約翰默示録(明治元訳) 第七章

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第七章[編集]

1 こののちわれ四人よたり天使てんのつかひ四隅よすみたち四方しはうかぜひきとめうへにもうみうへにもうへにもかぜふかせざるをたり
2 またこのほか一人ひとり天使てんのつかひいけるかみいんもちひがしよりのぼきたるをたりこの使者つかひかのうみそこなふことをゆるされたる四人よたり使者つかひむかひ大聲おほごゑよばは
3 我儕われらかみしもべひたひ我儕われらいんするまではをもうみをもをもそこなべからずといへ
4 われらいんせられたるものかずききしにイスラエルのもろもろ支派わかれのうちいんせられたるものあはせてじふまんせんあり
5 ユダの支派わかれにていちまんせんルベンの支派わかれにていちまんせんガドの支派わかれにていちまんせん
6 アセルの支派わかれにていちまんせんナフタリの支派わかれにていちまんせんマナセの支派わかれにていちまんせん
7 シメオンの支派わかれにていちまんせんレビの支派わかれにていちまんせんイサカルの支派わかれにていちまんせん
8 ゼブルンの支派わかれにていちまんせんヨセフの支派わかれにていちまんせんベニヤミンの支派わかれにていちまんせんにんなり(※1)

9 こののちわれ(※2)しに諸國しよこく諸族しよぞく諸民しよみん諸音しよいんなかよりたれかぞつくすことあたはざるほどの許多おほくひとしろきころもをき椶櫚しゆろをもち寶位くらゐこひつじまへきたりてたて
10 かれら大聲おほごゑよばはいひけるはすくひ寶座くらゐせる我儕われらかみこひつじよりいづるなり
11 天使てんのつかひみな寶座くらゐおよび長老ちやうらうたちよつ活物いきものとの四圍まはりたち寶座くらゐむか俯伏ひれふしてかみはい
12 いひけるはアメン(※3)ねがはくは讚美さんび榮光えいくわう智慧ちゑ感謝かんしや尊敬たふとび權威けんゐ能力ちから世々よよかぎりなく我儕われらかみせよアメン(※3)
13 長老ちやうらう一人ひとりわれにいひけるはこのしろきころもたるものたれかつ何處いづくよりきたりし
14 われこたへけるはきみなんぢこれをしるべしかれわれにいひけるは彼等かれらおほいなる艱難かんなんきたれりかつこひつじにてそのころもあらひこれをしろくなせるものなり
15 このゆゑ彼等かれらかみ寶座くらゐまへありかつかみ殿みやにて夜晝よるひるかみつか寶座くらゐするもの彼等かれらなかをりたまふべし
16 彼等かれらかさねうゑかさねかわかずまた熱氣ねつき彼等かれらそこなはざるなり
17 そは寶座くらゐまへにあるこひつじかれらをやしな彼等かれらいけみづみなもとみちびまたかみかれらのなみだそのよりぬぐたまべければなり

※1 明治14(1881)年版では「なり」→「なり」。
※2 明治14(1881)年版では「われ」→「われ」。
※3 明治14(1881)年版では「アメン」→「アーメン」。