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國家總動員法 (昭和十六年法律第十九号)

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朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル國家總動員法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

昭和十三年三月三十一日

內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
外務大臣 廣田宏毅
海軍大臣 米內光政
司法大臣 鹽野季彥
陸軍大臣 杉山元
遞信大臣 永野柳太郞
大藏大臣 賀屋興宣
農林大臣 伯爵 有馬賴寧
商工大臣 吉野信次
鐵道大臣 中島知久平
拓務大臣 大谷尊由
文部大臣兼
厚生大臣
侯爵 木戶幸一
內務大臣 末次信正


法律第五十五號(官報 四月一日)

國家總動員法

第一條 本法ニ於テ國家總動員トハ戰時(戰爭ニ準ズベキ事變ノ場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)ニ際シ國防目的達成ノ爲國ノ全力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル樣人的及物的資源ヲ統制運用スルヲ謂フ

第二條 本法ニ於テ總動員物資トハ左ニ揭グルモノヲ謂フ

、艦艇、彈藥其ノ他ノ軍用物資
國家總動員上必要ナル被服、食糧、飮料及飼料
國家總動員上必要ナル醫藥品、醫療機械具其ノ他ノ衞生用物資及家畜衞生用物資
國家總動員上必要ナル船舶、航空機、車輛、馬其ノ他ノ輸送用物資
國家總動員上必要ナル通信用物資
國家總動員上必要ナル土木建築用物資及照明用物資
國家總動員上必要ナル燃料及電力
前各號ニ揭グルモノノ生產、修理、配給又ハ保存ニ要スル原料、材料、機械具、裝置其ノ他ノ物資
前各號ニ揭グルモノヲ除クノ外勅令ヲ以テ指定スル國家總動員上必要ナル物資

第三條 本法ニ於テ總動員業務トハ左ニ揭グルモノヲ謂フ

總動員物資ノ生產、修理、配給、輸出、輸入又ハ保管ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル運輸又ハ通信ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル金融ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル衞生、家畜衞生又ハ救護ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル敎育訓ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル試驗硏究ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル情報又ハ啓發宣傳ニ關スル業務
國家總動員上必要ナル警備ニ關スル業務
前各號ニ揭グルモノヲ除クノ外勅令ヲ以テ指定スル國家總動員上必要ナル業務

第四條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ帝國臣民ヲ徵用シテ總動員業務ニ從事セシムルコトヲ得但シ兵役法ノ適用ヲ妨ゲズ

第五條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ帝國臣民及帝國法人其ノ他ノ團體ヲシテ國、地方公共團體又ハ政府ノ指定スルノ行フ總動員業務ニ付協力セシムルコトヲ得

第六條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ從業ノ使用、雇入若ハ解雇、就職、従業若ハ退職又ハ賃金、給料其ノ他ノ從業條件ニ付必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第七條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ勞働爭議ノ豫防若ハ解決ニ關シ必要ナル命令ヲ爲シ又ハ作業所ノ閉鎖、作業若ハ勞務ノ中止其ノ他ノ勞働爭議ニ關スル行爲ノ制限若ハ禁止ヲ爲スコトヲ得

第八條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ物資ノ生產、修理、配給、讓渡其ノ他ノ處分、使用、消費、所持及移動ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第九條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ輸出若ハ輸入ノ制限若ハ禁止ヲ爲シ、輸出若ハ輸入ヲ命ジ、輸出稅若ハ輸入稅ヲ課シ又ハ輸出稅若ハ輸入稅ヲ增課若ハ減スルコトヲ得

第十條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員物資ヲ 使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フヲシテ之ヲ使用若ハ收用若ハ收用セシムルコトヲ得

第十一條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ會ノ設立、資本ノ增加、合併、目的變更、債ノ募集若ハ第二回以後ノ株金ノ拂込ニ付制限若ハ禁止ヲ爲シ、會ノ利益金ノ處分、償却其ノ他經理ニ關シ必要ナル命令ヲ爲シ又ハ銀行、信託會、保險會其ノ他勅令ヲ以テ指定スルニ對シ資金ノ運用、債務ノ引受若ハ債務ノ保證ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第十二條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ總動員業務タル事業ヲ營ム會ノ當該事業ニ屬スル設備ノ費用ニ充ツル爲ノ債ノ募集ニ付商法第二百九十七條ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得

第十三條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員業務タル事業ニ屬スル工場、事業場、船舶其ノ他ノ施設又ハ之ニ轉用スルコトヲ得ル施設ノ全部又ハ一部ヲ管理、使用又ハ收用スルコトヲ得

政府ハ前項ニ揭グルモノヲ使用又ハ收用スル場合ニ於テ勅令ノ定ムル所ニ依リ其ノ從業ヲ供用セシメ又ハ當該施設ニ於テ現ニ實施スル特許發明若ハ登錄實用新案ヲ實施スルコトヲ得

政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員業務ニ必要ナル土地若ハ家屋其ノ他ノ工作物ヲ管理、使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フヲシテ之ヲ使用若ハ收用スルコトヲ得

第十四條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ鑛業權、砂鑛權及水ノ使用ニ關スル權利ヲ使用若ハ收用シ又ハ總動員業務ヲ行フヲシテ特許發明及登錄實用新案ヲ實施セシメ若ハ鑛業權、砂鑛權及水ノ使用ニ關スル權利ヲ使用セシムルコトヲ得

第十五條 前二條ノ規定ニ依リ政府ノ收用シタルモノ不用ニ歸シタル場合ニ於テ收用シタル時ヨリ十年內ニ拂下グルトキ又ハ第十三條第三項ノ規定ニ依リ總動員業務ヲ行フノ收用シタルモノ收用シタル時ヨリ十年內ニ不用ニ歸シタルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ舊所有若ハ舊權利又ハ其ノ一般承繼人ハ優先ニ之ヲ買受クルコトヲ得

第十六條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ニ屬スル設備ノ新設、擴張若ハ改良ヲ制限若ハ禁止シ又ハ總動員業務タル事業ニ屬スル設備ノ新設、擴張若ハ改良ヲ命ズルコトヲ得

第十六條ノ二 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ニ屬スル設備又ハ權利ノ讓渡其ノ他ノ處分、出資、使用又ハ移動ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第十六條ノ三 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ事業ノ開始、委託、共同經營、讓渡、廢止若ハ休止又ハ法人ノ目的變更、合併若ハ解散ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第十七條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ同種若ハ異種ノ事業ノ事業主間ニ於ケル當該事業ニ關スル統制協定ノ設定、變更若ハ廢止ニ付認可ヲ受ケシメ、統制協定ノ設定、變更若ハ取消ヲ命ジ又ハ統制協定ノ加盟若ハ其ノ統制協定ニ加盟セザル事業主ニ對シ其ノ統制協定ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ得

第十八條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ同種若ハ異種ノ事業ノ事業主ニ對シ當該事業ノ統制又ハ統制ノ爲ニスル經營ヲ目的トスル團體又ハ會ノ設立ヲ命ズルコトヲ得

前項ノ命令ニ依リ設立セラルル團體ハ法人トス

第一項ノ命令ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル其ノ設立ヲ爲サザルトキハ政府ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得

第一項ノ團體成立シタルトキハ政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ當該團體ノ構成員タル資格ヲ有スルヲシテ其ノ團體ノ構成員タラシムルコトヲ得

政府ハ第一項ノ團體ニ對シ其ノ構成員(其ノ構成員ノ構成員ヲ含ム以下之ニ同ジ)ノ事業ニ關スル統制規程ノ設定、變更若ハ廢止ニ付認可ヲ受ケシメ、統制規程ノ設定若ハ變更ヲ命ジ又ハ其ノ構成員若ハ構成員タル資格ヲ有スルニ對シ團體ノ統制規程ニ依ルベキコトヲ命ズルコトヲ得

第一項ノ團體又ハ會ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第十八條ノ二 第十六條ノ二ノ規定ニ依リ設備若ハ權利ノ讓渡若ハ出資ヲ命ジ又ハ第十六條ノ三ノ規定ニ依リ事業ノ讓渡ヲ命ジタル場合ニ於テ讓渡又ハ出資ノ負擔スル債務ノ承繼及其ノ擔保ノ處理ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第十八條ノ三 第十六條ノ二ノ規定ニ依ル設備若ハ權利ノ讓渡若ハ出資、第十六條ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ讓渡若ハ法人ノ合倂又ハ第十八條第一項若ハ第三項ノ規定ニ依リ設立セラルル團體若ハ會ニ付テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ課稅標準ノ計算ニ關スル特例ヲ設ケ又ハ租稅ノ減ヲ爲スコトヲ得

第十九條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ價格、運送賃、保管料、保險料、賃貸料 、加工賃、修繕料其ノ他ノ財產的給付 ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第二十條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ新聞紙其ノ他ノ出版物ノ揭載ニ付制限又ハ禁止ヲ爲スコトヲ得

政府ハ前項ノ制限又ハ禁止ニ違反シタル新聞紙其ノ他ノ出版物ニシテ國家總動員上支障アルモノノ發賣及頒布ヲ禁止シ之ヲ差押フルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ併セテ其ノ原版ヲ差押フルコトヲ得

第二十一條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ帝國臣民及帝國臣民ヲ雇傭若ハ使用スルヲシテ帝國臣民ノ職業能力ニ關スル事項ヲ申吿セシメ又ハ帝國臣民ノ職業能力ニ關シ檢査スルコトヲ得

第二十二條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ學校、養成所、工場、事業場其ノ他技能ノ養成ニ適スル施設ノ管理又ハ養成セラルベキノ雇傭主ニ對シ國家總動員上必要ナル技能ノ養成ニ關シ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得

第二十三條 政府ハ戰時ニ際シ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員物資ノ生產、販賣又ハ輸入ヲ業トスルヲシテ當該物資又ハ其ノ原料若ハ材料ノ一定數量ヲ保有セシムルコトヲ得

第二十四條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員業務タル事業ノ事業主又ハ戰時ニ際シ總動員業務ヲ實施セシムベキヲシテ戰時ニ際シ實施セシムベキ總動員業務ニ關スル計畫ヲ設定セシメ又ハ當該計畫ニ基キ必要ナル演ヲ爲サシムルコトヲ得

第二十五條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ總動員物資ノ生產若ハ修理ヲ業トスル又ハ試驗硏究機關ノ管理ニ對シ試驗硏究ヲ命ズルコトヲ得

第二十六條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ總動員物資ノ生產又ハ修理ヲ業トスルニ對シ豫算ノ範圍內ニ於テ一定ノ利益ヲ保證シ又ハ補助金ヲ交付スルコトヲ得此ノ場合ニ於テ政府ハ其ノニ對シ總動員物資ノ生產若ハ修理ヲ爲サシメ又ハ國家總動員上必要ナル設備ヲ爲サシムルコトヲ得

第二十七條 政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ第八條第十條第十三條第十四條若ハ第十六條ノ二ノ規定ニ依ル處分、第九條ノ規定ニ依ル輸出若ハ輸入ノ命令、第十一條ノ規定ニ依ル資金ノ融通、有價證券ノ應募、引受若ハ買入、債務ノ引受若ハ債務ノ保證ノ命令、第十六條ノ規定ニ依ル設備ノ新設、擴張若ハ改良ノ命令又ハ第十六條ノ三ノ規定ニ依ル事業ノ委託、讓渡、廢止若ハ休止若ハ法人ノ目的變更若ハ解散ノ命令ニ因リ生ジタル損失ヲ補償ス但シ第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラズ

總動員業務ヲ行フハ第十條、第十三條第三項又ハ第十四條ノ規定ニ依リ使用、收用又ハ實施ヲ爲ス場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生ジタル損失ヲ補償スベシ

第二十八條 政府ハ第二十二條第二十三條又ハ第二十五條ノ規定ニ依リ命令ヲ爲ス場合ニ於テハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ニ因リ生ジタル損失ヲ補償シ又ハ補助金ヲ交付ス

第二十九條 前二條ノ規定ニ依ル買受ノ價格ハ總動員補償委員會ノ議ヲ經テ政府之ヲ定ム

總動員補償委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第三十條 政府ハ第二十六條又ハ第二十八條ノ規定ニ依リ利益ノ保證又ハ補助金ノ交付ヲ受クル事業ヲ監督シ之ガ爲必要ナル命令又ハ處分ヲ爲スコトヲ得

第三十一條 政府ハ國家總動員上必要アルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ報吿ヲ徵シ又ハ當該官吏ヲシテ必要ナル場所ニ臨檢シ業務ノ狀況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得

第三十一條ノ二 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ十年以下ノ役又ハ五萬圓以下ノ罰金ニ處ス

第八條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル
第十九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル

第三十二條 第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ輸出又ハ輸入ヲ爲シ又ハ爲サントシタルハ三年以下ノ役又ハ一萬圓以下ノ罰金ニ處ス

前項ノ場合ニ於テ輸出又ハ輸入ヲ爲シ又ハ爲サントシタル物ニシテ犯人ノ所有シ又ハ所持スルモノハ之ヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得

第三十三條 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ三年以下ノ役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス

第七條ノ規定ニ依ル命令又ハ制限若ハ禁止ニ違反シタル
第九條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ輸出又ハ輸入ヲ爲サザル
第十條ノ規定ニ依ル總動員物資ノ使用又ハ收用ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌シタル
第十三條ノ規定ニ依ル施設、土地若ハ工作物ノ管理、使用若ハ收用又ハ從業ノ供用ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル

第三十四條 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ二年以下ノ役又ハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス

第十一條ノ規定ニ依ル制限若ハ禁止又ハ命令ニ違反シタル
第十六條ノ規定ニ依ル制限若ハ禁止又ハ命令ニ違反シタル
第十六條ノ二ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル
第十六條ノ三ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル
第十七條若ハ第十八條第五項ノ規定ニ違反シ認可ヲ受ケズシテ統制協定若ハ統制規程ヲ設定、變更若ハ廢止シ又ハ第十七條若ハ第十八條第五項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル
第二十三條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ保有ヲ爲サザル
第二十六條ノ規定ニ違反シ生產、修理又ハ設備ヲ爲サザル

第三十五條 前四條ノ罪ヲ犯シタルニハ情狀ニ因リ役及罰金ヲ併科スルコトヲ得

第三十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ一年以下ノ役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス

第四條ノ規定ニ依ル徵用ニ應ゼズ又ハ同條ノ規定ニ依ル業務ニ從事セザル
第六條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル

第三十七條 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ三千圓以下ノ罰金ニ處ス

第二十二條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル
第二十四條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ計畫ノ設定又ハ演ヲ爲サザル
第二十五條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ試驗硏究ヲ爲サザル

第三十八條 左ノ各號ノ一ニ該當スルハ千圓以下ノ罰金ニ處ス

第十八條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ團體又ハ會ノ設立ヲ爲サザル
第十八条第六項ノ規定ニ違反シタル
第三十條ノ規定ニ依ル命令又ハ處分ニ違反シタル
第三十一條ノ規定ニ依ル報吿ヲ怠リ又ハ虛僞ノ報吿ヲ爲シタル

第三十九條 第二十條第一項ノ規定ニ依ル制限又ハ禁止ニ違反シタルトキハ新聞紙ニ在リテハ發行人及編輯人、其ノ他ノ出版物ニ在リテハ發行ヲ二年以下ノ役若ハ禁錮又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス

新聞紙ニ在リテハ編輯人以外ニ於テ實際編輯ヲ擔當シタル及揭載ノ記事ニ名シタル前項ニ同ジ

第四十條 第二十條第二項ノ規定ニ依ル差押處分ノ執行ヲ妨害シタルハ六月以下ノ役若ハ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス

第四十一條 前二條ノ罪ニハ刑法併合罪ノ規定ヲ適用セズ

第四十二條 第三十一條ノ規定ニ依ル當該官吏ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタルハ六月以下ノ役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス

第四十三條 第二十一條ノ規定ニ違反シテ申吿ヲ怠リ又ハ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタルハ五十圓以下ノ罰金又ハ拘留若ハ科料ニ處ス

第四十四條 總動員業務ニ從事シタル其ノ業務遂行ニ關シ知得シタル當該官廳指定ノ總動員業務ニ關スル官廳ノ機密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキハ二年以下ノ役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス

公務員又ハ其ノ職ニ在リタル職務上知得シタル當該官廳指定ノ總動員業務ニ關スル官廳ノ機密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキハ五年以下ノ役ニ處ス

第四十五條 公務員又ハ其ノ職ニ在リタル本法ノ規定ニ依ル職務執行ニ關シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキハ二年以下ノ役又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス

第十八條第一項又ハ第三項ノ規定ニ依リ事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル團體又ハ會其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ爲ス法人其ノ他ノ團體ノ役員若ハ使用人又ハ其ノ職ニ在リタル其ノ業務執行ニ關シ知得シタル法人又ハ人ノ業務上ノ祕密ヲ漏泄又ハ竊用シタルトキ亦前項ニ同ジ

第四十六條 第十八條第一項又ハ第三項ノ規定ニ依リ事業ノ統制ヲ目的トシテ設立セラレタル團體又ハ會其ノ他本法ニ依ル命令ニ依リ統制ヲ爲ス法人其ノ他ノ團體ノ役員又ハ使用人其ノ擔當スル統制事務ニ關シ賄賂ヲ收受シ又ハ之ヲ要求若ハ約束シタルトキハ二年以下ノ役ニ處ス因テ不正ノ行爲ヲ爲シ又ハ相當ノ行爲ヲ爲サザルトキハ五年以下ノ役ニ處ス

前項ノ場合ニ於テ收受シタル賄賂ハ之ヲ沒收ス若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價格ヲ追徵ス

第四十七條 前條第一項ニ揭グルニ對シ賄賂ヲ交付、提供又ハ約束シタルハ二年以下ノ役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス

前項ノ罪ヲ犯シタル自首シタルトキハ其ノ刑ヲ減輕又ハ除スルコトヲ得

第四十八條 法人ノ代表又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業其ノ法人又ハ人ノ業務ニ關シ第三十一條ノ二乃至第三十四條第三十六條第二號第三十七條第三十八條又ハ第四十三條前段ノ違反行爲ヲ爲シタルトキハ行爲ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ對シ各本條ノ罰金刑又ハ科料刑ヲ科ス

第四十九條 前條ノ規定ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有スル法人ノ代表、代理人、使用人其ノ他ノ從業ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニモ之ヲ適用ス本法施行地ニ住所ヲ有スル人ノ代理人、使用人其ノ他ノ從業ガ本法施行地外ニ於テ爲シタル行爲ニ付亦同ジ

本法ノ罰則ハ本法施行地外ニ於テ罪ヲ犯シタル帝國臣民ニモ之ヲ適用ス

第五十條 本法施行ニ關スル重要事項(軍機ニ關スルモノヲ除ク)ニ付政府ノ諮問ニ應ズル爲國家總動員審議會ヲ置ク

國家總動員審議會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

附則

本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

軍需工業動員法及昭和十二年法律第八十八號ハ之ヲ廢止ス

本法施行前軍需工業動員法ニ基キテ爲シタル命令又ハ處分ハ之ヲ本法中ノ相當規定ニ基キテ爲シタルモノト看做ス

軍需工業動員法ニ違反シタルノ處罰ニ付テハ仍舊法ニ依ル



この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。