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教育ニ関スル勅語

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原文

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文部省訓令

今般敎育ニ關シ勅語ヲ下シタマヒタルニ付謄本及本大臣ノ訓示各一通ヲ交付ス能ク聖意ノ在ル所ヲシテ貫徹セシムヘシ

明治二十三年十月三十一日 文部大臣芳川顕正

別紙

勅語

朕󠄁惟フニ我カ皇祖󠄁皇宗國ヲ肇󠄁ムルコト宏遠󠄁ニ
德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ
克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ
此レ我カ國體ノ精󠄁華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦󠄁相和シ朋友相信シ
恭儉己レヲ持シ博󠄁愛衆ニ及󠄁ホシ學ヲ修メ業ヲ習󠄁ヒ
以テ智能ヲ啓󠄁發シ德器󠄁ヲ成就シ進󠄁テ公󠄁益󠄁ヲ廣メ
世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵󠄁ヒ
一旦緩󠄁急󠄁アレハ義勇󠄁公󠄁ニ奉シ以テ天壤無窮󠄁ノ皇運󠄁ヲ扶翼󠄂スヘシ
是ノ如キハ獨リ朕󠄁カ忠良ノ臣民タルノミナラス
又以テ爾祖󠄁先ノ遺󠄁風ヲ顯彰スルニ足ラン

斯ノ道󠄁ハ實ニ我カ皇祖󠄁皇宗ノ遺󠄁訓ニシテ子孫臣民ノ
俱ニ遵󠄁守スヘキ所󠄁之ヲ古今ニ通󠄁シテ謬ラス
之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ
咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽
訓示

謹テ惟ニ我カ

天皇陛下深ク臣民ノ敎育ニ軫念シタマヒ茲ニ忝ク

勅語ヲ下シタマフ 顯正職ヲ文部ニ奉シ躬重任ヲ荷ヒ日夕省思シテ嚮フ所ヲ愆ランコトヲ恐ル 今

勅語ヲ奉承シテ感奮措ク能ハス 謹テ

勅語ノ謄本ヲ作リ 普ク之ヲ全國ノ學校ニ頒ツ 凡ソ敎育ノ職ニ在ル者須ク常ニ聖意ヲ奉體シテ 硏磨薰陶ノ務ヲ怠ラサルヘク 殊ニ學校ノ式日及其他便宜日時ヲ定メ生徒ヲ會集シテ

勅語ヲ奉體シ 且意ヲ加エテ諄々誨告シ 生徒ヲシテ夙夜ニ佩スル所アラシム

明治二十三年十月三十一日 文部大臣 芳川顯正

JIS X 0208版

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朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン

斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽


常用漢字版

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朕惟フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ済セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ独リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン

斯ノ道ハ実ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ

明治二十三年十月三十日
御名御璽


新字新仮名版

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原文を新字新仮名、漢字平仮名混じり文に変換し、振り仮名と句読点を施す。

ちんおもうに、皇祖皇宗こうそこうそうくにはじむること宏遠こうえんに、とくつること深厚しんこうなり。臣民しんみんちゅうこうに、億兆おくちょうこころいつにして世々よよせるは、国体こくたい精華せいかにして、教育きょういく淵源えんげんまたじつここそんす。なんじ臣民しんみん父母ふぼこうに、兄弟けいていゆうに、夫婦ふうふ相和あいわし、朋友ほうゆう相信あいしんじ、恭倹きょうけんおのれをし、博愛はくあいしゅうおよぼし、がくおさめ、ぎょうならい、もっ智能ちのう啓発けいはつし、徳器とくき成就じょうじゅし、すすん公益こうえきひろめ、世務せいむひらき、つね国憲こっけんおもんじ、国法こくほうしたがい、一旦いったん緩急かんきゅうあれば義勇ぎゆうこうほうじ、もっ天壌無窮てんじょうむきゅう皇運こううん扶翼ふよくすべし。かくごときはひとちん忠良ちゅうりょう臣民しんみんたるのみならず、またもっなんじ祖先そせん遺風いふう顕彰けんしょうするにらん。

みちじつ皇祖皇宗こうそこうそう遺訓いくんにして、子孫しそん臣民しんみんとも遵守じゅんしゅすべきところこれ古今ここんつうじてあやまらず、これ中外ちゅうがいほどこしてもとらず、ちんなんじ臣民しんみんとも拳々服膺けんけんふくようして、みなそのとくいつにせんことを庶幾こいねがう。

明治めいじ二十三ねんがつ三十にち
御名御璽

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。