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- と、思し寄るばかりのけはひあるあたりにこそ、一行をもほのめかしたまふめるに、なびききこえずもて離れたるは、をさをさあるまじきぞ、いと目馴れたるや。 つれなう心強きは、たとしへなう情けおくるるまめやかさなど、あまりもののほど知らぬやうに、さてしも過ぐしはてず、名残なくくづほ…45キロバイト (9,784 語) - 2022年12月1日 (木) 08:11
- おほくほののりよし 身をわくる事のかたさにます鏡影はかりをそ君にそへつる みをわくる-ことのかたさに-ますかかみ-かけはかりをそ-きみにそへつる 01315 [詞書]このたひのいてたちなん物うくおほゆるといひけれは よみ人しらす はつかりの我もそらなるほとなれは君も物うきたひにやあるらん はつかりの…21キロバイト (4,324 語) - 2023年9月2日 (土) 21:53
- きりしとほろ上人伝 作者:芥川龍之介 1919年 書誌情報 姉妹プロジェクト:Wikipediaの記事, データ項目 書誌情報の詳細は議論ページをご覧ください。 小序 これは予が嘗(かつ)て三田文学誌上に掲載した「奉教人の死」と同じく、予が所蔵の切支丹版「れげんだ・おうれあ」の一章に、多少の…44キロバイト (9,185 語) - 2019年9月29日 (日) 04:48
- みづ色の 寂びの ひびき かなしみの ほのほのごとく さぶしさのほのほの ごとく りゆうぜつらんの しづけさは 豁然(かつぜん)たる 大空を 仰(あふ)ぎたちたり 矜持ある 風景 いつしらず わが こころに 住む 浪(らう)、浪、浪 として しづかなり 静 寂 は 怒 る、 みよ、蒼穹の 怒(いきどほ)りを…29キロバイト (4,760 語) - 2023年10月22日 (日) 08:18
- よもすからきえかへりつるわか身かななみたのつゆにむすほゝれつゝ よもすから-きえかへりつる-わかみかな-なみたのつゆに-むすほほれつつ 01349 [詞書]ひさしうまいらぬ人に 光孝天皇御哥 君かせぬわかたまくらは草なれやなみたのつゆのよな〳〵そをく きみかせぬ-わかたまくらは-くさなれや-なみたのつゆの-よなよなそおく…26キロバイト (5,329 語) - 2023年9月3日 (日) 00:58
- ほしけれど、名のりももの憂き際とや思ふらむ、さらにこそ聞こえね。さても、もて離れたることにはあらじ。らうがはしくとかく紛れたまふめりしほどに、底清く澄まぬ水にやどる月は、曇りなきやうのいかでかあらむ」 と、ほほ笑みてのたまふ。中将の君も、詳しく聞きたまふことなれば、えしもまめだたず。少将と藤侍従とは、いとからしと思ひたり。…31キロバイト (6,734 語) - 2022年12月1日 (木) 08:10
- こひしくはしたにをおもへ紫のねすりの衣色にいつなゆめ こひしくは-したにをおもへ-むらさきの-ねすりのころも-いろにいつなゆめ 00653 [詞書]題しらす をののはるかせ 花すすきほにいててこひは名ををしみしたゆふひものむすほほれつつ はなすすき-ほにいててこひは-なををしみ-したゆふひもの-むすほほれつつ 00654…17キロバイト (3,401 語) - 2019年3月25日 (月) 23:22
- ほの花 しらつゆの-なさけおきける-ことのはや-ほのほのみえし-ゆふかほのはな 00277 [詞書]百首哥よみ侍ける中に 式子内親王 たそかれのゝきはのおきにともすれはほにいてぬ秋そしたにことゝふ たそかれの-のきはのをきに-ともすれは-ほにいてぬあきそ-したにこととふ 00278 [詞書]夏の哥とてよみ侍ける…31キロバイト (6,132 語) - 2023年9月3日 (日) 00:50
- 日光小品 (カテゴリ 日本の小説)の下かげには落葉をたく煙がほの白く上って、しっとりと湿った森の大気は木精のささやきも聞えそうな言いがたいしずけさを漂せた。そのもの静かな森の路をもの静かにゆきちがった、若い、いや幼い巫女の後ろ姿はどんなにか私にめずらしく覚えたろう。私はほほ…14キロバイト (2,775 語) - 2019年9月29日 (日) 05:15
- ほし知らば、かう注連のほかにはもてなしたまはで。いぶせうはべることをも、あきらめはべりにしがな」 と、まめやかに聞こえたまへば、人びと、 「げに、いとかたはらいたう」 「立ちわづらはせたまふに、いとほしう」 など、あつかひきこゆれば、「いさや。ここの人目も見苦しう、かの…70キロバイト (15,352 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- 「かう参り来馴れ承ることの、年ごろといふばかりになりにけるを、こよなうもの遠うもてなさせたまへる恨めしさなむ。かかる御簾の前にて、人伝ての御消息などの、ほのかに聞こえ伝ふることよ。まだこそならはね。いかに古めかしきさまに、人びとほほ笑みたまふらむと、はしたなくなむ。 齢積もらず軽らかなりしほどに、ほの…101キロバイト (22,093 語) - 2022年12月1日 (木) 08:09
- ふみしたき-あさゆくしかや-すきつらむ-しとろにみゆる-のちのかるかや 00245 [詞書]草花告秋といへる心をよめる 法印静賢 秋きぬとかせもつけてし山さとになほほのめかす花すすきかな あききぬと-かせもつけてし-やまさとに-なほほのめかす-はなすすきかな 00246 [詞書]題しらす…23キロバイト (4,536 語) - 2019年4月6日 (土) 01:33
- ほしよる。 「いざ、いと心安き所にて、のどかに聞こえむ」 など、語らひたまへば、 「なほ、あやしう。かくのたまへど、世づかぬ御もてなしなれば、もの恐ろしくこそあれ」 と、いと若びて言へば、「げに」と、ほほ笑まれたまひて、 「げに、いづれか狐なるらむな。ただはかられたまへかし」 と、なつかしげにの…68キロバイト (14,694 語) - 2022年12月1日 (木) 08:09
- の添ふべかめるを、いといとほし」と思す。 御返りつつましげに書きたまひて、御使には、青鈍の綾一襲賜ふ。書き変へたまへりける紙の、御几帳の側よりほの見ゆるを、取りて見たまへば、御手はいとはかなげにて、 「憂き世にはあらぬところのゆかしくて 背く山路に思ひこそ入れ」…27キロバイト (5,716 語) - 2022年12月1日 (木) 08:11
- 「脚立たず沈みそめはべりにけるのち、何ごともあるかなきかになむ」 と、ほのかに聞こえたまふ声ぞ、昔人にいとよくおぼえて若びたりける。ほほ笑みて、 「沈みたまひけるを、あはれとも、今は、また誰れかは」 とて、心ばへいふかひなくはあらぬ御応へと思す。右近に、あるべきことのたまはせて、渡りたまひぬ。…58キロバイト (12,516 語) - 2022年12月1日 (木) 08:11
- とある御返り、目もあやなりし御さま、容貌に、見たまひ忍ばれずやありけむ、 「唐人の袖振ることは遠けれど 立ち居につけてあはれとは見き 大方には」 とあるを、限りなうめづらしう、「かやうの方さへ、たどたどしからず、ひとの朝廷まで思ほしやれる御后言葉の、かねても」と、ほほ笑まれて、持経のやうにひき広げて見ゐたまへり。…40キロバイト (8,723 語) - 2022年12月1日 (木) 08:12
- ほしくて過ぐしたまふ。 対の姫君こそ、いとほしく、思ひのほかなる思ひ添ひて、いかにせむと思し乱るめれ。かの監が憂かりしさまには、なずらふべきけはひならねど、かかる筋に、かけても人の思ひ寄りきこゆべきことならねば、心ひとつに思しつつ、「様ことに疎まし」と思ひきこえたまふ。…27キロバイト (5,798 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- 年変はりて、宮の御果ても過ぎぬれば、世の中色改まりて、更衣のほどなども今めかしきを、まして祭のころは、おほかたの空のけしき心地よげなるに、前斎院はつれづれと眺めたまふを、前なる桂の下風、なつかしきにつけても、若き人びとは思ひ出づることどもあるに、大殿より、 「御禊の日は、いかにのどやかに思さるらむ」 と、訪らひきこえさせたまへり。…72キロバイト (15,561 語) - 2022年12月1日 (木) 08:07
- のいとおもしろくて、移ろひたるを賜はせて、 「浅緑若葉の菊を露にても 濃き紫の色とかけきや からかりし折の一言葉こそ忘られね」 と、いと匂ひやかにほほ笑みて賜へり。恥づかしう、いとほしきものから、うつくしう見たてまつる。 「双葉より名立たる園の菊なれば 浅き色わく露もなかりき…32キロバイト (6,884 語) - 2022年12月1日 (木) 08:14
- と、おほよそ人の思はむ心さへ思ひめぐらさるるを、これはただ、国王の御心やおきたまはむとばかりを憚らむは、浅き心地ぞしける」 と、ほほ笑みてのたまひ紛らはす。渡りたまはむことは、 「もろともに帰りてを。心のどかにあらむ」 とのみ聞こえたまふを、…145キロバイト (31,496 語) - 2022年12月1日 (木) 08:13