政府組織法

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茲ニ政府組織法ヲ發布シ以テ滿洲國ヲ統治スル國政ノ根本法ト爲ス本法ハ將來民意ヲ採取シ滿洲國憲法ヲ制定スルヲ俟テ直ニ之ヲ廢止ス此ニ令ス

執政  溥儀印

大同元年三月九日

國務總理  鄭孝胥

敎  令第一號

政府組織法

章    執      政

第  一  條  執政ハ滿洲國ヲ統治ス

第  二  條  執政ハ滿洲國ヲ代表ス

第  三  條  執政ハ全人民ニ對シテ責任ヲ負フ

第  四  條  執政ハ全人民之ヲ推擧ス

第  五  條  執政ハ立法院ノ翼贊ニ依リ立法權ヲ行フ

第  六  條  執政ハ國務院ヲ統督シテ行政權ヲ行フ

第  七  條  執政ハ法律ニ依リ法院ヲシテ司法權ヲ行ハシム

第  八  條  執政ハ公共ノ安寧福利ヲ維持增進シ又ハ法律ヲ執行スル爲命令ヲ發布シ又ハ發布セシム但シ命令ヲ以テ法律ヲ變更スルコトヲ得ス

第  九  條  執政ハ公安ヲ維持シ又ハ非常ノ災害ヲ防遏スル爲立法院ヲ召集スルコトヲ得サル場合ニ於テハ參議府ノ同意ヲ得テ法律ト同一ノ效力アル緊急敎令ヲ發布スルコトヲ得但シ此ノ敎令ハ次ノ會期ニ於テ立法院ニ報吿スヘシ

第  十  條  執政ハ官制ヲ定メ官吏ヲ任シ及其ノ俸給ヲ定ム但シ本法其ノ他ノ法律ニ依リ特ニ定メタルモノハ此ノ限ブ在ラス

第 十 一 條  執政ハ宣戰媾和及條約締結ノ權ヲ有ス

第 十 二 條  執政ハ陸空軍ヲ統率ス

第 十 三 條  執政ハ大赦特赦減刑及復權ヲ命ス

章    參  議  府

第 十 四 條  參議府ハ參議ヲ以テ之ヲ組織ス

第 十 五 條  參議府ハ左ノ事項ニ關シ執政ハ諮詢ヲ俟テ其ノ意見ヲ提出ス

  法      律

  敎      令

  豫      算

  列國交涉ノ條約約束並執政ノ名ニ於テ行フ對外宣言

  重要ナル官吏ノ任

  其ノ他重要ナル國務

第 十 六 條  參議府ハ重要ナル國務ニ關シ執政ニ意見ヲ提出スルコトヲ得

章    立  法  院

第 十 七 條  立法院ノ組織ハ別ニ法律ノ定ムル所ニ依ル

第 十 八 條  凡テ法律案及豫算案ハ立法院ノ翼贊ヲ經ルコトヲ要ス

第 十 九 條  立法院ハ國務ニ關シ國務院ニ建議スルコトヲ得

第 二 十 條  立法院ハ人民ノ請願ヲ受理スルコトヲ得

第二十一條  立法院ハ執政每年之ヲ召集ス

當會ノ會期ハ一個月トス但シ必要アル場合ハ執政之ヲ延長スルコトヲ得

第二十二條  立法院ハ總議員三分ノ一以上出席スルニ非レハ開會スルコトヲ得ス

第二十三條  立法院ノ議事ハ出席議員ノ過半數ヲ以テ之ヲ决ス

可否同數ナル時ハ議長ノ決スル所ニ依ル

第二十四條  立法院ノ會議ハ之ヲ公開ス但シ國務院ノ要求又ハ立法院ノ決議ニヨリ祕密會トスルコトヲ得

第二十五條  立法院ノ議決セル法律案及豫算案ハ執政之ヲ裁可公布施行セシム

立法院法律案又ハ豫算案ヲ否決セルトキハ執政ハ理由ヲ示シテ之ヲ再議ニ付シ仍ホ改メサルトキハ參議府ニ諮リテ其ノ可否ヲ採決ス

第二十六條  立法院議員ハ院內ニ於ケル言論及表決ニ關シ院外ニ於テ責任ヲ負フコトナシ

章    國  務  院

第二十七條  國務院ハ執政ノ命ヲ受ケ諸般ノ行政ヲ掌理ス

第二十八條  國務院ニ民政外交軍政財政實業交通及司法文敎ノ各部ヲ置ク

第二十九條  國務院ニ國務總理及各部總長ヲ置ク

第 三 十 條  國務總理及各部總長ハ何時タリトモ立法院會議ニ出席シ及發言スルコトヲ得但シ表決ニ加ハルコトヲ得ス

第三十一條  法律敎令軍令及國務ニ關スル敎書ハ國務總理及主管ノ各部總長之ニ副

章    法      院

第三十二條  法院ハ法律ニ依リ民事及刑事ノ訴訟ヲ審判ス

但シ行政訴訟其ノ他ノ特別訴訟ニ關シテハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

第三十三條  法院ノ構成及法官ノ資格ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

第三十四條  法官ハ獨立シテ其ノ職務ヲ行フ

第三十五條  法官ハ刑事又ハ戒ノ裁判ニ依ルノ外其ノ職ヲセラルルコトナシ又其ノ意ニ反シテ停職轉官轉所及減俸セラルルコトナシ

第三十六條  法院ノ對審判決ハ之ヲ公開ス但シ安寧秩序又ハ風俗ヲ害スルトキハ法律ニ依リ又ハ法院ノ決議ヲモッテ公開ヲ停止スルコトヲ得

章    監  察  院

第三十七條  監察院ハ監察及審計ヲ行フ

監察院ノ組織及職務ニ關シテハ法律ヲ以テ之ヲ定ム

第三十八條  監察院ニ監察官及審計官ヲ置ク

第三十九條  監察官及審計官ハ刑事裁判若ハ戒處分ニ依ルノ外其ノ職ヲセラルルコトナシ又其ノ意ニ反シテ停職轉官轉所及減俸セラルルコトナシ

附      則

第 四 十 條  本法ハ大同元年三月九日ヨリ施行ス

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