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国際連合安全保障理事会決議2321に対する日本の実施報告

提供:Wikisource

決議1718(2006)に従って設立された安全保障理事会委員会

2017年2月24日付国際連合日本政府代表部から委員会委員長に宛てられた口上書

国際連合日本政府代表部は、決議1718(2006)に従って設立された安全保障理事会に敬意を表するとともに、安全保障理事会決議2321(2016)第36項に従って、決議2321(2016)の日本政府の国別報告書を委員会に提出する光栄を有する(附属書参照)。


2017年2月24日付国際連合日本政府代表部から委員会委員長に宛てられた口上書の附属書

決議2321(2016)第36項に従って作成された安全保障理事会への報告

1. 日本の基本的立場

朝鮮民主主義人民共和国の核実験と弾道ミサイル発射は許されざる無法な行為であり、全く受け入れられない。2016年9月9日の核実験と2016年の20以上の弾道ミサイル発射の一連の流れが、日本を含む国際社会全体に対する新たな段階の脅威となっている。朝鮮民主主義人民共和国に核実験と弾道ミサイル発射は、安全保障理事会決議に関して甚だしく繰り返し違反しており、核不拡散条約を中心とした国際的軍縮・核不拡散体制への重大な挑戦である。

日本政府は、2016年9月9日の核実験と一連の弾道ミサイル発射に対応して、朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁を著しく強化する決議2321(2016)を全会一致で採択したことを高く評価している。この決議は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対して断固たる立場を表明する国際社会の決意をはっきりと示している。日本は、朝鮮民主主義人民共和国が国際社会の呼びかけに真剣に耳を傾け、いかなる挑発も控え、決議2321(2016)を含む安全保障理事会決議を完全に遵守することを強く求める。

日本政府は、決議1718(2006)、1874(2009)、2087(2013)、2094(2013)、2270(2016)、2321(2016)の措置を着実に実施しており、朝鮮民主主義人民共和国の拉致や核・ミサイル問題などの懸念事項の解決に向けて具体的な行動を取る。日本政府は、有効性を確保するための決議の全面的な実施に向け、加盟国と緊密に協力し続けるだろう。

日本政府は、決議1718(2006)に従って設立された安全保障理事会ならびに決議1874(2009)に従って設立された専門家パネルと引き続き緊密に協力することを再確認する。

2.決議2321(2016)に関する措置

決議2321(2016)を実施するために日本政府が講ずる措置は以下に記載されている。これに続いて、本報告書第3項に記されている新たに導入した自主的措置が実施される。現在、朝鮮民主主義人民共和国に対する既存の措置は、安全保障理事会に報告されている(S/AC.49/2006/10S/AC.49/2009/7S/AC.49/2013/7及びS/AC.49/2016/5参照)。

⒜ 金融措置
(i) 第3項

  • 日本政府は、決議2321(2016)附属書Ⅰ及びⅡで指定された11名の個人及び10の団体への金融資産の移転を防止するため、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)に基づく措置を導入した(2016年3月11日施行)。

(ii) 第31項

  • 決議2094(2013)、2270(2016)、2321(2016)に基づき、日本に朝鮮民主主義人民共和国の既存の駐在員事務所、子会社または銀行口座は存在しない。
  • 日本政府はまた、日本の金融機関に対し、朝鮮民主主義人民共和国に支店、子会社、代表事務所、銀行口座を開設しないよう正式に要請した。
  • 日本の団体による違反または過失は認められない。

(iii) 第32項

  • 日本政府は、外国為替及び外国貿易法に基づき、2006年10月14日以降朝鮮民主主義人民共和国からの輸入を禁止し、2009年6月18日以降朝鮮民主主義人民共和国への輸出を禁止した。これらの措置は、その目的や性質に関わらず、朝鮮民主主義人民共和国への供給、販売または移転、または朝鮮民主主義人民共和国からのいかなる品目の調達も防いできた。日本政府と日本の保険期間は、朝鮮民主主義人民共和国との貿易に金融サービスを提供していない。
  • 日本の団体による違反または過失は認められない。

(iv) 第33項

  • 日本政府は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)などの適用される国内法に従って、朝鮮民主主義人民共和国の銀行や金融機関の代理や指示を受けて働く個人と決定された者を追放する。

(v) 第35項

  • 日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国に対する自主的措置の一環として、朝鮮民主主義人民共和国を渡航先として日本を出発する者に対して、10万円を超える現金または同等のその他の支払い手段を持ち出す際に申告することを求めている。

⒝ 人の移動に関する措置
(i) 第3項及び第25項

  • 出入国管理及び難民認定法に基づき、日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国の核、弾道ミサイル、その他大量破壊兵器に関連するとして決議2321(2016)附属書Ⅰに指定された11名の個人による第25項に規定する方法での輸送を含むがこれに限らず、日本領への入国及び通過を防ぐ措置を導入した。

(ii) 第10項

  • 日本政府は、外国為替及び外国貿易法に基づき、核、弾道ミサイルまたはその他大量破壊兵器関係の技術訓練、助言、サービスまたは品目、資材、機器及び物資または技術の朝鮮民主主義人民共和国へのいかなる移動も防止するために必要な措置を既に講じている。
  • 2017年2月、日本政府は第10項で言及されるように、国内の大学、研究機関及びその他関連事業団体が専門的な教育や訓練の提供を控えるよう正式に要請した。
  • 日本の団体による違反または過失は認められない。

(iii) 第11項

  • 2017年2月、日本政府は、第11項で言及されるように、国内の大学、研究機関及びその他関連事業団体が科学技術協力を控えるよう正式に要請した。
  • 日本の団体による違反または過失は認められない。

(iv) 第15項及び第34項

  • 日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国に対する自主的な措置の一貫として、入国目的に関わらず、その国からの入国を禁止している。

⒞ 物品の移動や技術訓練、助言、サービス、援助の移転に関する措置
(i) 第4項、第5項、第7項、第26項、第28項、第29項及び第30項

  • 日本政府は、外国為替及び外国貿易法に基づき、2006年10月14日以降朝鮮民主主義人民共和国からの輸入を禁止し、2009年6月18日以降朝鮮民主主義人民共和国への輸出を禁止した。
  • これらの措置により、朝鮮民主主義人民共和国の目的や性質に関わらず、いかなる項目の供給、販売、移転、または調達を防止している。

(iv) 第13項

  • 日本に入国する全ての個人の手荷物及び預け荷物は検査を受けなければならない。
  • 加えて、日本政府は、決議2321(2016)により要求される場合には、適用される国内法に従って適切な措置を講ずる。

⒟ 海上及び航空輸送の制限
(i) 第8項、第9項及び第24項

  • 2017年1月、日本政府は朝鮮民主主義人民共和国に対する船舶または航空機のリースまたはチャーター、乗務員サービスを提供することを拒否するよう、関連する日本の団体に正式に要請した。
  • 日本政府は、2016年12月と2017年1月に、関連する日本の団体に対して、朝鮮民主主義人民共和国の船舶の登録、朝鮮民主主義人民共和国の国旗を使用する許可の取得、朝鮮民主主義人民共和国の国旗を掲げる船舶の所有、賃貸、運航または船舶分類、認証または関連サービスの提供、あるいは保険を控えるよう求めた。
  • 日本の団体による違反または過失は認められない。

(ii) 第12項

  • 2017年1月、日本政府は、制裁の対象となる個人及び団体との取引や協力を控えるよう、関連する日本の団体に正式に要請した。
  • 日本政府は、第12項に定める決議1718(2006)に従って設立された安全保障理事会委員会の要求に応じて、適用される国内法に従って適切な措置を講ずる。

(iii) 第20項

  • 日本政府は航空法(昭和27年法律第231号)に基づき、朝鮮民主主義人民共和国の航空機に、日本の領土への離着陸、上空の飛行を許可することを拒否する。

(iv) 第22項

  • 2016年12月、日本政府は、関連する日本の団体に対して朝鮮民主主義人民共和国によって所有、管理、運航されている船舶に保険または再保険サービスを提供することを控えるよう正式に要請した。

(v) 第23項

  • 2017年1月、日本政府は、関連する日本の団体に対して朝鮮民主主義人民共和国からの船舶及び航空機の乗務員の調達を控えるよう正式に要請した。

(vi) 第40項

  • 日本政府は、国際連合安全保障理事会決議1874(2009)を考慮して、国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法に基づき、関連する決議により供給、販売、移動または輸出が禁止されている品目の押収、処分を行う。

⒠ 朝鮮民主主義人民共和国の外交及び領事館の制限
(i) 第14項、第16項、第17項、第18項及び第19項

  • 日本は朝鮮民主主義人民共和国と外交関係はなく、朝鮮民主主義人民共和国の大使館や領事館は日本に存在しない。

3.日本政府の朝鮮民主主義人民共和国に対する最近の自主的な措置

日本政府は、これまでの安全保障理事会の報告(S/AC.49/2009/7S/AC.49/2013/7及びS/AC.49/2016/5参照)に記されているように、朝鮮民主主義人民共和国に対して自主的措置を講じている。次に述べるように2016年9月9日の核実験と一連の弾道ミサイル発射を含む朝鮮民主主義人民共和国の安全保障理事会決議の最近の違反は、日本に対する直接的かつ重大な脅威を構成し、日本政府は2016年12月2日、拉致や核・ミサイル問題などの懸念事項の包括的な解決に向けて、以下の追加措置を取ることを決定した。

⒜ 人の移動に関する措置に関し、日本政府は、

(i) 朝鮮民主主義人民共和国を渡航後再入国を禁止する対象となった日本在住の朝鮮民主主義人民共和国当局者を支援する立場の人の数を増やした。

(ii) 朝鮮民主主義人民共和国を渡航後再入国を禁止する対象となった日本在住の核・ミサイル技術に関する外国人専門家の数を増やした。

⒝ 日本政府は、過去に朝鮮民主主義人民共和国の港に寄港した全ての船舶の入国、過去に朝鮮民主主義人民共和国の港に寄港した日本船籍の船舶も含めて禁止した。

⒞ 日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル計画やその他の関連計画に関連して、資産凍結措置の対象となる団体及び個人の数を増やした。

訳注

[編集]
  • 便宜上、原文にあるDPRKは北朝鮮とした。
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この文書は、国際連合の公式文書であり、パブリックドメインの状態にあります。次の文書は、国際連合のAdministrative Instruction ST/AI/189/Add.9/Rev.2により、世界中でパブリックドメインの状態に置かれています(これは参考要旨です)。

  1. 国際連合の機関又は会議の手続に関する公式記録(議事録、付属機関・関連機関への報告書、決議集等)
  2. シンボルマークを付して公式に発表された国際連合の文書
  3. 国際連合の広報資料(主に国際連合の活動を周知するために作成された出版物、定期刊行物、パンフレット、プレスリリース、カタログ等。ただし販売されているものを除く。)
翻訳文:

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