又は手形の提示に関する事実については、申立てにより、当事者本人を尋問することができる。

 証拠調べの嘱託は、することができない。第百八十六条の規定による調査の嘱託についても、同様とする。

 前各項の規定は、裁判所が職権で調査すべき事項には、適用しない。

(通常の手続への移行)
第三百五十三条
 原告は、口頭弁論の終結に至るまで、被告の承諾を要しないで、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。

 訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。

 前項の場合には、裁判所は、直ちに、訴訟が通常の手続に移行した旨を記載した書面を被告に送付しなければならない。ただし、第一項の申述が被告の出頭した期日において口頭でされたものであるときは、その送付をすることを要しない。

 第二項の場合には、手形訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。

(口頭弁論の終結)
第三百五十四条
 裁判所は、被告が口頭弁論において原告が主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合には、前条第三項の規定による書面の送付前であっても、口頭弁論を終結することができる。

(口頭弁論を経ない訴えの却下)
第三百五十五条
 請求の全部又は一部が手形訴訟による審理及び裁判をすることができないものであるときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、訴えの全部又は一部を却下することができる。

 前項の場合において、原告が判決書の送達を受けた日から二週間以内に同項の請求について通常の手続により訴えを提起したときは、第百四十七条の規定の適用については、その訴えの提起は、前の訴えの提起の時にしたものとみなす。

(控訴の禁止)
第三百五十六条
 手形訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。ただし、前条第一項の判決を除き、訴えを却下した判決に対しては、この限りでない。

(異議の申立て)
第三百五十七条
 手形訴訟の終局判決に対しては、訴えを却下した判決を除き、判決書又は第二百五十四条第二項の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。

(異議申立権の放棄)
第三百五十八条
 異議を申し立てる権利は、その申立て前に限り、放棄することができる。

(口頭弁論を経ない異議の却下)
第三百五十九条
 異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。

(異議の取下げ)
第三百六十条
 異議は、通常の手続による第一審の終局判決があるまで、取り下げることができる。

 異議の取下げは、相手方の同意を得なければ、その効力を生じない。

 第二百六十一条第三項から第五項まで、第二百六十二条第一項及び第二百六十三条の規定は、異議の取下げについて準用する。

(異議後の手続)
第三百六十一条
 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。

(異議後の判決)
第三百六十二条
 前条の規定によってすべき判決が手形訴訟の判決と符合するときは、裁判所は、手形訴訟の判決を認可しなければならない。ただし、手形訴訟の判決の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。

 前項の規定により手形訴訟の判決を認可する場合を除き、前条の規定によってすべき判決においては、手形訴訟の判決を取り消さなければならない。

(異議後の判決における訴訟費用)
第三百六十三条
 異議を却下し、又は手形訴訟においてした訴訟費用の負担の裁判を認可する場合には、裁判所は、異議の申立てがあった後の訴訟費用の負担について裁判をしなければならない。

 第二百五十八条第四項の規定は、手形訴訟の判決に対し適法な異議の申立てがあった場合について準用する。

(事件の差戻し)
第三百六十四条
 控訴裁判所は、異議を不適法として却下した第一審判決を取り消す場合には、事件を第一審裁判所に差し戻さなければならない。ただし、事件につき更に弁論をする必要がないときは、この限りでない。

(訴え提起前の和解の手続から手形訴訟への移行)
第三百六十五条
 第二百七十五条第二項後段の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、同項前段の申立ての際にしなければならない。

(督促手続から手形訴訟への移行)
第三百六十六条
 第三百九十五条又は第三百九十七条第三項の規定により提起があったものとみなされる訴えについては、手形訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、支払督促の申立ての際にしなければならない。

 第三百九十一条第一項の規定による仮執行の宣言があったときは、前項の申述は、なかったものとみなす。

(小切手訴訟)
第三百六十七条
 小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求を目的とする訴えについては、小切手訴訟による審理及び裁判を求めることができる。

 第三百五十条第二項及び第三百五十一条から前条までの規定は、小切手訴訟に関して準用する。

第六編 少額訴訟に関する特則[編集]

(少額訴訟の要件等)

第三百六十八条

 簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が六十万円以下の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。ただし、同一の簡易裁判所において同一の年に最高裁判所規則で定める回数を超えてこれを求めることができない。

 少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。

 前項の申述をするには、当該訴えを提起する簡易裁判所においてその年に少額訴訟による審理及び裁判を求めた回数を届け出なければならない。

(反訴の禁止)
第三百六十九条
 少額訴訟においては、反訴を提起することができない。

(一期日審理の原則)
第三百七十条
 少額訴訟においては、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論の期日において、審理を完了しなければならない。

 当事者は、前項の期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。ただし、口頭弁論が続行されたときは、この限りでない。

(証拠調べの制限)
第三百七十一条
 証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。

(証人等の尋問)
第三百七十二条
 証人の尋問は、宣誓をさせないですることができる。

 証人又は当事者本人の尋問は、裁判官が相当と認める順序でする。

 裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、証人を尋問することができる。

(通常の手続への移行)
第三百七十三条
 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。ただし、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この限りでない。

 訴訟は、前項の申述があった時に、通常の手続に移行する。

 次に掲げる場合には、裁判所は、訴訟を通常の手続により審理及び裁判をする旨の決定をしなければならない。

 第三百六十八条第一項の規定に違反して少額訴訟による審理及び裁判を求めたとき。
 第三百六十八条第三項の規定によってすべき届出を相当の期間を定めて命じた場合において、その届出がないとき。
 公示送達によらなければ被告に対する最初にすべき口頭弁論の期日の呼出しをすることができないとき。
 少額訴訟により審理及び裁判をするのを相当でないと認めるとき。

 前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。

 訴訟が通常の手続に移行したときは、少額訴訟のため既に指定した期日は、通常の手続のために指定したものとみなす。

(判決の言渡し)
第三百七十四条
 判決の言渡しは、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちにする。

 前項の場合には、判決の言渡しは、判決書の原本に基づかないですることができる。この場合においては、第二百五十四条第二項及び第二百五十五条の規定を準用する。

(判決による支払の猶予)
第三百七十五条
 裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、判決の言渡しの日から三年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、その時期の定め若しくは分割払の定めをし、又はこれと併せて、その時期の定めに従い支払をしたとき、若しくはその分割払の定めによる期限の利益を次項の規定による定めにより失うことなく支払をしたときは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する旨の定めをすることができる。

 前項の分割払の定めをするときは、被告が支払を怠った場合における期限の利益の喪失についての定めをしなければならない。

 前二項の規定による定めに関する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(仮執行の宣言)
第三百七十六条
 請求を認容する判決については、裁判所は、職権で、担保を立てて、又は立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。

 第七十六条第七十七条第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。

(控訴の禁止)
第三百七十七条
 少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。

(異議)
第三百七十八条
 少額訴訟の終局判決に対しては、判決書又は第二百五十四条第二項第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。

 第三百五十八条から第三百六十条までの規定は、前項の異議について準用する。

(異議後の審理及び裁判)
第三百七十九条
 適法な異議があったときは、訴訟は、口頭弁論の終結前の程度に復する。この場合においては、通常の手続によりその審理及び裁判をする。

 第三百六十二条第三百六十三条第三百六十九条第三百七十二条第二項及び第三百七十五条の規定は、前項の審理及び裁判について準用する。

(異議後の判決に対する不服申立て)
第三百八十条
 第三百七十八条第二項において準用する第三百五十九条又は前条第一項の規定によってした終局判決に対しては、控訴をすることができない。

 第三百二十七条の規定は、前項の終局判決について準用する。

(過料)
第三百八十一条
 少額訴訟による審理及び裁判を求めた者が第三百六十八条第三項の回数について虚偽の届出をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

 第百八十九条の規定は、第一項の規定による過料の裁判について準用する。

第七編 督促手続[編集]

(支払督促の要件)
第三百八十二条
 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。

(支払督促の申立て)
第三百八十三条
 支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。

 次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。

 事務所又は営業所を有する者に対する請求でその事務所又は営業所における業務に関するもの

当該事務所又は営業所の所在地

 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する請求

手形又は小切手の支払地

(訴えに関する規定の準用)
第三百八十四条
 支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。

(申立ての却下)
第三百八十五条
 支払督促の申立てが第三百八十二条若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。

 前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

 前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。

 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(支払督促の発付等)
第三百八十六条
 支払督促は、債務者を審尋しないで発する。

 債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。

(支払督促の記載事項)
第三百八十七条
 支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。

 第三百八十二条の給付を命ずる旨
 請求の趣旨及び原因
 当事者及び法定代理人

(支払督促の送達)
第三百八十八条
 支払督促は、債務者に送達しなければならない。

 支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。

 債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所若しくは事務所又は就業場所がないため、支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。この場合において、債権者が通知を受けた日から二月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。

(支払督促の更正)
第三百八十九条
 第七十四条第一項及び第二項の規定は、支払督促について準用する。

 仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する第七十四条第一項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。

(仮執行の宣言前の督促異議)
第三百九十条
 仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。

(仮執行の宣言)
第三百九十一条
 債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。

 仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。

 第三百八十五条第二項及第三項の規定は、第一項の申立てを却下する処分及びこれに対する異議の申立てについて準用する。

 前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 第二百六十条及び第三百八十八条第二項の規定は、第一項の仮執行の宣言について準用する。

(期間の徒過による支払督促の失効)
第三百九十二条
 債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。

(仮執行の宣言後の督促異議)
第三百九十三条
 仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から二週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない。

(督促異議の却下)
第三百九十四条
 簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。

 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(督促異議の申立てによる訴訟への移行)
第三百九十五条
 適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。

(支払督促の効力)
第三百九十六条
 仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。

(電子情報処理組織を用いて取り扱う督促手続の特則)
第三百九十七条
 電子情報処理組織を用いて督促手続を取り扱う裁判所として最高裁判所規則で定める簡易裁判所の裁判所書記官に対しては、第三百八十三条の規定による場合のほか、同条に規定する簡易裁判所が別に最高裁判所規則で定める簡易裁判所である場合にも、電子情報処理組織を用いて取り扱う督促手続における支払督促の申立てをすることができる。

 前項の申立ては、最高裁判所規則で定める方式に適合するものでなければならない。

 第一項に規定する督促手続における支払督促に対し適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、第三百八十三条に規定する簡易裁判所で支払督促を発した裁判所書記官の所属するもの若しくは同項の別に最高裁判所規則で定めるもの又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。

 前項の場合において、同項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所が二以上あるときは、督促異議に係る請求については、これらの裁判所中に第三百八十三条第一項に規定する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所がある場合にはその裁判所に、その裁判所がない場合には同条第二項第一号に定める地を管轄する簡易裁判所又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。ただし、債権者が、最高裁判所規則で定めるところにより、前項に規定する簡易裁判所又は地方裁判所中その一を指定したときは、その裁判所に訴えの提起があったものとみなす。

第八編 執行停止[編集]

(執行停止の裁判)
第三百九十八条
 次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第三号から第六号までに掲げる場合に限り、することができる。

 第三百二十七条第一項第三百八十条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の上告又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
 仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
 仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決又は支払督促の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
 仮執行の宣言を付した手形訴訟若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
 第百十七条第一項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。

 前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

(原裁判所による裁判)
第三百九十九条
 第三百二十七条第一項の上告の提起、仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起若しくは上告受理の申立て又は仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起があった場合において、訴訟記録が原裁判所に存するときは、その裁判所が、前条第一項に規定する申立てについての裁判をする。

 前項の規定は、仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合について準用する。

(担保の提供)
第四百条
 この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

 第七十六条第七十七条第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。

附則[編集]

(施行期日)
第一条
 この法律(以下「新法」という。)は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第二十七条の規定は、公布の日から施行する。

(旧民事訴訟法の一部改正)
第二条
 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)の一部を次のように改正する。

民事訴訟法目録を削り、題名を次のように改める。
公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律
第一編第一章の章名及び同章第一節の節名を削り、第一条を次のように改める。
第一条 別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関シテハ其性質ニ反セザル限リ民事訴訟ニ関スル法令ノ規定ヲ準用ス
第一編第一章第二節の節名、第二章の章名、同章第一節から第四節までの節名、第三章の章名、同章第一節から第三節までの節名、第四章の章名及び同章第一節から第五節までの節名を削り、第二条から第二百二十二条までを次のように改める。
第二条乃至第二百二十二条 削除
第二編から第六編までを次のように改める。
第二編乃至第六編 削除
第二百二十三条乃至第七百六十三条 削除
第七百七十四条第二項第六号中「第四百二十条第四号乃至第八号」を「民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三百三十八条第一項第四号乃至第八号」に改める。
第八百一条第一項第六号中「第四百二十条第四号乃至第八号」を「民事訴訟法第三百三十八条第一項第四号乃至第八号」に改める。

(経過措置の原則)
第三条
 新法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、新法の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、前条の規定による改正前の民事訴訟法(以下「旧法」という。)の規定により生じた効力を妨げない。

(管轄等に関する経過措置)
第四条
 新法の施行の際現に係属している訴訟の管轄及び移送に関しては、管轄裁判所を定める合意及び送達に関する事項並びに附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。

 新法の施行前にした管轄裁判所を定める合意に関しては、新法第十六条第二項ただし書、第二十条第百四十五条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)、第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)及び第二百九十九条ただし書の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(訴訟費用に関する経過措置)
第五条
 新法の施行前にした申立てに係る訴訟費用又は和解の費用の負担の額を定める手続に関しては、新法第七十一条から第七十三条までの規定にかかわらず、なお従前の例による。

 新法の施行前に当事者が供託した金銭又は有価証券についての相手方の権利については、新法第七十七条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(期日の呼出しに関する経過措置)
第六条
 新法第九十四条第二項ただし書の規定は、新法の施行前に旧法第百五十四条第一項に定める方法以外の相当と認める方法による期日の呼出しをした場合には、適用しない。

(送達に関する経過措置)
第七条
 新法の施行前に裁判所書記官が書類の送達のために郵便を差し出し、又は執行官にその送達の事務を取り扱わせることとした場合には、当該送達については、なお従前の例による。

 新法第百四条第三項の規定は、新法の施行後最初にする送達については、適用しない。

 新法の施行前にした申立てに係る公示送達については、新法第百十条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 新法第百十三条の規定は、新法の施行前に掲示を始めた公示送達については、適用しない。

(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴えに関する経過措置)
第八条
 新法第百十七条の規定は、新法の施行前に第一審裁判所における口頭弁論が終結した事件については、適用しない。

(訴えに関する経過措置)
第九条
 新法第百四十一条の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。

 新法第百四十六条第一項ただし書(新法において準用する場合を含む。)の規定は、管轄裁判所を定める合意に関する事項を除き、新法の施行前に提起された本訴に係る反訴の提起については、適用しない。

(当事者を異にする事件の併合に関する経過措置)
第十条
 新法第百五十二条第二項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に口頭弁論の併合が命じられた事件については、適用しない。

(攻撃防御方法の提出時期に関する経過措置)
第十一条
 新法の施行の際現に係属している訴訟における攻撃又は防御の方法の提出時期については、新法第百五十六条(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(準備書面に関する経過措置)
第十二条
 新法の施行前に提出された準備書面に記載した事実についての相手方が在廷していない口頭弁論における主張については、新法第百六十一条第三項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(準備手続に関する経過措置)
第十三条
 新法の施行前に付された準備手続に関しては、期日の呼出し及び送達に関する事項を除き、なお従前の例による。

(疎明に代わる保証金の供託等に関する経過措置)
第十四条
 新法の施行前に当事者又は法定代理人に保証金を供託させ、又はその主張の真実であることを宣誓させた場合における疎明の代用については、附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。

(当事者が文書提出命令に従わない場合等の効果に関する経過措置)
第十五条
 新法第二百二十四条第三項(新法において準用する場合を含む。)の規定は、当事者が、新法の施行前にした文書(新法第二百三十一条に規定する物件を含む。以下この条において同じ。)の提出の命令又は検証の目的の提示の命令に従わない場合及び提出又は提示の義務がある文書又は検証の目的を新法の施行前に使用することができないようにした場合には、適用しない。

(損害額の認定に関する経過措置)
第十六条
 新法第二百四十八条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件、第二審である地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。

(訴えの取下げ等につき相手方の同意を擬制するための期間に関する経過措置)
第十七条
 次に掲げる場合には、訴えの取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げ(以下この条において「訴えの取下げ等」という。)に相手方が同意したものとみなすための期間については、新法第二百六十一条第五項(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 訴えの取下げ等が書面でされた場合において、新法の施行前にその書面が相手方に送達されたとき。
 新法の施行前の相手方が出頭した口頭弁論の期日において訴えの取下げ等が口頭でされたとき。
 訴えの取下げ等が口頭弁論の期日において口頭でされた場合(その期日に相手方が出頭した場合を除く。)において、新法の施行前にその期日の調書の謄本が相手方に送達されたとき。

(訴えの取下げ等の擬制に関する経過措置)
第十八条
 新法の施行前の口頭弁論の期日に当事者双方が出頭せず、又は弁論をしないで退廷した場合には、訴え、控訴若しくは上告の取下げ又は手形訴訟若しくは小切手訴訟の終局判決に対する異議の取下げがあったものとみなすための期間については、新法第二百六十三条前段(新法において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 新法第二百六十三条後段(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前の口頭弁論の期日における当事者の不出頭又は弁論をしないでした退廷については、適用しない。

(控訴に関する経過措置)
第十九条
 新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴の提起の方式については、新法第二百八十六条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 新法第二百八十七条の規定は、新法の施行前に言渡しがあった第一審の判決に対する控訴については、適用しない。

 新法第二百九十一条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に期日の呼出しに必要な費用の予納を命じた場合には、適用しない。

 新法第三百十条(新法において準用する場合を含む。)の規定は、新法の施行前に控訴審の口頭弁論を終結した事件については、適用しない。

(最高裁判所にする上告に関する経過措置)
第二十条
 新法の施行前に、第二審又は第一審である高等裁判所における口頭弁論が終結した事件及び地方裁判所が第一審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件についての最高裁判所にする上告及びその上告審の訴訟手続については、新法第三百十二条及び第三百二十五条の規定にかかわらず、なお従前の例によるものとし、新法第三百十七条第二項及び[[|#318|第三百十八条]]の規定は、適用しない。

(抗告に関する経過措置)
第二十一条
 新法の施行前に告知があった決定又は命令に対する抗告の提起の方式については、新法第三百三十一条本文において準用する新法第二百八十六条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 新法第三百三十一条本文において準用する新法第二百八十七条の規定は、新法の施行前に告知があった決定及び命令に対する抗告については、適用しない。

 新法の施行の日前五日以内に告知があった決定及び命令については、新法第三百三十七条第六項において準用する新法第三百三十六条第二項の規定にかかわらず、新法の施行の日から五日の不変期間内は、新法第三百三十七条第二項の規定による抗告の許可の申立てをすることができる。

(再審に関する経過措置)
第二十二条
 新法の施行前に再審の訴えの提起又は再審の申立てがあった事件については、新法第三百四十五条から第三百四十八条までの規定(これらの規定を新法において準用する場合を含む。)にかかわらず、なお従前の例による。

(督促手続に関する経過措置)
第二十三条
 新法の施行前にした支払命令の申立てに係る督促手続に関しては、送達に関する事項及び附則第二十一条に定める事項を除き、なお従前の例による。

(執行停止に関する経過措置)
第二十四条
 新法の施行前にした執行停止の申立て(仮執行の宣言を付した支払命令に関する執行停止の申立てを除く。)に係る裁判については、新法|第三百九十八条及び第三百九十九条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則の適用に関する経過措置)
第二十五条
 新法の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(最高裁判所規則への委任)
第二十六条
 附則第三条から前条までに規定するもののほか、新法の施行の際現に裁判所に係属している事件の処理に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

(検討)
第二十七条
 新法第二百二十条第四号に規定する公務員又は公務員であった者がその職務に関し保管し、又は所持する文書を対象とする文書提出命令の制度については、行政機関の保有する情報を公開するための制度に関して行われている検討と並行して、総合的な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 前項の措置は、新法の公布後二年を目途として、講ずるものとする。



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