希伯來書(明治元訳) 第一章

提供:Wikisource

第一章[編集]

1 かみむかしおほく區別わかちをなしおほくはうをもて預言者よげんしや(※1)により列祖せんぞたちつげたまひしが
2 この末日すゑのひにはそのより我儕われらつげたまへりかみかれたて萬物よろづのものよつぎとしかつかれをもろもろ世界せかいつくりたり
3 かれかみさかえ光輝かがやきそのしつ眞像かたにておの權能ちからことばをもて萬物よろづのもの扶持たもちわれらのつみきよめをなして上天たかきところいま威光ゐくわうみぎしぬ
4 かれうけてん使者つかひよりもまされるごと彼等かれらよりはまされり
5 そはてん使者つかひたちうちなるたれかつ如此かくいへるなんぢはわがなりわれ(※2)今日けふなんぢをうめりとまたわれかれためちちとならんかれわがためになるべしと
6 また冢子うひごいらしむるときいひたまへるはかみすべて使者つかひみなこれにひざまづくべし
7 また使者つかひたちついてはかれその使者つかひたちかぜとなしそのつかはるるもの火焰ほのほ(※3)となすといへ
8 そのいへるはかみなんぢくらゐ世々よよおよなんぢくにつゑただしつゑなり
9 なんぢあいあくにくこのゆゑかみすなはちなんぢかみ喜樂よろこびあぶらなんぢともよりもまさりてなんぢそそげ
10 またいはしゆなんぢ元始はじめもとゐてんなんぢわざなり
11 此等これらほろびされなんぢつねたもた此等これらすべころもごとふるびん
12 なんぢこれらをうはぎごとたたまた彼等かれら(※4)はかはらんされなんぢかはることなしなんぢよはひをはらざるなり
13 使者つかひたちうちなるたれなんぢてきなんぢ足凳あしだいとなすまでわがみぎすべしとかついひたまへることありしや
14 すべてん使者つかひすくひつがんとするものつかへんためつかはさるるれいあらずや

※1 明治14(1881)年版では「預言者」のルビが「よげんじや」。
※2 明治14(1881)年版では「われ」→「われ」。
※3 明治14(1881)年版では「火焰ほのほ」→「火燄ほのほ」。
※4 明治14(1881)年版では「彼等かれら」→「かれら」。