神聖なる聖体礼儀の歌章の次第
- 第一連祷の後に第一倡和詞を歌ふ、第八調。
右列詠隊、 我が霊よ、主を讃め揚げよ。
- 主よ、爾は崇め讃めらる。
右列、 我が霊よ、主を讃め揚げよ、我が中心よ、其聖なる名を讃め揚げよ。
左列詠隊、 我が霊よ、主を讃め揚げよ、彼が悉くの恩を忘るる毋れ。
右、 彼は爾が諸の不法を赦し、爾が諸の疾を療す、
左、 爾の生命を墓より救ひ、憐と惠とを爾に冠らせ、
右、 幸福を爾の望に飽かしむ、爾が若復さるること鷲の如し。
左、 主は凡そ迫害せらるる者の為に義と審判とを行ふ。彼は己の途をモイセイに示し、己の作為をイズライリの諸子に示せり。
右、 主は宏慈にして矜恤、寛忍にして鴻恩なり、
左、 怒りて終あり、憤て永く懐かず。我が不法に因りて我等に行はず、我が罪に因りて我等に報いず、
右、 蓋天の地より高きが如く、斯く主を畏るる者に於ける其憐は大なり、
左、 東の西より遠きが如く、斯く主は我が不法を我等より遠ざけたり、
右、 父の其子を憐むが如く、斯く主は彼を畏るる者を憐む。
左、 蓋彼は我が何より造られしを知り、我等の塵なるを記念す。
右、 人の日は草の如く、其榮ゆること田の華の如し。
左、 風之を過ぐれば無に歸し、其有りし處も亦之を識らず。
右、 唯主の憐は彼を畏るる者に世より世に至り、
左、 彼の義は其約を守り、其誡を懐ひて、之を行ふ子子孫孫に及ばん。
右、 主は其寶座を天に建て、其國は萬物を統べ治む。
左、 主の諸の天使、能力を具へ、其聲に遵ひて其言を行ふ者よ、主を讃め揚げよ。
右、 主の悉くの軍、其旨を行ふ役者よ、主を讃め揚げよ。
左、 主の悉くの造工よ、其一切治むる處に於て主を讃め揚げよ。
右列詠隊更に、聲を高くして歌ふ、 光榮は父と子と聖神゜に歸す、
左列、 今も何時も世世に、「アミン」。
右列復歌ふ、 我が霊よ、主を讃め揚げよ、我が中心よ、其聖なる名を讃め揚げよ。 主よ、爾は崇め讃めらる。
- 小連祷の後に第二倡和詞を歌ふ。
左列詠隊、 光榮は父と子と聖神゜に歸す。
- 我が霊よ、主を讃め揚げよ。我生ける中主を讃め揚げん、我存命の中吾が神に歌はん。
右列詠隊、 牧伯を恃む毋れ、救ふ能はざる人の子を恃む毋れ。
左、 彼氣絕ゆれば土に歸り、凡そ彼が謀る所は卽日に消ゆ。
右、 イアコフの神に佑けらるる人は福なり。
左、 主神、卽天地と海と凡そ其中に在る物とを造り、永く眞實を守り、
右、 窘迫せらるる者の為に判をなし、飢うる者に糧を與ふる主を恃む人は福なり。
左、 主は囚人を釋き、主は瞽者の目を開き、主は屈められし者を起し、主は義人を愛す。
右、 主は覉客を護り、孤子と寡婦とを佑け、惟不虔者の途を覆へす。
左、 主は永遠に王とならん、シオンよ、爾の神は世世に王とならん。
- 今も、第六調。
神の独生の子竝に言よ、死せざる者にして、我等を救はん為に甘じて聖なる生神女、永貞童女マリヤより身を取り、性を易へずして人と為り、十字架に釘うたれ、死を蹈み破りしハリストス神よ、聖三者の一として、父及び聖神゜と共に讃榮せらるる主よ、我等を救ひ給へ。
- 次ぎて眞福詞、十二段に、
右列、 主よ、爾の國に於て我等を憶ひ給へ。
- 神゜の貧しき者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
左列、 泣く者は福なり、彼等慰を得んとすればなり。
- 十段に、
右、 温柔なる者は福なり、彼等地を嗣がんとすればなり。
左、 義に飢ゑ渇く者は福なり、彼等飽くを得んとすればなり。
- 八段に、
右、 矜恤ある者は福なり、彼等矜恤を得んとすればなり。
左、 心の清き者は福なり、彼等神を見んとすればなり。
- 六段に、
右、 和平を行ふ者は福なり、彼等神の子と名づけられんとすればなり。
左、 義の為に窘逐せらるる者は福なり、天國は彼等の有なればなり。
- 四段に、
右、 人我の為に爾等を詬り、窘逐し、爾等の事を譌りて諸の悪しき言を言はん時は、爾等福なり。
左、 喜び楽しめよ、天には爾等の賞多ければなり。
右、 光榮は父と子と聖神゜に歸す。
左、 今も何時も世世に、「アミン」。
- 或日には、定則の示す如く、左の倡和詞を歌ふ。
主を讃榮するは美なる哉。 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 至上者よ、主を讃榮し、爾の名に歌ふは美なる哉。 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 爾の憐を朝に宣べ、爾の眞を夜に宣ぶるは美なる哉。 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 主我が神は義にして、其中に不義なければなり。 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
光榮、 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
今も、 救世主よ、生神女の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
- 第二倡和詞
主は王たり、彼は威厳を衣たり。 救世主よ、爾の諸聖人の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 主は王たり、彼は威厳を衣たり、主は能力を衣、又之を帯にせり、 救世主よ、爾の諸聖人の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 故に世界は堅固にして動かざらん。 救世主よ、爾の諸聖人の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
句、 爾の啓示は誠に正し、主よ、聖徳は爾の家に属して永遠に至らん。 救世主よ、爾の諸聖人の祈祷に因りて我等を救ひ給へ。
光榮、今も、「神の独生の子竝に言よ」。
- 第三倡和詞
來りて主に歌ひ、神我が救世主に呼ばん、 聖者の中に厳に顕るる神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
句、 讃揚を以て其顔の前に進み、歌を以て彼に呼ばん、 聖者の中に厳に顕るる神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
句、 蓋主は大なる神、大なる王にして、諸神に勝る。 聖者の中に厳に顕るる神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
句、 地の深き處は其手に在り、山の巓も彼に属す、 聖者の中に厳に顕るる神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
句、 海は彼に属す、彼之を造れり、陸も亦其手の造りし所なり。 聖者の中に厳に顕るる神の子よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
- 福音経の聖入の後に歌ふ、
來りてハリストスの前に伏し拜まん、神の子、聖者の中に厳に顕るる主よ、我等爾に「アリルイヤ」を歌ふ者を救ひ給へ。
- 主日には「聖者の中に厳に顕るる主」に代へて、「死より復活せし主」を歌ふ。
聖なる神、聖なる勇毅、聖なる常生の者よ、我等を憐めよ。
- 両詠隊更三次。光榮、今も、聖なる常生の者よ、我等を憐めよ。
- 右列詠隊更に高き聲を以て歌ふ、
聖なる神、聖なる勇毅、聖なる常生の者よ、我等を憐めよ。
- 提綱、使徒誦読。「アリルイヤ」。福音経誦読。
主よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
- 次ぎて連祷、及びヘルヴィムの歌。
我等奥密にヘルヴィムを像り、聖三の歌を生命を施す三者に歌ひて、今此の世の慮を悉く退く可し。
天使の軍の見えずして舁ひ奉る萬有の王を戴かん為なり。「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
- 大木曜日にはヘルヴィムの歌に代へて左の讃詞を歌ふ。
神の子よ、今我を爾が機密の筵に與る者として容れ給へ、蓋我爾の仇に機密を告げざらん、又爾にイウダの如き接吻を為さざらん、乃盗賊の如く爾を承け認めて曰ふ、主よ、爾の國に於て我を記念せよ。「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
- 大「スボタ」にはヘルヴィムの歌に代へて左の讃詞を歌ふ。
人の肉體は悉く黙し、畏れ戦きて立つべし、一も地の事を己の中に思ふ可からず、蓋王の王、主の主は屠られて信者の食に予へられん為に來る、天軍は凡の主制及び権柄と共に、多目のヘルヴィムと六翼のセラフィムとは面を覆ひ、彼に先ちて、歌ひて曰ふ、。「アリルイヤ」、「アリルイヤ」、「アリルイヤ」。
- 連祷。詠隊、 主憐めよ、又、主賜へよ、
- 常式の如し。連祷の後に司祭、 衆人に平安。
- 詠隊、 爾の神゜にも。
司祭(或は輔祭)、 我等互に相愛す可し、同心にして承け認めんが為なり。
詠隊、 父と子と聖神゜、一體にして分れざる聖三者を。
- 聖なる信経
我信ず一の神父全能者、天と地、見ゆると見えざる萬物を造りし主を。又信ず一の主イイスス ハリストス、神の独生の子、萬世の前に父より生れ、光よりの光、真の神よりの真の神、生れし者にて造られしに非ず、父と一體にして萬物彼に造られ、我等人人の為、又我等の救の為に天より降り、聖神゜及び童貞女マリヤより身を取り、人と為り、我等の救の為にポンティイ ピラトの時十字架に釘うたれ、苦を受け、葬られ、第三日に聖書に應ひて復活し、天に升り、父の右に坐し、光榮を顕して生ける者と死せし者とを審判する為に還來り、其國終なからんを。
又信ず聖神゜、主、生を施す者、父より出で、父及び子と共に拜まれ讃められ、預言者を以て嘗て言ひしを。又信ず一の聖なる公なる使徒の教会を。我認む一の洗礼、以て罪の赦を得るを。我望む死者の復活、竝に來世の生命を、「アミン」。
司祭(或は輔祭)、 「正しく立ち」。
詠隊、 安和の惠、讃揚の祭を。
司祭、 願はくは我等の主イイスス ハリストスの恩寵、神父の仁愛、聖神゜の交親は、爾等衆と偕に在らんことを。
詠隊、 爾の神゜とも。
司祭、 心上に向ふべし。
詠隊、 主に向へり。
司祭、 主に感謝すべし。
詠隊、 父と子と聖神゜、一體にして分れざる聖三者に伏し拜むは當然にして義なり。
司祭、 「凱歌を歌ひ」。
詠隊、 聖、聖、聖なる哉主「サワオフ」、爾の光榮は天地に満つ、至高きに「オサンナ」、主の名に因りて來る者は崇め讃めらる、至高きに「オサンナ」。
司祭、 「取りて食へ」。詠隊、 「アミン」。
司祭、 「皆之を飲め」。詠隊、 「アミン」。
司祭、 「爾の賜を爾の諸僕より」。詠隊、 主よ、爾を崇め歌ひ、爾を讃め揚げ、爾に感謝し、我が神よ、爾に禱る。
司祭、 「特に至聖至潔にして」。詠隊歌ふ、
常に福にして全く玷なき生神女、吾が神の母なる爾を讃美するは眞に當れり、ヘルヴィムより尊くセラフィムに並なく榮え、貞操を壊らずして神言を生みし実の生神女たる爾を崇め讃む。
若し大ワシリイの聖体礼儀ならば左の如し、
恩寵を満ち被る者よ、凡の造物、天使の會及び人の族は爾に因りて喜ぶ、爾は聖にせられし宮、霊智なる楽園、童貞女の誉なり、神は爾より身を取り、世世の先より在す我等の神は嬰兒となり給へり、蓋爾の胎を宝座となし、爾の腹を天より廣き者となせり。恩寵を満ち被る者よ、凡の造物は爾に因りて喜ぶ、光榮は爾に歸す。
- 連祷。詠隊、 主憐めよ。常式の如し。
司祭、 「主宰よ、我等に勇を以て」。詠隊歌ふ、
天に在す我等の父よ、願はくは爾の名は聖とせられ、爾の國は來り、爾の旨は天に行はるるが如く地にも行はれん、我が日用の糧を今日我等に與へ給へ、我等に債ある者を我等免すが如く、我等の債を免し給へ、我等を誘に導かず、猶我等を凶悪より救ひ給へ。
- 其他常式の如く、謹みて聴くべし、に至る、聖なる物は聖なる人に。詠隊歌ふ、
聖なるは独、主なるは独、神父の光榮を顕すイイスス ハリストスなり、「アミン」。
- 一週間中の領聖詞
- 主日の領聖詞、第八調。
天より主を讃め揚げよ、至高に彼を讃め揚げよ。「アリルイヤ」。三次。
- 月曜日の、第一調。
爾は風を以て爾の使者と為し、焔を以て爾の役者と為す。「アリルイヤ」。三次。
- 火曜日の、第八調。
義人は永く記憶せられ、悪評を懼れざらん。「アリルイヤ」。三次。
- 水曜日の、第六調。
我救の爵を受けて、主の名を籲ばん。「アリルイヤ」。三次。
- 木曜日の、第六調。
其聲は全地に傳はり、其言は地の極に至る。「アリルイヤ」。三次。
- 金曜日の、第六調。
神よ、爾は救を地の中に作せり。「アリルイヤ」。三次。
- 「スボタ」の、第五調。
主よ、爾が選びて近づけし者は福なり、彼等の記憶は世世に在らん。「アリルイヤ」。三次。
聖錫を挙示する時、司祭(或は輔祭)曰く、神を畏るる心と信とを以て近づき來れ。
詠隊歌ふ、主の名に依りて來る者は崇め讃めらる、主は神なり、我等を照せり。
司祭、「神よ、爾の民を救ひ」。
詠隊、我等已に眞の光を観、天の聖神゜を受け、正しき信を得て、分れざる聖三者を拜む、彼我等を救ひ給へばなり。
司祭、今も何時も世世に、
詠隊、「アミン」。
主よ、願はくは我が口は讃美に満てられて、我等爾の光榮を歌はん、爾我等に神聖にして不死なる生命を施す爾の聖機密を領くるを許したればなり、祈る、我等を爾の成聖に護りて、終日爾の義を習はしめ給へ。「アリルイヤ」。三次。
- 連祷。升壇外の祝文。司祭衆人に代聖錫を頒つ。
詠隊、願はくは主の名は崇め讃められて、今より世世に至らん。三次。
第三十三聖詠、我何の時にも主を讃め揚げん云云 終に至る。
司祭、「願はくは主の降福は」。又、ハリストス神我等の恃よ、光榮は爾に歸す、光榮は爾に歸す。
詠隊、光榮は父と子と聖神゜に歸す、今も何時も世世に、「アミン」。主憐めよ。三次。福を降せ。
- 司祭発放詞を誦す。詠隊萬壽詞を歌ふ。
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