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若菜

提供:Wikisource

年はまだ、幾日いくかも経たぬ笹竹に、今朝そよそよの春風を、我が知り顔に鶯の、百百もも喜びの音をたてて。うたひ連れ立ち乙女子をとめごが、摘むや千歳の初若菜、若菜摘む手のやさしさに、梅が枝に囀づる百百千鳥ももちどり、声そへば色さへさへめでたき。


  • 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』下、武蔵野書院、1975年。

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。