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コリント人に贈れる使徒パウロの書状第二(新契約聖書) 第五章

提供:Wikisource
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第五章

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1 そはもし我等の幕屋なる地上の家は壞るるとも、神の〔賜ふ〕建物、手にて造らざるとこしへの家の、天に在ることを我等知ればなり。
2 また我等はこのうちにありて、天より〔賜ふ〕我等の住居をもて着せられんことを、戀ひ慕ひつつ歎くなり。
3 もし着せられなば、裸にて見出ださるることなかるべし。
4 そは我等この幕屋のうちにある者は、重を負ひて歎けばなり。脱がせらるることを欲するためにあらず、されど着せらるることを〔欲して〕なり、是れいのちに死ぬべきものの、呑み盡されんためなり。
5 されど此の事を我等に爲し遂げしめ給ふ者は神なり、また彼は我等に靈の保證を與へ給へり。
6 是の故に毎に勇まし、されど體のうちに住むときは、主より離れ居ることを知る。
7 そは我等は信仰によりて歩み、かたちによらさればなり。
8 されば勇まし、且つ反つて悅ぶところは體より離れて、主の許に住まんことなり。

9 かるが故に我等の譽とするところは、或ひは家に住むも、或ひは家を離るるも、彼に嘉せらるる者たらんことなり。
10 そは我等はみな、善にもあれ惡にもあれ、おのおのその爲ししところに循ひ、體により〔爲しし〕ところのものを受くるために、必ず我等はすべてキリストの裁き坐の前に顯はれざるべからざればなり。
11 是の故に主の畏るべきを知れば、我等人々に說き勸む、されど我等は神に顯になれり、さればわれ汝等の良心にも顯になりたらんことを望む。
12 我等は復び己自らを汝等に薦むるにあらず、されど我等のために誇の機を汝等に與ふるなり、是れ心にてにあらず、顏にて誇る人々に對して、〔誇の機を〕汝等の有たんためなり。
13 そは我等もし心狂はば神のため、もし慥なる心ならば汝等のため〔なればなり〕。
14 そは我等かく斷ずるときは、キリストの愛我等を止む能はざらしむればなり、
15 卽ち、もし一〔人〕すべての者に代りて死に給ひしならば、すべての者死にたるなり、且つ彼はすべての者に代りて死に給へり、是れ生くる人々のもはや己自らのためにあらず、されど彼等に代りて死に且つ起き給ひし彼のために生くべきためなりと。
16 されば我等は今より肉に循ひて誰をも知るまじ。假令我等は肉に循ひてキリストを知りたりとも、今はもはや〔かくは彼を〕知るまじ。
17 されば誰かもしキリストに在らば、新しき創造なり。舊きものは過ぎ去れり、見よ、すべてのもの新しくなれり。
18 さればすべてのものは神のものなり、彼はイエス・キリストによりて我等を己自らに和がしめ給ひ、且つやはらぎの奉事を我等に與へ給ひたり。
19 卽ち、神はキリストに在りて世を己自らに和がしめ給ひ、彼等のためにその曲事を勘へ給はず、且つ和の言を我等に委ね給へり。
20 是の故に我等はキリストに代りて使節たり。我等によりて神の勸め給ふが如し、我等キリストに代りて願ふ、神に和げよ。
21 そは罪を知り給はざる者を、我等に代りて彼は罪となし給ひたればなり、是れ我等の彼に在りて神の義とならんためなり。