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プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/ガバナンスを確立する

提供:Wikisource


プロジェクトではチームメンバーはもちろんのこと、ベンダー、顧客やプロジェクトスポンサー、運用チーム、契約チーム、財務チーム、その他関連ステークホルダーなど、幅広いグループとやりとりします。プロジェクトを多種多様なグループに属する人たちが参加する場だと考えると、さまざまな事態によってプロジェクトが容易に危険にさらされることがわかります。

IT にバックグラウンドのあるプロジェクト・マネジャーなら、プロジェクトマネジメントの視野をもっと広げる方法を知っておくと役に立つでしょう。

ガバナンスとは、開発、コミュニケーション、実装を実施するため、またポリシーや手続き、プラクティスなど、プロジェクト運営に伴う活動を監視するために使われるマネジメント手法です。効果的なプロジェクトガバナンスの構造および手続きを整えることは、そのプロジェクトに適した調整、脅威と機会の監視とコントロール、意思決定、プロジェクトパッケージの実現を計画するのに役立ちます。これによって、あなたは適切にリスクを解消し、結果的にプロジェクト要求を満たせるようになります。

プロジェクトガバナンスを有効に機能させるためには、事前に計画しておく必要があります。関連するアイテムをフレームワークを使って解決しましょう。フレームワークには、ガバナンス目標および目的、構造、原則、プロセス、手続き、標準、コミュニケーション、社内の上下関係、エスカレーション手続き(何を、いつ、どのように、だれが)、ツール、明確に定義され適用される遂行責任と結果責任、評価と評価基準、品質、ミーティングとステアリングコミッティー、監査、監視とコントロールといったものがあります。

ガバナンスは、環境、部門、業界、企業文化、法律といった要因によって影響を受けることも心に留めておきましょう。例えば、機能型組織の場合、プロジェクト・マネジャーは、ポートフォリオ・マネジャーやプログラム・マネジャーではなく、機能マネジャーに直接報告しているかもしれません。プロジェクト・マネジャーは、すべての仕事がプロジェクトとして整えられたプロジェクト型組織において、一番力を発揮できます。機能型組織の場合、ライン・マネジャーや部門マネジャーに直接報告しても構いませんが、事実上あなたの力は弱まるでしょう。

そのためガバナンスアーキテクチャを計画し定義するときには、組織階層についても考慮しましょう。プロジェクトの計画目標と目的に合うよう、仕事の状況と進捗に基づいて、必要に応じてガバナンス構造を修正しても構いません。大規模なプロジェクトの場合には、あなたの仕事をもっと大きなプログラムやポートフォリオの目的と目標に合わせましょう。たとえ非常に小さなプロジェクトを管理している場合でも、プロジェクトのガバナンスモデルを作成して適応させていきましょう。

通常はPMO(Project Management Office)に、プロジェクト関連の手続きやプロセスを定義および管理し、したがうべきテンプレートを作る責任があります。

プロジェクトボードはプロジェクト目標を確実に達成する責任のある組織体となります。ボードはプロジェクトのリスクやその他の問題を適切に解決するためのサポートをします。ボードの機能には次のようなものがあります。

  • プロジェクト計画および計画変更を承認すること。
  • 進捗レポートを集めること。
  • ポリシーや手続き、標準、要求にしたがうことを保証すること。
  • リスクや問題に対する指針を与えること。
  • プロジェクトの進捗をレビューすること。

プロジェクトにおいて、ほかの会社とやりとりがあるのであれば、プロジェクトガバナンスもほかの組織のガバナンス構造と一体的に運用するべきです。

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