丹後流酒造り唄

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丹後流酒造り唄[編集]

丹後流杜氏が伝承する酒造り唄の歌詞

米洗い唄(かし場唄)[編集]

ハアー歌い出したはナアー 酒屋の倉でエー

(今朝も)寝声で 細ばーそーとー

返し

ハアー出したはナー 酒屋の倉でエー

寝声で ほーそーぼーそーと

           以下仝じ

今朝の寒いのに 洗場はどなた

(可愛い)殿御で なけりやよい

今朝のかし場は 三石七斗

(殿御)寝さして わしがかす

可愛い殿御の かし場の朝は

(水も)湯となれ 風吹くな

水も湯となれ 風吹くなよと

(言うて)くれるは 妻ばかり

酒屋さんにはまだ 灯が見える

(殿御)可愛や 夜ねずする

歌いなされや お歌いなされ

(歌うて)器量は 下りやせぬ

歌うて御気量が 若し下るなら

(元の)御気量に して返す

朝の掛りにや 何時かと思うた

(これが)終りか お目出たや

これが仕舞か 仕舞のかしか

(かしに)神楽を あげましょか

かしに神楽を 挙げますれば

(殿の)御家は 大神楽

※吉田酔痴編『日本酒造り唄集』(伏見酒造組合、昭和41年6月 P.16~17 )

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。