地方学事通則 (明治23年法律第89号)

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朕地方学事通則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム



明治二十三年十月二日

内閣総理大臣 伯爵山県有朋
文部大臣   芳川顕正


法律第八十九号

地方学事通則

第一条 町村ハ教育事務ノ為勅令ノ規程ニ依リ町村学校組合ヲ設ク

町村学校組合ニハ町村制第百十七条ヲ適用ス

第二条 市町村及町村学校組合ハ勅令ノ規程ニ依リ小学校教育事務ノ為之ヲ数区ニ分画ス

前項ノ場合ニ於テ其区ニ区会若クハ区総会ノ設ナキトキハ市制第百十三条町村制第百十四条ノ規程ヲ適用ス

一区若クハ数区ヲシテ専ラ使用セシムル小学校ニ関シテハ其区内ニ住居シ若クハ滞在シ又ハ土地家屋ヲ所有シ営業(店舗ヲ定メサル行商ヲ除ク)ヲナス者ニ於テ設立維持ヲ負担スヘシ但其区ノ所有財産アルトキハ其収入ヲ以テ先ツ其費用ニ充ツヘシ

市制第六十条町村制第六十四条ノ区長並其代理者ハ命令ノ定ムル所ニ従ヒ其区ニ属スル国ノ教育事務ヲ補助執行ス

第三条 教育事務ニ関シテハ市町村内ノ区及町村学校組合若クハ其区ニ対シ市若クハ町村ニ関スル法律ノ規程ヲ適用スルコトヲ得

第四条 町村及町村学校組合若クハ其区ハ郡長ノ指定ニ従ヒ他町村又ハ町村学校組合若クハ其区ノ児童教育事務ノ委託ニ応スヘシ

第五条 町村学校組合ヲ解ク場合町村学校組合内ノ某町村ヲシテ其小学校数校中ノ一校若クハ若干校ノ設立維持ヲ一町村限リ負担セシムル場合又ハ町村学校組合内ノ某町村ヲシテ児童教育事務ノ委託ヲ一町村限リ負担セシムル場合ニ於テ財産処分ニ付関係町村ノ協議整ハサルトキハ郡参事会ニ於テ之ヲ議決スヘシ

児童教育事務ノ委託ニ対スル報酬金ノ給否金額及其他必要ノ事項ニ付関係町村ノ協議整ハサルトキモ亦前項ノ例ニ依ル

第六条 府県郡市町村及町村学校組合ハ教育事務ノ為勅令ノ定ムル所ニ依リ学務委員ヲ置クヘシ

市町村内若クハ町村学校組合内ノ区ハ小学校教育事務ノ為勅令ノ定ムル所ニ依リ学務委員ヲ置クコトヲ得

第七条 市町村立学校長其他校員学務委員及区長並其代理者等ノ執行スル国ノ教育事務ハ市制第三十一条第二本文町村制第三十三条第二本文ニ依ルノ限ニ在ラス

第八条 府県郡市町村吏員ニ対スル懲戒処分ニシテ国ノ教育事務取扱ニ関スルモノニ就キテハ其懲戒ノ規程ハ勅令ノ定ムル所ニ依ル

第九条 府県郡市町村町村学校組合及市町村内若クハ町村学校組合内ノ区ハ学校基本財産ヲ設クルコトヲ得

学校基本財産ハ単ニ某学校ノ為之ヲ設ケ又ハ通シテ数学校ノ為之ヲ設クルコトヲ得

学校基本財産ノ廃設並支消売却交換譲渡質入書入ハ監督官庁ノ許可ヲ受クヘシ

学校基本財産ノ収入ヲ教育ニ関スル目的ノ外ニ使用スルトキハ監督官庁ノ許可ヲ受クヘシ

第十条 府県郡市町村町村学校組合及市町村内若クハ町村学校組合内ノ区ハ教育ニ関スル寄附金等アルトキハ学校基本財産トナスヘシ但寄附者其使用ノ目的ヲ定ムルモノハ此限ニ在ラス

公立学校ノ授業料入学試験料書器使用料等ハ学校基本財産トナスコトヲ得

府県郡ハ歳出ノ残余ヲ以テ学校基本財産トナシ又ハ特ニ歳入ノ幾分ヲ増加シテ学校基本財産トナスコトヲ得

第十一条 従前学校ノ為設ケタル積立金等ニシテ市制第八十一条町村制第八十一条ニ依リ市町村基本財産ニ加入シタルモノハ本法実施後二年間ハ府県郡参事会ノ許可ヲ受ケ之ヲ区分シテ学校基本財産トナスコトヲ得

第十二条 府県制郡制市制町村制ニ規定シタル内務大臣ノ職務及関係ハ教育ニ関スル事項ニ就キテハ内務文部両大臣ニ属スルモノトス

第十三条 本法ハ市制町村制ヲ施行シタル府県ニ施行スルモノトス其施行ノ時期ハ府県知事ノ具申ニ依リ文部大臣之ヲ定ム


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