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地方官假官制

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地方官假官制別冊之通之ヲ定ム
明治二十八年六月二十八日

臺灣總督子爵樺山資紀

官制々定ノ要點

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從前當地方ノ制度ハ複級制ニシテ府ノ下ニ縣廳アリテ洽モ我地方制度ノ如シ然シ𪜈今ヤ兵馬倥傯ノ際ニシテ地方行政ノ如キハ務メテ簡易ヲ主トセサルヘカラ故ニ本案ニ於テハ縣ヲ次テ直ニ町村ヲ統轄セシメ縣下必要ノ場所ニハ支廳ヲ置クヲ目的トス例セハ臺北縣下ニ宜蘭基隆新竹ノ三支廳ヲ置キ舊淡水縣ノ地ハ臺北縣ニテ直轄シ滬尾ニ事務所ヲ設ケ事務ヲ措理スルノ類ナリ又其他ハ總テ內地ノ制度ヲ標準ト爲セリ

地方官假官制

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第一條

臺灣ニ左ノ三縣ヲ置ク
其位置及管轄區域ハ別ニ之ヲ定ム
臺北縣
臺灣縣
臺南縣

第二條

澎湖列島ニ島廳ヲ置ク

第三條

縣內須要ノ地ニ支廳ヲ置ク
支廳ノ位置及其管轄區域ハ別ニ之ヲ定ム

第四條

各縣ニ左ノ職員ヲ置ク
知事
書記官
警部長
參事官
技師
警部
技手

第五條

知事ハ一人勅任トス

第六條

書記官警部長參事官ハ各一人奏任トス

第七條

技師ハ奏任トス

第八條

屬警部技手ハ判任トス

第九條

知事ハ總督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政及司法事務ヲ管理ス
但重罪事件ニ關シテハ總督ノ認可ヲ經テ之ヲ執行ス

第十條

知事ハ部內ノ行政及司法事務ニ付其職權若クハ特別ノ委任ニ依リ管內一般又ハ其一部ニ縣令ヲ發スルコトヲ得

第十一條

知事ハ支廳長ノ處分若クハ命令ノ成規ニ違ヒ公益ヲ害シ又ハ權限ヲ犯スモノアルト認ムルトキハ其處分若クハ命令ヲ取消シ又ハ停止スルコトヲ得

第十二條

知事ハ所部ノ官吏ヲ監督シ奏任官ノ功過ハ總督ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ專行ス

第十三條

知事ハ所部ノ奏任官ノ懲戒ヲ總督ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス

第十四條

知事ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得

第十五條

知事事故アルトキハ書記官其職務ヲ代理ス
前項ノ場合ニ於テハ書記官事故アルトキハ總督ニ於テ縣高等官ノ一人ヲシテ知事ノ職務ヲ代理セシム

第十六條

知事ハ縣ノ官吏ヲシテ其事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第十七條

知事ハ其職權ニ屬スル事務ノ一部ヲ支廳長ニ代理セシムルコトヲ得

第十八條

各縣ニ知事官房ヲ置キ左ノ事務ヲ掌ラシム
官吏ノ進退及身分ニ關スル事項
文書ノ接受發送ニ關スル事項
官印縣印ノ管守ニ關スル事項
記錄編輯統計報吿及簿書保存ニ關スル事項
外國人ニ關スル事項

第十九條

各縣ニ左ノ二部ヲ置ク
內務部
警察部

第二十條

內務部ニ於テハ町村、收稅、土木、地理、殖產、學務、會計、民事ニ關スル司法裁判ノ事務其他ノ庶務ヲ掌ル

第二十一條

警察部ニ於テハ高等警察行政警察監獄衞生及刑事ニ關スル司法裁判ノ事務ヲ掌ル

第二十二條

書記官ハ內務部長、警部長ハ警察部長トナリ知事ノ命ヲ承ケ部下ノ官吏ヲ指揮監督シ所部ノ事務ヲ掌理ス

第二十三條

書記官事故アルトキハ知事ニ於テ廳中高等官ノ一人ヲシテ其事務ヲ代理セシメ警部長參事官事故アルトキハ知事ニ於テ所部ノ上席官吏ヲシテ其事務ヲ代理セシム

第二十四條

參事官ハ知事ノ命ヲ承ケ審査立案ヲ掌ル
參事官ハ知事ノ命ヲ承ケ內務部ノ課長トナリ又ハ臨時部課ノ事務ヲ助クルコトアルヘシ

第二十五條

知事ハ各部ニ分課ヲ定メ總督ニ報吿スヘシ

第二十六條

內務部ノ各課長ハ屬ヲ以テ之ニ充ツ但技師又ハ技手ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得

第二十七條

警察部ニ課長ヲ置クトキハ警部ヲ以テ之ニ充ツ

第二十八條

屬ハ內務部各課及知事官房ニ分屬シ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス

第二十九條

警部ハ警察部、警察署、警察分署又ハ監獄署、監獄支署ニ屬シ上官ノ指揮ヲ受ケ事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス

第三十條

管內須要ノ地ニ警察署又ハ警察分署ヲ配置ス但其位置及管轄區域ハ總督ノ認可ヲ經テ知事之ヲ定ム

第三十一條

各縣ニ一監獄署ヲ置ク但總督ノ認可ヲ經テ須要ノ地ニ監獄支署ヲ置クコトヲ得

第三十二條

警察署長、警察分署長、監獄署長及監獄支署長ハ警部ヲ次テ之ニ充ツ
警察署長、警察分署長、監獄署長及監獄支署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ其署主管ノ事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ監督ス

第三十三條

巡査ニ關スル規程ハ別ニ之ヲ定ム

第三十四條

各縣ニ縣醫ヲ置ク
縣醫ノ待遇ハ奏任若クハ判任トス上官ノ命ヲ承ケ醫療及衞生事務ニ從事ス

第三十五條

各支廳ニ左ノ職員ヲ置ク
支廳長

第三十六條

支廳長ハ奏任トス知事ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ部內ニ執行シ部內ノ行政及司法事務ヲ掌理ス部下ノ官吏ヲ監督ス
但重罪事件ニ關シテハ知事ノ指揮ヲ承クヘシ

第三十七條

支廳長ハ法律命令ニ依リ若クハ知事ヨリ委任セラレタル事件ニ付支廳令ヲ發スルコトヲ得

第三十八條

支廳長事故アルトキハ上席ノ判任官其職務ヲ代理ス

第三十九條

支廳長ハ支廳ノ官吏ヲシテ其事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第四十條

支廳屬ハ判任トス

第四十一條

支廳屬ハ支廳長ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス

第四十二條

支廳長ハ支廳管轄內ニ於ケル警察事務ニ就キ警察署長及警察分署長ヲ指揮監督ス

第四十三條

澎湖島廳ニ左ノ職員ヲ置ク
島司
警部

第四十四條

島司ハ奏任トス
島司ハ總督ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ部內ニ執行シ部內ノ行政及司法事務ヲ掌理ス部下ノ官吏ヲ監督ス
但重罪事件ニ關シテハ總督ノ指揮ヲ承クヘシ

第四十五條

島司ハ法律命令ニ依リ又ハ特ニ委任セラレタル事件ニ付島廳令ヲ發スルコトヲ得

第四十六條

島司ハ島廳屬及警部ノ任免ヲ總督ニ具申スルコトヲ得

第四十七條

島司事故アルトキハ上席判任官其職務ヲ代理ス

第四十八條

島司ハ島廳ノ官吏ヲシテ其事務ノ一部ヲ臨時代理セシムルコトヲ得

第四十九條

島廳屬及警部ハ判任トス

第五十條

島廳屬ハ上官ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス

第五十一條

島廳所轄地內ニ警察署監獄署各一署ヲ置ク

第五十二條

島廳警部ハ警察署又ハ警察分署ニ分屬シ上官ノ命ヲ承ケ警察事務ニ從事シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス

第五十三條

島廳ニ島廳醫ヲ置ク
島廳醫ノ待遇ハ奏任若クハ判任トス
島廳醫ハ上官ノ命ヲ承ケ島廳ノ醫療及衞生事務ニ從事ス

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。