ヨハネの神聖なる黙示(新契約聖書) 第十九章

提供:Wikisource
  • : この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語ルビ」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

第十九章[編集]

1 また此等の事の後、われ天にて大なる群衆の大聲〔の如きもの〕を聞けり、云ひけるは、ハレルヤ、救と榮光と敬と力とは、主に、我等の神に〔あれ〕。
2 そはその裁は眞且つ義なればなり、そは彼は淫行をもて地を腐敗せしめたる、かの大なる淫婦を裁き給ひ、且つ彼の手にて〔流しし〕、己が奴僕等の血の讎を復し給ひたればなり。
3 また再び謂へり、ハレルヤ、かくて彼の煙は世々の世々に至るまで立ち上らん。
4 またかの二十有四の長老等と四つの生き物と伏せり、かくて位に坐し給ふ神に平伏して、云ひけるは、アメン、ハレルヤ。
5 また聲、位より出で來れり、云ひ給ひけるは、すべて彼の奴僕、また彼を畏るる者、また小なる者、また大なる者等よ、我等の神を讃めまつれ。
6 またわれ大なる群衆の聲の如く、また多くの水の聲の如く、また强き雷の聲の如きものを聞けり、云ひけるは、ハレルヤ、そは主、全能の〔我等の〕神は王たり給へばなり。
7 我等喜び且つ歡ばん、また彼に榮光を歸しまつらん、そは羔の婚姻は來り、且つその妻己自らを備へたればなり。
8 また彼、〔妻は身に〕纒はんために、淨くして輝ける麻の細布を與へられたり、そはこの麻の細布は聖徒等の完うせられたる義なればなり。

9 また彼われに云ふ、書き記せ、羔の婚姻の晩餐に召されたる人々は福なる者なり。また彼われに云ふ、此等は神の眞なる言なり。
10 乃ちわれ彼に平伏さんとて、その足の前に伏したり、然るに彼われに云ふ、觀よ、〔然する〕勿れ、我もイエスの證をもつ汝、及び汝の兄弟等の侶なる奴僕なり、神に平伏せ。そはイエスの證は豫言の靈なればなり。

11 またわれ開かれたる天を見しに、見よ、白き馬〔あり〕、またその上に坐し給ふ者は信、また眞と稱へられ、且つ義をもて裁き、また軍し給ふ。
12 また彼の目は火の焰の如く、またその頭の上には多くの王冠〔ありて〕、彼にあらざれば誰も知ることなき錄せる名あり。
13 また彼は血に浸されたる衣を纒ひ、またその名を神の言と稱へられ給ふ。
14 また天に在る軍勢は白き馬の上に〔坐し〕、白く且つ淨き麻の細布を着て彼に從へり。
15 また利き長劒、彼の口より出で往く、卽ちこれをもて國人等を撃ち給ひ、また鎖の杖をもて彼等を牧し給ふ、また彼は全能の神の怒と恚の葡萄酒の酒槽を踐み給ふ。
16 また彼はその衣の上に、またその股の上に、王等の王、また主等の主、と錄せる名をもち給ふ。

17 またわれ陽のうちに立つ一〔人〕の天使を見しに、彼は中天に翔るすべての鳥に云ひつつ、大聲に叫べり、いざ來れ、且つ神の大なる晩餐に集まれ。
18 卽ち王等の肉と、千人長等の肉と、强き者等の肉と、馬及びその上に坐する人々の肉と、自由人、また奴僕、また小なる者、また大なる者、すべての者の肉とを、汝等の喰はんためなり。
19 またわれかの馬の上に坐し給ふ者及びその軍勢と、軍を爲さんとて集まりたるかの獸と地の王等及びその軍勢とを見たり。
20 かくてかの獸は執へられたり、また彼の面前にて多くの徴を爲し、それをもてかの獸の徽を受けし人々、及び彼の像に平伏ひれふしたる人々を惑はしたるかの贋豫言者は、彼と共に〔執へられたり〕、この二つの者は、硫黄をもて燃ゆる火の池に、生きながら投げ入れられたり。
21 またその餘の者等は、かの馬の上に坐し給ふ者の、その口より出で往く長劒にて殺されたり。かくてかの鳥どもはみな彼等の肉にて饜されたり。