欽定憲法大綱

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君上大権[編集]

  一、大清皇帝は、大清帝国を統治し、万世一系にして永永尊戴する。

  二、君上は、神聖尊厳にして、侵犯してはならない。

  三、法律の欽定・公布施行及び議案発交の権。凡そ法律は、議院の議決を経たとしても,いまだ詔命に奉じ批准・公布をしていないものは、これを施行とすることはできない。

  四、議院の召集、開閉、停会、延期及び解散の権。解散時,国民が重ねて新議員を選挙した場合でも,解散をうけた旧員は,即ち斉民に異ならず,もしくい違いがあるならば,その事情を量りこれを法律で処治する。

  五、設官制禄及び黜陟百司の権。用人の権,君上これを操り,而して大臣これを輔弼し,議院の関与を得ず。

  六、陸海軍統率及び軍制制定の権。君上は全国に軍隊を配備し,常備兵額を制定し,以て全権を執行する。凡ら軍事の一切は,皆議院の関与を得ず。

  七、宣戦、講和、条約締結及び使臣派遣と使臣認受の権。国交の事,君上親裁により,議院の議決に付さず。

  八、戒厳宣告の権。緊急時に当たり,以て臣民の自由の制限を詔令する。

  九、爵賞及び恩赦の権。恩は君上自らより出で,臣下の専擅により得る所にあらず。

  十、司法総覧権。審判衙門を委任し,欽定法律に従ってこれを行い,詔令の隨時更改によらない。司法の権,君上は諸権を操り,審判官は君上の委任により,代って司法を行い,詔令の隨時更改によらない。案件関係の重きに至っては,既に経た欽定に準じなければならず,相違を避ける。

  十一、命令を発し、発せしむる権。既に定めた法律のみ,議院を交えず協賛を奏し欽定を経た場合,更改廃止の命令によらない。法律は君上の司法権の実行であり,命令は君上の行政権の実行であり,両権分立により,法律の改廃は命令によらない。

  十二、議院閉会時にあって,緊急事に遇有すれば,法律の詔令を代って発すること並びに必需の財用を工面する詔令を得る。ただ次年会期に至って,須らく議院協議を交える。

  十三、皇室経費は,君上の制定する常額に応じ,自ら国庫が支え,議院は置議を得ず。

  十四、皇室大典は,君上の督率する皇族及び特派大臣の議定に応じ,議院は関与を得ず。

附臣民権利義務[編集]

  一、 臣民の中で法律の命令する所定の資格者は,文武官吏及び議員となることができる。

  二、 臣民は法律の範囲内において,言論、著作、出版及び集会、結社等の自由を均しく許される。

  三、 臣民は所定の法律に照らされない限り,逮捕、監禁、処罰されない。

  四、 臣民はその呈訴の案件の審判を法官に請うことができる。

  五、 臣民は専ら法律所定の審判衙門の審判を受けることに応じる。

  六、 臣民の財産及び住居は,故なく侵擾されない。

  七、 臣民は所定の法律に照らし,納税、兵役の義務を有する。

  八、 臣民の支払い終えた賦税は,新しく定める法律の更改を経ず,旧輸納に照らされる。

  九、 臣民は国家法律遵守の義務を有する。

この著作物は1924年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているので、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 

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