『更級日記』は、平安時代中ごろに書かれた回想録。東の国・上総の国府に任官していた父・菅原孝標の任期が終了したことにより、寛仁4年(1020年)9月に上総から京の都へ帰国するところから起筆する。『
源氏物語』を読みふけり、物語世界に憧憬しながら過ごした少女時代、度重なる身内の死去によって見た厳しい現実、祐子内親王家への出仕、30代での橘俊通との結婚と仲俊らの出産、夫の単身赴任そして康平元年秋の夫の病死などを経て、子供たちが巣立った後の孤独の中で次第に深まった仏教傾倒までが平明な文体で描かれている。平安女流日記文学の代表作の一に数えられ、江戸時代には広く流通して読まれた。—
ウィキペディア日本語版「
更級日記」より。