修身教育ニ就キ訓示ノ件

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文部省訓令第九号

北海道庁 府県

第一 修身科ノ教育ニ於ケルハ神経ノ全身ニ貫通シ其ノ作用ヲ霊活ナラシムルニ同シク他ノ科目ト例視スヘキニアラス教員タルモノハ時ヲ以テ諄々訓告シ児童ノ年齢及男女ノ別ニ従ヒ都鄙ノ風習各地人文ノ発達及生活ノ程度ヲ察シ又各人各個ノ性質ニ依リ精密ナル注意ヲ用ヰ此ノ重要ナル教科ノ目的ヲ達スルコトヲ力ムヘシ故ニ修身ノ教ハ専ラ師道ニ由テ挙ルコトヲ得ヘク一篇ノ教科書ニ依頼シ数時間ノ誦読ヲ以テ満足スヘキニアラサルナリ因テハ教科書ハ教員ノ資料ヲ助クル為ニ必要トスヘシト雖地方ノ情況ニ従ヒ或ハ生徒ノ繁費ヲ省ク為ニ尋常小学校ニ在リテハ各市町村学務委員ノ意見ニ依リ生徒用教科書ヲ用ヰスシテ専ラ口授法ヲ用ヰルコトヲ妨ケサルヘシ

第二 教科書中ニ参照トシテ引挙スル所ノ古今ノ人ノ善行ハ児童ヲシテ観感興起セシムルノ益アリト雖或ハ矯激ニ流レ中庸ヲ失ヒ又ハ変ニ処スルノ権道ニシテ歴史上ノ美談ト為スヘキモ以テ教育上ノ常経ト為スヘカラサル者アリ各教員ハ教授ノ際普通教育ノ適当ナル範囲ニ注意シ及フタケ偏弊ヲ避クルヲ要ス

右訓令ス

明治二十六年八月二十三日文部大臣 井上毅


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