約翰默示録(明治元訳) 第四章

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第四章[編集]

1 こののちわれしにてんもんひらけありたりはじめきけところわれかたれるらつぱごとこゑまたわれかたりいはくここにのぼわれこののちおこるべきことなんぢしめさん
2 われただちみたまかんてんひとつ寶座くらゐまうけありてその寶座くらゐうへするものあるをたり
3 そのするものかたち金剛石こんがうせきあかき瑪瑙めなうごとかつその寶座くらゐ四圍まはりみどりたまごとにじあり
4 その寶座くらゐ四圍まはりまたじふ寶座くらゐありじふにん長老ちやうらうしろきころもをきかしらきんかんむりいただきてその寶座くらゐするをたり
5 その中央ちうわう寶座くらゐうちより閃電いなづま迅雷いかづちおよび許多あまたこゑいづまたその寶座くらゐまへともれるななつ燈火ともしび(※1)ありこれかみななつれいなり
6 寶座くらゐまへ水晶すゐしやうたる玻璃ぎやまんうみごときものあり寶座くらゐ正面しやうめんとその四圍まはりよつ活物いきものあり前後まへうしろことごとくなり
7 だいいち活物いきもの獅子ししごとだい活物いきものうしごとだいさん活物いきものかほかたちひとごとだい活物いきものとぶわしごと
8 このよつ活物いきものおのおのむつつばさありその内外うちそとことごとくなりこのものやまずしていふきよきかなきよきかなきよきかなむかいまいまいまのちいますしゆたる全能ぜんのうかみ
9 この活物いきもの寶座くらゐするところ世々よよかぎりなくいけものさかえこれたふとこれ感謝かんしやせしとき
10 じふにん長老ちやうらう寶座くらゐするものまへふしこの世々よよかぎりなくいけものはいおのれかんむりその寶座くらゐまへなげいだいひけるは
11 しゆなんぢさかえ尊貴たふとき權威けんゐうくべきものなりなんぢ萬物ばんもつつく萬物ばんもつ意旨みこころよりたもかつつくられたり

※1 明治14(1881)年版では「燈火ともしび」→「火燈ともしび」。