ヨハネの神聖なる黙示(新契約聖書) 第十章

提供:Wikisource
  • : この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語ルビ」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

第十章[編集]

1 また我は天より雲を纒ひ、その頭に虹をもちたる、別の强き天使の降り來るを見たり。またその顏は陽の如く、またその足は火の柱の如し。
2 また彼はその手に開きたる小卷物を持てり、また彼は右なるその足を海の上にまた左なるを地の上に置けり。
3 また獅子の吼ゆるが如く大聲に叫べり、またその叫びしとき七つの雷己自らの聲をものがたれり。
4 また七つの雷の己自らの聲をものがたりしときわれ將に書き錄さんとせり。然るに我は天より我に、七つの雷のものがたれる事を封じて、それを書き錄す勿れ、と云ひ給ふ聲を聞けり。
5 また海の上と地の上とに立つを、我が見しかの天使、〔右なる〕その手を天に舉げたり。
6 かくて彼は天とそのうちの物、また地とそのうちの物、また海とそのうちの物を創造し給ひし、世々の世々に至るまで生き給ふ者を指して誓へり、もはや時はなかるべし、
7 されど第七の天使の聲の日に、その將に喇叭を吹かんとするときに、神の奧義は、彼が豫言者なる己自らの奴僕等に、福音を宜傳へ給ひし如く完うせらるべしと。

8 また我が聞きし天よりの聲、復た我とものがたり、且つ云ひ給ひけるは、往け、海の上と地の上とに立つ天使の手にある、かの開かれたる小卷物を取れ。
9 乃ちわれかの天使の許に往き、彼に云ひけるは、その小卷物を我に與へよ。かくて彼われに云ふ、取れ、且つこれを喰ひ盡くせ、されば汝の腹を苦くならしめん、されど汝の口に在るときは蜜の如く甘からん。
10 乃ちわれその天使の手より小卷物を取れり、かくてそれを喰ひ盡せり。然るにその我が口に在るうちは蜜の如く甘かりき、またそれを喰ひしとき、我が腹苦くなりたり。
11 また彼われに云ふ、必ず汝は復たもろもろの民と國人と言葉と多くの王等とに就きて、豫言せざるべからず。