羅馬書(明治元訳) 第五章

提供:Wikisource

第五章[編集]

1 このゆゑ我儕われら信仰しんかうよりとせられたればかみやはらぐことをたりわがしゆイエス・キリストによりてなり
2 またわれらかれにより信仰しんかうによりていまをるところのめぐみいることをかつかみさかえのぞみ欣喜よろこびをなす
3 ただこれのみならず患難くわんなんにも欣喜よろこびをなせりそは患難くわんなん忍耐にんたいしやう
4 忍耐にんたい練達れんたつしやう練達れんたつ希望きばうしやう
5 希望きばうはぢきたらせざるをしるこは我儕われらたまところ聖靈せいれいよりかみあいわれらのこころ灌漑そそげばなり
6 我儕われらなほよわかりしときキリストさだまりたるおよび罪人つみびとのためにしにたまへり
7 それ義人ぎじんためしぬるものほとんまれなり仁者じんしやためにはしぬることをいとはざるものもやあら
8 されどキリストは我儕われらのなほ罪人つみびとたるときわれらのためしにたまへりかみこれによりてそのあいあらはたま
9 いまそのより我儕われらとせられたればましかれよりいかりよりすくはるることなからん
10 もしわれらてきたりしときそのによりてかみやはらぐことをたらんにはましやはらぎたるいまそのいけるによりすくはるることをざらん
11 ただこれのみならず我儕われらやはらぎさせたまひしわがしゆイエス・キリストによりまたかみよろこべり
12 されこれ一人ひとりよりつみにいりつみよりきたひとみなつみをかせばすべてひとおよびたるがごと
13 律法おきてたてられしときよりさきつみあり律法おきてなくばつみひとすることなし
14 しかれどもアダムよりモーセにいたるまでアダムのつみひとしつみをかさざりしものにもこれわうたりアダムはすなはきたらんとするものかたなり
15 されつみのことは恩賜おんしのことのごときにあら一人ひとりつみよりしぬるものおほからばましかみめぐみ一人ひとりのイエス・キリストによれめぐみたまものとはおほくひとあふれざらん
16 たまもの一人ひとりよりきたつみごときにあらそは審判さばきひとつつみよりつみせられたまものおほくつみよりとせらるるなり
17 もし一人ひとりつみをかししによりこの一人ひとりよりわうたらんにはましあふるるのめぐみたまものうくもの一人ひとりのイエス・キリストによりいのちありわうたらざらん
18 このゆゑひとつつみよりつみせらるることすべてひとおよびごとひとつよりとせられ生命いのちうることもすべてひとおよべり
19 それ一人ひとりぎやくよりおほ罪人つみびととせられしごと一人ひとりじゆんよりおほとせらるべし
20 律法おきてたつるはつみまさためなりされどもつみますところにはめぐみいやませ
21 これつみをもてつかさどれるごとめぐみ我儕われらしゆイエス・キリストによりかぎりなきいのちいたらせんがためをもてつかさどれり