- 底本:外山正一、矢田部良吉、井上哲次郎撰『新体詩鈔 初編』(再版)丸屋善七、1884年12月15日。
- 「新體詩抄初編終」と書かれたページの次のページから書かれている跋文。底本では表題が附されていないため、国文学研究資料館の近代書誌・近代画像データベース[1]や、早稲田大学の古典籍総合データベース[2]の説明を参考にして便宜上「跋」と題する。
我國は昔より言靈のさきはふ國といひ傳へて長きみじかき歌に文に妙なる人も代々に少からず然るを今の文明の御代にあたりて短歌に名ある人は彼是きこゆれど長歌をよみ文かく人のをさ〳〵きこえざるはいとあやしや海外の國々にては昔も今もうたといへば長きをむねとして軍陣にうたひ祭祀にうたひ哀樂にうたひて此道に妙なる人代々にたえずと云同し天地の間に生るゝ人はげにさもあるべき事なりかしおのれ此比大學に入て大人たちの西洋の詩を我が言葉にうつせるを見て感慨に堪へずいかですたれたるを起してかゝる新代の風をうたひ出ばやさて此道に妙なる人の出來たらんには實にことだまの幸はふ國の手ぶりも著くはた海外の人も聞つたへてなどか彼の言葉にうつさゝらん然らは國の光ともなるへき事ならずやかくいふものは水屋主人幹文
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。
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