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プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/真の成功にはサポートする組織が必要

提供:Wikisource


もし組織がリスク計画、積極的な問題追求、タイムリーな問題解決を避けているようなら、それは企業文化に問題があります。プロジェクト・チームのなかで反対意見を出す人は、トラブルメーカーというレッテルを貼られるのでしょう。もし組織が即座に「問題を報告した人を罰する」ようだと、チームメンバーはやっかいな問題を共有しなくなります。プロジェクトにある問題を隠蔽しがちになるおそれがあります。

こうした文化環境では、組織全体、個々の従業員、顧客らの不利益に対する取り組みは非難されがちです。プロジェクト・マネジャーの役割は、できるだけ予期せぬ事態が起こらないよう、想定通りにプロジェクト成果を出すことです。早期に危険を指摘してくれる人がいないと、「驚くべき」結果になります。よい意味での驚きというのはめったにありません。むしろ開発者が問題を隠蔽したために、配慮も計画もできず、わるい意味での驚きになるでしょう。

賢明な企業幹部であれば、開発者が効果的に動けるような姿勢と行動を会社がサポートできるようにします。これには、強い製品やサービスの開発につながる行動をとっているか、人材ポリシーや活性化策を評価することも含まれます。

こうした企業文化のずれの典型例が、公式にはチームワークを「説き」ながらも、相変わらず個人の貢献に対して見返りを与えている組織です。人間は利口な生き物です。どうすれば自分の利益に一番かなうのかを知っています。上位マネジメントが生産的な行動を促すためには、自らが信じて明言するものと仕事環境として提供するものに一貫性を確立しなくてはなりません。そうすることで、個人と組織の両方が活躍できるようになります。

非協力的な組織もしくは機能不全の組織にいると思っている人が取るべき手段について、いくつか挙げましょう。

  • プロジェクトのスコープが理解できるまで、何度も質問しましょう。そうすれば、そのスコープ内で仕事ができます。
  • 有望なチームメンバーやステークホルダーを見つけましょう。可能であればいつも、彼らをブレインストーミング、計画、プロジェクト実行に参加させましょう。
  • 少なくともそのプロジェクトでのアクティビティが完了するまでは、その人がプロジェクトのアップデートや意思決定にすべて参加できるようにしましょう。
  • 常に正直なプロジェクト・マネジャーでありましょう。衝突や不快な議論を避けるために、問題をごまかしたり単純化してはいけません。
  • 組織全体のお手本としたいようなプロジェクトチーム環境を提供しましょう。

プロジェクト・マネジャーはプロジェクトを客観的にとらえる必要があります。給料を支払ってくれる組織に第一の忠誠を尽くす義務があるため、嫌な役目も果たさなければなりませんが、同時に開発者との信頼関係も築く必要があります。プロジェクトの展望が暗いようなときにも、目先の利いた信念をもったプロジェクト・マネジャーであれば、問題が解決されるまでプロジェクトを中断するよう進言しなくてはなりません。

私たちはみな新しいソフトウェア開発をサポートするために、まとまりのある戦略をもった組織で仕事をしたいと思っています。しかし残念なことに、その能力レベルは同じ組織でも部門によって大きく違っているかもしれません。より協力的な環境へと向かうことは、全員にとってよいことです。したがって、プロジェクトの優先順位とパフォーマンス報酬とのあいだにある文化的競合を上位マネジメントに警告することは、プロジェクト・マネジャーの役割の一部であるはずです。

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