約翰默示録(明治元訳) 第二十二章

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第二十二章[編集]

1 天使てんのつかひ生命いのちみづかはわれしめせりそのみづすきとほりて水晶すゐしやうごとかみこひつじ寶座くらゐよりいづ
2 まちちまたなかおよびかは左右さいう生命いのちありじふしなむすひとしなつきごとにむすなりその萬國ばんこくたみいやすべし
3 かさね呪詛のろひあることなしかみこひつじ寶座くらゐそこにありそのしもべこれにつかへ
4 しもべどもかみかほをみかみかれらのひたひあるべし
5 彼處かしこにはあることなくともしびひかりひかりとをもちゐることなしそはしゆなるかみかれらをてらたまへばなりかれらは世々よよかぎりなくわうたらん
6 天使てんのつかひまたわれいひけるはこのことばしんべくして誠實まことなり預言者よげんしや(※1)の靈魂たましひかみなるしゆすみやかにならんとすることをその衆僕しもべどもしめすためにその使者つかひつかはせり
7 われすみやかにいたらんこのふみ預言よげんことばまもものさいはひなり

8 われヨハネ此等これらことききせりこれききせしときわれ此等これらことしめせる天使てんのつかひ足下あしもとひれしてはいせんとければ
9 かれわれにいふしかすべからずつつしめよわれなんぢおなじしもべなりまたなんぢの兄弟きやうだいなる預言者よげんしや(※1)およこのふみことばまもものおなじしもべなりなんぢただかみはいせよ
10 かれまたわれいひけるはこのふみ預言よげんことばふうずることなかそはときちかければなり
11 不義ふぎなるもの不義ふぎなるままにし汚穢きたなきものきたなままにしぎなるものなるままにしきよきものきよままにせよ
12 われすみやいたらんかなら應報むくいあり各人おのおのおこなところしたがひてこれむくゆべし
13 われはアルパなりオメガなり首先いやさきなり末後いやはてなりはじめなりをはりなり
14 そのころもあらひしものさいはひなり彼等かれら生命いのちうくることをまたもんよりまちいることをべし
15 いぬおよび魔術まじゆつなすもの奸淫かんいんおこなふものひところすもの偶像ぐうざうはいするものまたすべ謊言いつはりこのみ虚妄いつはりおこなものまちそとをるなり
16 われイエスわが使者つかひつかはしてこのこと爾曹なんぢらしよ教會けうくわいあかしわれはダビデのまたその苗裔すゑなりわれかがやあけ明星みやうじやうなり
17 みたま新婦はなよめといふきたれとこれきくものきたれといへかわくものきたるべしねがものあたひなしに生命いのちみづのむべし
18 われこのふみ預言よげんことばきくものあかしをなすもしこのふみ預言よげんことばくはふものあればかみこのふみしるところわざはひこれくはへん
19 もしこのふみ預言よげんことばけづものあればかみこれをしてこのふみしるところ生命いのちきよきまちとにあづかることなからしむ
20 このことあかしするものいひけるはわれかならずすみやかにいたらんアメン(※2)しゆイエスよきたたま
21 ねがはくはしゆイエスの恩寵めぐみすべての聖徒せいとともあらんことを

※1 明治14(1881)年版では「預言者」のルビが「よげんじや」。
※2 明治14(1881)年版では「アメン」→「アーメン」。