たゆふすは皆かしにいで露ばかり。跡に苅萱、桔梗屋の、その庭面も秋くれば、時に尾花や女郎花、廓景色と打ちつれて。しやんと小褄を鳥兜、おのが頼り風寄り添ひて、咲き乱れたる萩薄。その手にからむ朝顔の。東雲方の朝嵐、空も匂ふか秋の七草。
- 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』中、武蔵野書院、1975年。
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