テトスに贈れる使徒パウロの書状(新契約聖書) 第二章

提供:Wikisource
  • : この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語ルビ」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

第二章[編集]

1 されど汝は健全なる敎に適ひたる事をものがたれ。
2 〔卽ち〕老いたる人を、酒を飲まざる者、素面なる者、莊重なる者、謹ある者、信仰に、愛に、耐へ忍に健全なる者たらしめ、
3 老いたる婦を等しく、聖き者に似合ひたる身持をもて、人を譏らず、甚く葡萄酒に奴僕ぬぼくたらず、良き事を敎ふる者〔たらしめよ〕。
4 是れ若き婦を、彼等の敎練して、夫を懇にする者、兒を懇にする者たらしめ、
5 謹み、潔く、家事を理め、善〔にして〕己が夫に服ふ者たらしめんためなり。是れ神の言のけがされざらんためなり。
6 若き人を等しく奬めて、謹ましめ、
7 すべての事に就きて、汝自身をもて良きわざの型を示し、敎をなすに邪なきこと、莊重、誠實、
8 健全にして責むべきところなき言を〔もてせよ〕。是れ逆らふ者の、汝等に就きて惡を云ふことを得ずして、耻ぢしめんためなり。
9 奴僕ぬぼくをば、己が主人に服ひて、すべての事に嘉せられ、云ひ逆らはず、
10 物を盜まず、反つて善を盡したる信仰を表はさしめよ。是れ神なる汝等の救主の敎を、すべての事に於て飾らんためなり。

11 そはすべての人に救を齎らす神の惠は顯はれ、
12 不虔と、世につける慾とを否みて、謹ましく、また義しく、また敬虔に、今の世に我等の生きんため我等を懲らしめ給ひ、
13 福なる望、卽ち大なる神にして、我等の救主なるイエス・キリストの、榮光の顯を待たしめ給へばなり。
14 彼は己自らを我等のために與へ給へり。是れ我等をすべての不法より贖ひ給はんため、且つ特に己自らのために民を淨めて、良きわざの熱心者たらしめ給はんためなり。
15 此等の事をすべての命令をもてものがたり、且つ奬め、且つ糺せ。誰も汝を輕んずること勿らしめよ。