大学等への死体交付に関する法律
大学等への死体交󠄄付に関する法律をここに公󠄃布する。
御名 御璽
昭和二十二年九月二十二日
內閣総理大臣 片山 哲
法律第百十号
第一條 昭和二十二年厚生省令第一号(死因不明死体の死因調査に関する件)に基き監察医が檢案又󠄂は解剖をなした死体であつて、死因調査終󠄃了後も、なお引取者がないものについては、都道󠄃府県知事は、医学又󠄂は歯学に関する学校󠄃敎育法若しくは大学令による大学(大学の学部を含む。)又󠄂は専門学校󠄃令による専門学校󠄃の長(以下学校󠄃長という。)から、医学又󠄂は歯学の敎育のため交󠄄付の要󠄃求があつたときは、これを交󠄄付することができる。
第二條 前󠄃條の規定によつて死体の交󠄄付を受けた学校󠄃長は、その死体について、監察医が檢案を開始した後、四十八時間以內に、引取者から引渡の要󠄃求があつたときは、これを引取者に引き渡さなければならない。
第三條 第一條の規定によつて交󠄄付を受けた死体について、前󠄃條に規定する期間內に、引取者から引渡の要󠄃求がないときは、学校󠄃長は、これを解剖させ、又󠄂は標本とすることができる。
第四條 第二條に規定する期間を経過󠄃した後においても、死者の相続人その他死者と相当の関係のある引取者から要󠄃求があつたときは、学校󠄃長は、特別の事情󠄃のない限り、その死体の全󠄃部又󠄂は一部をその引取者に引き渡さなければならない。
第五條 第一條の規定によつて学校󠄃長に交󠄄付する死体についても、行旅󠄃病人及行旅󠄃死亡人取扱法に規定する市町村長は、遲滯なく同法所󠄃定の手続を行わなければならない。但し、同法第七條に規定する埋火葬については、この限りでない。
第六條 学校󠄃長は、交󠄄付を受けた死体の取扱に当つては、特に礼󠄃意を失わないことに注意しなければならない。
第七條 学校󠄃長は、第一條の規定によつて交󠄄付を受けた死体については、行旅󠄃病人及行旅󠄃死亡人取扱法第十一條及び第十三條の規定にかかわらず、その運󠄃搬に関する諸費、埋火葬に関する諸費及び墓標費であつて、死体の交󠄄付を受ける際及びその後に要󠄃したものを、負担しなければならない。
附則
この法律は、公󠄃布の日から、これを施行する。
この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)
この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。