哥林多後書(明治元訳) 第十二章

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第十二章[編集]

1 わがほこりもとよりえきなしいましゆ顯現けんげん默示もくしおよばん
2 われキリストにある一人ひとりものしれこのひとじふねんさきたづさへられてだいさんてんいたる(あるひ肉體にくたいありしかわれしらずあるひ肉體にくたいほかありしかわれしらずかみしりたまふ)
3 われこのひとしる(かれあるひ肉體にくたいありしかあるひ肉體にくたいほかありしかしらかみしりたまふ)
4 かれたづさへられて樂園パラダイスいたいふべからざることばすなはひとかたるまじきことばきけ
5 われかくのごとひとためほこるべしよわきことのほかみづかほこらず
6 われもしみづかほこらんとするともおろかなるものとならずそはまこといへばなりしかれどもひとわれみるところあるひわれきくところにすぎわれはからんことをおそるるによりほこることをとどむべし
7 またたまはりしあまた默示もくしよりたかぶることなからんためひとつとげ肉體にくたいあたすなはたかぶることなからんためわれうつサタンの使者つかひなり
8 われこれがためたびしゆこれわれよりさらんことをもとめたり
9 われいひたまひけるはめぐみなんぢにたれそはわがちからよわきおいまつたくなればなりこのゆゑむしよろこびて自己みづからよわきほこらんこれキリストのちからわれにやどらんためなり
10 これよりわれキリストのため懦弱よわき凌辱はづかしめ空乏ともしき迫害せめ患難なやみあふたのしみとせりそはわれよわときつよければなり
11 われほこるによりおろかなるものとなれり爾曹なんぢらわれをしひ如此かくなせりそはわれとるたらざるものなれどもすべてこともつともおほいなる使徒しとおとらずもとより爾曹なんぢらほめらるべきものなればなり
12 われ休徴しるし奇跡ふしぎなるわざ妙用ちからあるわざをもて爾曹なんぢらうちおほしのびて使徒しとしるしをなせり
13 爾曹なんぢらわづらはせざることほか爾曹なんぢらほか教會けうくわいなにおとところかあるねがはくはわがこの不義ふぎゆる
14 われいま第三次みたびめなんぢらにいたらんとてそなへせりまたなんぢらをわづらはせざらんとすそはわれ爾曹なんぢら所有ものもとめずただなんぢらをもとむればなりそれおやためたくはふべきものあらおやためたくはふべきものなり
15 われいよいよ爾曹なんぢらあいすればいよいよ爾曹なんぢらあいせられずされよろこびて爾曹なんぢら靈魂たましひためざいつひやつくすべし
16 されあるひといはわがなんぢらをわづらはせざるはたくみなるものなるにより詭計いつはり爾曹なんぢら牢籠とりこむるなりと
17 われ爾曹なんぢらつかはししものうちたれより爾曹なんぢらよりしや
18 われこひてテトスを爾曹なんぢらつかはまたかれととも我儕われら兄弟きやうだいをもつかはせりテトス爾曹なんぢらよりわれらおなじこころにてあゆまざりしやおなじあとあゆまざりし

19 爾曹なんぢらまた我儕われらみづから爾曹なんぢらいひわけするとおもふやわれキリストにありかみまへにいふあいするもの我儕われらおこなところみな爾曹なんぢらとくたてためなり
20 わがいたらんときわれ爾曹なんぢらみるおもひごとくならず爾曹なんぢらわれみるにも爾曹なんぢらおもひごとくならざらんことをおそるまた爭鬪あらそひ媢嫉ねたみ忿怒いかりあらそわかるること毀謗そしり讒言ざんげん驕矜たかぶり混亂さわぎなどのあらんことをおそ
21 またわがふたたいたらんときわがかみわれをして爾曹なんぢらうちはぢしめたまはんことをおそるまたわれおほくのひとつみをかしそのおこなひしところ汚穢けがれ姦淫かんいん放肆はうしなどのことくいあらためざるをうれへんことをおそ