朝鮮王朝実録/1849年/6月9日/哲宗実録3

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日本語訳[編集]

大王大妃殿が諺書を王に下教する。

諺書:このような罔極な幸せは500年に続く宗社の宗統を受け継いだこと主上には感謝しています。主上は英祖の血孫として、苦難な問題を多数抱えられ、長い間鄕外に住んで、田を営んでいらっしゃるが、古来の君主の中には、民間の暮らしで成長した君主もおり、その方々は民の暮らしを知っており、世話仕事をしたりして愛民を大切するなどして明主になったから聖君になったのです。特に主上は民の苦しみを理解しておられるだろう。今主上がすべき事は節倹であり、徴税する一粒と一尺布の苦しみを忘れずに無駄に浪費せず、被害のないようにしてこの国を維持する必要があります。もし民がこの国で住めなくなったらこの国は維持できません。ですから毅然として、一念と愛民の二文字を忘れてはいけません。今の主上の文知の程は知りませんが、いずれに主上が学ばなければ、この国は成り立ちませんし、国を治めることもできないでしょう。たとえ悲痛で心に余裕がなく孤独な時でも、頻繁に儒臣と引見して、経史を議論して、聖賢の心法と治謨を身につけていただきます。正しく処事を整理して、民の困苦をなくして、感謝し、自らは質素な資質をつくりあげて全国民が望む理想の王になってください。だからといって、王が極めて尊いという法に慢心して、廷臣を貶したりしてはいけません。ここは大臣を見本として、諫言を心に刻んでください。

原文[編集]

大王大妃殿, 以諺書, 下敎于上曰:“當此岡極之中, 今幸五百年宗社, 付托有人。 主上, 卽英宗血孫也, 往事多難, 雖久居鄕外, 古昔帝王, 有生長民間, 故民生疾苦, 無不知之政令之際, 每以愛民爲主, 遂爲明主, 今主上, 亦應習知民間之事。 愛民之道, 莫如節儉, 雖一粒飯一尺布, 皆出於民, 若不節儉, 則其害必歸於民, 民不聊生, 則國不爲國, 必須一念慥慥, 不忘愛民二字。 雖不知旣往工夫之如何, 而人不讀書, 則昧於故事, 昧於故事, 則不能治國, 雖於悲遑之中, 亦宜常接儒臣, 討論經史, 聖賢心法, 帝王治謨, 漸次學習, 然後可以處事得當, 上以念宗社之重, 下以顧生民之困, 克敬克愼, 克儉克勤, 以副萬姓蘄顯之意。 人君雖曰極尊, 元無輕視朝臣之法, 大臣所當禮待, 雖於奏事之間, 必無不是之言, 孜孜聽從而銘肺焉。”


【太白山史庫本】1本1巻2章A面

【影印本】48本547面

先代:
1849年6月9日哲宗実録第二項
朝鮮王朝実録
1849年6月9日哲宗実録第三項
次代:
1849年6月9日哲宗実録第四項