栄典法案 (第2回国会閣法第110号)

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審議経過[編集]

  • 第2回国会(常会)
    • 衆議院: 昭和23年6月10日内閣から提出、6月11日文化委員会に付託、6月30日同委員会で起立総員により原案可決、7月1日本会議で異議なし確認により委員長報告のとおり原案可決、参議院へ送付
    • 参議院: 昭和23年7月1日衆議院から受領、同日文化委員会に付託、7月5日会期終了により審査未了、廃案

法案[編集]

栄典法案
栄典法
(勲章)

第一条 国家公共に対し著しい功労のある者を表彰するため、これに勲章を授与し着用せしめる。

2 勲章は、これを五級に分ける。

3 文化の発達に関し特にすぐれた功労のある者には、文化勲章を授与する。

4 勲章の製式及び着用式は、政令でこれを定める。

(功労章)

第二条 国家公共に対し功労のある者を表彰するため、これに功労章を授与し着用せしめる。

2 功労章の製式及び着用式は、政令でこれを定める。

(善行章)

第三条 自己の危難を顧みずに人命を救助した者、孝行その他徳行の著しい者及び私財の寄附又は労力の提供により公益のため著しい貢献をした者を表彰するため、これに善行章を授与し着用せしめる。

2 善行章は、表彰すべき事績の種類に応じてこれを数種に分ける。

3 既に善行章を授与せられた者について、重ねて同種の善行章を授与せられるような事績のあるときは、そのたびごとに、これに飾版一箇を授与する。

4 善行章の種類、製式及び着用式並びに飾版の製式及び着用式は、政令でこれを定める。

(団体の表彰)

第四条 前三条の規定により表彰せらるべき者が、団体であるときは、これに賞状を授与する。

(賞金、賞杯又は賞状)

第五条 前四条の規定による表彰にあわせて賞金又は賞杯を授与することができる。

2 第一条の規定により表彰せらるべき者が、授与すべき勲章を既に有するときは、賞杯を授与する。

3 第二条及び第三条の規定により表彰せらるべき事績に準ずる事績のある者には、賞金、賞杯、賞状又はそのいずれかをあわせて授与することができる。

4 前項の規定による表彰は、内閣総理大臣が、これを行う。

(記章)

第六条 国家的祝典又は事業の記念の表章として記章を設け、その関与者に、これを授与し着用せしめる。

2 記章については、政令でこれを定める。

(死亡者の表彰)

第七条 第一条から第三条まで、第五条及び第六条の規定により表彰せらるべき者が、その表彰前に死亡したときは、生前の日附にさかのぼつて、これに当該賞件を授与する。

(外国の勲章等の着用)

第八条 外国の勲章又は記章を受領した者が、これを着用しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。

(勲章等の着用、保存及び返納)

第九条 勲章、功労章、善行章及び記章は、本人に限り終身これを着用することができ、その遺族は、これを保存することができる。

2 同種の上級勲章を授与せられた者は、その下級勲章を内閣総理大臣に返納しなければならない。

(勲章の没取)

第十条 勲章を有する者が、死刑、懲役又は三年以上の禁錮に処せられ、刑の執行を猶予せられないときは、その勲章を無効とし、これを没取する。

2 勲章を有する者が、懲役又は三年の禁錮に処せられ刑の執行を猶予せられたとき、三年未満の禁錮に処せられたとき、弾劾に関する法令の適用により退官したとき、職務上の義務に違反する事実につき会計検査院法(昭和二十三年法律第七十三号)第六条の規定により退官したとき又は懲戒の処分により免官又は免職せられたときは、情状により、その勲章を無効とし、これを没取する。

3 前二項に掲げる場合の外、勲章を有する者が、帯勲者としての栄誉を保持するに適しないときは、前項と同様とする。

(勲章の着用停止)

第十一条 勲章を有する者が、法令により拘禁せられ又は労役場に留置せられたときは、その間勲章を着用することができない。保釈、責付、勾留の執行停止又は仮出獄の期間についても同様とする。

2 勲章を有する者が、前条第二項に掲げる場合に該当するときは、勲章保持について決定のあるまで、勲章を着用することができない。

(功労章等の没取及び外国勲章等の着用禁止等)

第十二条 前二条の規定は、功労章、善行章及び記章並びに外国の勲章及び記章にこれを準用する。但し外国の勲章及び記章については、第十条中「その勲章を無効とし、これを没取する。」とあるのは、「その着用認可を無効とし、着用を禁止する。」と読み替えるものとする。

(勲章等の返還の申出)

第十三条 勲章、功労章、善行章又は記章を有する者は、特別の事情がある場合には、政令の定めるところにより、その勲章、功労章、善行章又は記章の返還を申し出ることができる。

附 則
(施行期日)

第十四条 この法律施行の期日は政令でこれを定める。但し、その期日は、昭和二十四年一月一日後であつてはならない。

(法令の廃止)

第十五条 左の法令は、これを廃止する。

位階令(大正十五年勅令第三百二十五号)
勲章従軍記章制定(明治八年太政官布告第五十四号)
大勲位菊花大綬章大勲位菊花章図式及大勲章以下略綬の件(明治十年太政官達第九十七号)
各種の勲章等級製式及大勲位菊花章頸飾の製式(明治二十一年勅令第一号)
各種勲章及大勲位菊花章頸飾の図様(明治二十一年閣令第二十一号)
勲章佩用式(明治二十一年勅令第七十六号)
婦人の勲労ある者に瑞宝章を賜うの件(大正八年勅令第二百三十二号)
文化勲章令(昭和十二年勅令第九号)
明治二十七八年従軍記章条例(明治二十八年勅令第百四十三号)
明治三十三年従軍記章条例(明治三十五年勅令第百四十二号)
明治三十七八年従軍記章条例(明治三十九年勅令第五十一号)
大正三年乃至九年戦役従軍記章令(大正四年勅令第二百三号)
昭和六年乃至九年事変従軍記章令(昭和九年勅令第二百二十五号)
帝国憲法発布記念章制定の件(明治二十二年勅令第百三号)
皇太子渡韓記念章制定の件(明治四十二年勅令第四十二号)
韓国併合記念章制定の件(明治四十五年勅令第五十六号)
戦捷記章令(大正九年勅令第四百六号)
朝鮮昭和五年国勢調査記念章令(昭和七年勅令第百四十五号)
紀元二千六百年祝典記念章令(昭和十五年勅令第四百八十八号)
褒章条例(明治十四年太政官布告第六十三号)
外国勲章佩用願規則(明治十八年太政官布告第三十五号)
勲章還納の件(明治二十二年勅令第三十八号)
勲章褫奪令(明治四十一年勅令第百九十一号)
位、勲章等の返上の請願に関する件(昭和二十年勅令第六百九十九号)
(従前の位階及び勲位勲等)

第十六条 この法律施行の際現に位階又は勲位勲等を有する者は、その有する位階又は勲位勲等を失う。

(従前の勲章及び褒章)

第十七条 この法律施行の際現に勲章を有する者は、第十五条の規定にかかわらず、従前の例によりこれを着用することを妨げない。

2 この法律施行の際現に褒章を有する者については、第十五条の規定にかかわらず、褒章条例は、なおその効力を有するものとする。その者について、当該褒章を授与せられた事績と同種の事績があつて、これに善行章を授与すべきときは、当該褒章を返納させて、これに善行章及び飾版一箇を授与する。この場合当該褒章について褒章条例第三条の規定する飾版を有する者は、これを附加して着用することができる。

3 前二項の勲章及び褒章については、第十条、第十一条及び第十三条の規定を準用する。

4 この法律施行の際現に外国の勲章又は記章(現にその国において栄典として認められているものに限る。)の佩用免許を有する者については、当該勲章又は記章の着用について、第八条の規定による内閣総理大臣の認可があつたものとみなす。

第十八条 公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令(昭和二十二年勅令第一号)第四条の規定により、同令にいう覚書該当者として指定せられた者(政党、協会その他の団体の結成の禁止等に関する件(昭和二十一年勅令第百一号)第五条の四の規定により公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令による覚書該当者として指定を受けたものとみなされる者を含む。)は、前条の規定にかかわらず、その有する勲章及び褒章並びに外国の勲章及び記章を着用することができない。記章についても同様とする。

(従前の勲章年金)

第十九条 この法律施行の際勲章年金を有する者には、なお従前の例により引続きこれを支給する。その者が第十一条の規定の準用によりその有する旧勲章の着用を停止せられたときは、年金の支給を停止し、第十条の規定の準用により勲章を没取せられたときは、年金の支給を廃する。勲章の没取にいたらなかつたときは、停止の始にさかのぼつて年金を支給する。

関連項目[編集]

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。