薩哈嗹州派遣軍刑事令

薩哈嗹州派遣軍刑事令（さがれんしゅうはけんぐんけいじれい）

• 法令番号: 大正9年薩軍令第5号
• 公布: 1920年（大正9年）9月1日 → 大正9年9月1日薩哈嗹軍政部官報第1号3頁
• 施行: 1920年（大正9年）9月1日 → 附則
• 失効: 1925年（大正14年）5月15日正午 → 日本国及「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦間ノ関係ヲ律スル基本的法則ニ関スル条約議定書（甲）第3条 → 北「サガレン」行政ノ引渡及占領ノ終了ニ関スル細目協定第1条 → 薩哈嗹州派遣軍司令官布告 (1925年5月14日)
• 註: このページでは、法令沿革が不明なため現在表示されている文章が最新の条文（廃止・消滅・実効性喪失しているのならば、その直前の条文を指す。）という保証はできません。なお特に説明がない場合は、公布された直後の条文を載せています。
• 註: 本文中の漢字については、原則字体差を基準に選択した。本文中選択されている漢字の中にはデザイン差であると判断される場合もあるが、字体差とデザイン差の基準が必ずしも明確ではないため、デザイン差が判別でき、かつ技術的に表現できるUnicode（IVSを含む。）の範囲内で文字を選択した。デザイン差が判別できない、又は表現できない字形については、Unicodeにおける標準となる字体を選択した。
• 註: 以下のリストに掲載される漢字はJIS X 0208外の異体字であり、Unicode表のBMP（基本多言語面、0面）が正しく表示できない環境によっては正しく記されない可能性がある。尚U+FA30からU+FA60の文字は、JIS X 0213対応のフォント（IPAフォント等）による記述を行っている。

  • 凡例

    親字 → 異体字 (Unicode番号) ; 異体字の説明。

  • 郎 → 郞 (U+90DE) ; 偏が「良」となる字形
  • 殺 → 殺 (U+F970) ; 「木」の部分が「大→犬」のようなところに点を附する字形
  • 内 → 內 (U+5167) ; 「人」の部分が「入」となる字形
  • 者 → 者 (U+FA5B) ; 「偖」の旁部分となる字形
  • 既 → 既 (U+FA42) ; 「漑」の旁部分となる字形
  • 徴 → 徵 (U+5FB5) ; 旁が「澂」の旁部分となる字形
  • 免 → 免 (U+FA32) ; 「俛」の旁部分となり、1、2画目の部分が「刀」となる字形
  • 状 → 狀 (U+72C0) ; 偏が「爿」となる字形
  • 著 → 著 (U+FA5F) ; 「者」の部分が「偖」の旁部分となる字形
• 註: 異体字セレクタに対応したブラウザ及びフォントを利用することで、以下のリストのとおり原文に近い字体を表現することができます。対応していない場合は、基底となる文字がそのまま表示されます。
  • 號 → 號󠄂（U+865F U+E0102）
  • 派 → 派󠄄（U+6D3E U+E0104）
  • 遣 → 遣󠄃（U+9063 U+E0103）
  • 通 → 通󠄃（U+901A U+E0103）
  • 次 → 次󠄄（U+6B21 U+E0104）
  • 適 → 適󠄃（U+9069 U+E0103）
  • 過 → 過󠄃（U+904E U+E0103）
  • 監 → 監󠄂（U+76E3 U+E0102）
  • 追 → 追󠄃（U+8FFD U+E0103）
  • 及 → 及󠄃（U+53CA U+E0103）
  • 服 → 服󠄃（U+670D U+E0103）
  • 納 → 納󠄃（U+7D0D U+E0103）
  • 資 → 資󠄄（U+8CC7 U+E0104）
  • 認 → 認󠄃（U+8A8D U+E0103）
  • 割 → 割󠄅（U+5272 U+E0105）
  • 控 → 控󠄃（U+63A7 U+E0103）
  • 成 → 成󠄃（U+6210 U+E0103）
  • 又 → 又󠄂（U+53C8 U+E0102）
  • 消 → 消󠄃（U+6D88 U+E0103）
  • 前 → 前󠄃（U+524D U+E0103）
  • 情 → 情󠄃（U+60C5 U+E0103）
  • 公 → 公󠄃（U+516C U+E0103）

○薩軍令第五號󠄂

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍刑事令左ノ通󠄃定ム

大正九年八月三十日

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍司令官 兒島惣次󠄄郞

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍刑事令

第一條 本令ハ薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍軍律其ノ他ノ軍令ヲ犯シタル者ニ之ヲ適󠄃用ス

第二條 帝國臣民ニシテ軍令ヲ犯シタルトキハ帝國ノ法令ニ依リ處罰スルコト能ハサル場合ニ限リ軍令ヲ適󠄃用ス但其ノ軍令ニ特別ノ規定アルトキハ此ノ限ニ在ラス

第三條 軍罰ヲ分チテ死刑、監󠄂禁、過󠄃料、追󠄃放、沒收トス

第四條 死刑ハ銃殺ス

第五條 監󠄂禁ハ無期及󠄃有期トシ有期監󠄂禁ハ一日以上十五年以下トス

監󠄂禁ハ囚禁場ニ拘置シ定役二服󠄃セシムルコトヲ得

第六條 過󠄃料ハ十錢以上千圓以下トス

第七條 過󠄃料ヲ完納󠄃スルコト能ハサル者ハ之ヲ一年以下ノ監󠄂禁ニ換フルモノトス

過󠄃料ノ言渡ヲ爲ストキハ其ノ言渡ト共ニ過󠄃料ヲ完納󠄃スルコト能ハサル場合ニ於ケル監󠄂禁ノ日數ヲ定メ之ヲ言渡ス可シ

前󠄃項ノ監󠄂禁ハ無資󠄄力其ノ他ノ事由ニ因リ過󠄃料ヲ納󠄃ムルコト能ハサルモノト認󠄃ムル場合ノ外十日內ハ本人ノ承諾アルニ非サレハ之ヲ執行スルコトヲ得ス

過󠄃料ノ言渡ヲ受ケタル者其ノ幾分ヲ納󠄃ムルトキハ過󠄃料ノ金額ト監󠄂禁日數トノ割󠄅合ニ從ヒ監󠄂禁日數ヲ控󠄃除ス

第八條 追󠄃放ハ一年以上ノ期間一定ノ地域外ニ放逐スルモノトス

第九條 沒收ハ犯罪行爲ヲ組成󠄃シタル物、犯罪行爲ニ供シ又󠄂ハ供セントシタル物、犯罪行爲ヨリ生シ又󠄂ハ之ニ因リ得タル物ニ付之ヲ行フコトヲ得但其ノ物犯人以外ノ者ニ屬セサルトキニ限ル

沒收スヘキ物ニシテ既ニ費消󠄃シタル物ハ其ノ代金ヲ追󠄃徵スルコトヲ得

第十條 監󠄂禁以下ノ軍罰ハ之ヲ併科スルコトヲ得

第十一條 二個以上ノ犯罪アルトキハ其ノ軍罰ヲ併科シ又󠄂ハ一ノ重キ軍罰ノミヲ科スルコトヲ得

第十二條 軍令ヲ犯シ未タ官ニ發覺セサル前󠄃自首シタル者ハ其ノ軍罰ヲ減輕又󠄂ハ免除スルコトヲ得

第十三條 犯罪ノ情󠄃狀憫諒ス可キモノ及󠄃改悛ノ情󠄃顯著ナルモノハ軍罰ノ執行ニ著手シタルト否トヲ問ハス其ノ執行ヲ免除スルコトヲ得

第十四條 軍令ニ特別ノ規定ナキモノハ帝國刑法總則ノ規定ヲ準用ス

附則

本令ハ公󠄃布ノ日ヨリ之ヲ施行ス