日EU経済連携協定/附属書8-A

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附属書8-A 金融規制に関する協力[編集]


規制に関する協力
1 両締約国は、国際金融の安定性、公平かつ効率的な市場及び投資家、預金者、保険契約者又は信託上の義務を金融サービス提供者が負う者の保護を更に強化することを目的として、二国間及び国際機関の場において協力する(以下この附属書において「規制に関する協力」という。)。
2 両締約国は、規制に関する協力において、多数国間で合意された原則及び信用秩序の維持に係る基準に立脚し、並びに5からまでに定める原則であって、19から21までに規定する枠組みにおいて実施されるものに従う。
規制に関する協力の範囲
3 規制に関する協力は、両締約国の別段の合意がある場合を除くほか、金融サービスの全ての分野(当該分野には、会計及び監査に関する枠組みも含む。)を対象とする。
4 この附属書の規定は、両締約国の規制当局及び監督当局の権限の配分及び行使に影響を及ぼすものではない。両締約国は、規制に関する協力が金融サービスの分野において両締約国間に存在することのある市場の構造及びビジネスモデルの相違についての妥当な考慮に基づくべきであることを認識する。
規制に関する協力の原則
5 各締約国は、金融サービスの分野における規制及び監督に関する国際的に合意された基準が自国の領域において実施され、かつ、適用されることを確保するために最善の努力を払う。これらの国際的に合意された基準は、特に、バーゼル銀行監督委員会保険監督者国際機構証券監督者国際機構及び金融安定理事会によって作成された基準及び原則をいう。
6 両締約国は、1及び2に規定する目的を支持する方法で、金融サービスに関するそれぞれの規制及び監督に関する枠組みの相互の互換性を達成するために最善の努力を払う。
7 一方の締約国は、自国の立法手続を妨げることなく、他方の締約国に対して、金融サービスの分野における規制に関する予定される取組であって他方の締約国に関連し得るものに関し、早期の通報を受ける機会及び意見を提出する機会を与えるよう最善の努力を払う。
8 両締約国は、可能な場合には、相互の規則及び監督に依拠することができる。この8の規定は、依拠を確立することを目的として、一方の締約国の規則(特に、依拠の基準に関するもの)に従って他方の締約国の規制及び監督に関する枠組みについて評価を行う一方の締約国の権利を害するものではない。一方の締約国は、当該評価を行うに当たり、他方の締約国の規則及び監督が自国の規則及び監督と同一であることを要求してはならず、規制の効果に基づいて評価を行う。
9 両締約国は、国際的に合意された基準又は他の原則(特に、一方の締約国が他方の締約国の規制及び監督に関する枠組みに依拠する分野におけるもの)を実施するために自国が効果的な監督及び規則の執行をどのように行っているかについて随時相互に通報する。
10 一方の締約国は、金融サービスの分野における規制に関する予定される取組の作成の過程において、当該取組が市場に関する業務に従事する者及び他方の締約国の管轄に及ぼす影響に妥当な考慮を払う。
11 一方の締約国は、他方の締約国からの書面による特別の要請により注意の喚起を受けた措置及び両締約国の領域において市場に関する業務に従事する者の金融サービスを提供する能力に影響を及ぼす可能性のある措置について、できる限り相互に互換性のあるものとすることを目的として、検討する。
12 一方の締約国は、他方の締約国の規則及び監督がその結果において同等でなくなった場合、他方の締約国がその規則を効果的に執行することができない場合又は金融機関の監督について他方の締約国の協力が十分でない場合には、他方の締約国の規制及び監督に関する枠組みへの依拠の決定をいつでも撤回し、並びに自国の規則を再び適用し、及び執行することができる。両締約国は、自国の規則を再び適用し、及び執行する前に、適当な方法で相互に協議する。
日欧合同金融規制フォーラム
13 両締約国は、この協定の効力発生の日に日欧合同金融規制フォーラムを設置する(以下この附属書において「フォーラム」という。)。
14 フォーラムは、両締約国間の規制に関する協力の運営に責任を負う。フォーラムは、特に、その進捗状況を検討し、及び規制に関する協力の将来の計画を作成する。フォーラムは、5から12までに定める規制に関する協力の原則であって、19から21までに規定する枠組みにおいて実施されるものを遵守する。
15 フォーラムは、欧州委員会及び日本国政府(金融庁を含む。)の双方の代表者であって、金融サービスの規制上の問題に技術的な段階において責任を負うものから成る。一方の締約国は、各締約国がフォーラムにおけるそれぞれの代表の構成について決定する権利に影響を及ぼすことなく、他方の締約国に対し、他方の締約国の領域内の他の金融規制当局又は金融監督当局の活動に関する事項についてのフォーラムの議論及び準備作業に寄与することを目的として、当該金融規制当局又は金融監督当局の代表者を招請するよう要請することができる。他方の締約国は、その要請に積極的な考慮を払うべきである。
16 フォーラムの会合は、欧州委員会及び日本国の金融庁の上級職員をその共同議長とする。
17 各締約国は、フォーラムにおいて、規制に関する協力を円滑にするため、連絡部局を指定する。フォーラムは、特定の事項を検討するため、専門家による作業部会を設置することができる。
18 フォーラムの会合は、少なくとも年一回及びフォーラムの構成員が必要と認める場合にはいつでも、日本国の東京及びベルギーのブリュッセルにおいて交互に開催する。
規制に関する協力のための枠組み
19 フォーラムは、5から12までに定める原則を実施するため、規制に関する協力のための枠組みを定め、及び適用する。
20 規制に関する協力のための枠組みには、次の事項を含める。
(a) 各締約国の立法手続及び行政手続を妨げることなく、規制に関する予定される取組に関し、他方の締約国との情報の交換及び協議を行う適当な形態の仕組み
(b) 相互の規制及び監督に関する枠組みへの依拠に関する指針であって、可能な場合には金融規制の特定の分野について準用されるもの
(c)  一方の締約国が他方の締約国の特別の要請により注意の喚起を受けた11に規定する措置を検討する手続
(d) フォーラムの管理に関する指針
(e) 22から26までに規定する技術的な仲介のための手続
(f) 合意がある場合には、規制に関する協力を促進するための他の取決め
21 規制に関する協力のための枠組みについては、国境を越えて行われる監督及び執行についての協力を円滑にするため、具体的な取決めを定めることもできる。
技術的な仲介
22  この附属書の規定は、第21章の規定による紛争解決の対象とならない。
23 一方の締約国は、の規定の適用を妨げることなく、他方の締約国に対し、5から12までに規定する規制に関する協力の原則に関する技術的な仲介の手続の開始を書面により要請することができる。技術的な仲介の手続については、両締約国が特定の問題について当該手続を利用することに合意した後においてのみ開始することができる。
24 フォーラムは、23の規定に従って手続を開始する両締約国の合意により、技術的な仲介について作業部会を設置する。当該作業部会は、各締約国の代表者から成り、及び関連の専門知識を有する仲介人(両締約国から独立しており、かつ、フォーラムによって任命されるもの)が議長を務める。
25 24の規定に従って任命された議長は、技術的な仲介の結果を付した報告書をフォーラムの共同議長に提出する。
26 両締約国は、この附属書の規定の下で生ずる紛争を解決することを企図して誠実に行動する。

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