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コリント人に贈れる使徒パウロの書状第二(新契約聖書) 第二章

提供:Wikisource
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第二章

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1 されば我等は己自らに對してかく決したり、哀をもて復び汝等の許に到らじと。
2 もしわれ汝等を哀しましむるならば、我に哀しましめられたる者の外に、誰か我を喜ばしむる者あらんや。
3 されば我はかく同じ事を書けり、是れ我は汝等すべてに於て、我が喜は汝等すべての〔喜なる〕ことを確信すれば、我の到りしとき必ず我を喜ばしめざるべからざる者より、〔反つて〕哀しましめらるることならんためなり。
4 そは多くの銀と心の惱とより多くの涙をもて、汝等を哀しましむるためにあらず、されど我等は汝等のために、溢るるばかり愛を有することを、汝等の知らんために書きたればなり。。

5 されどもし誰ぞ哀しましめしならば彼われを哀しましめしにあらず、ほぼ=責め過ぐることなからんために=汝等すべてを〔哀しましめし〕なり。
6 かくの如き人のために、多數の者よりの此の非難は足れりとす。
7 されば寧ろ反つて汝等は〔これを〕ゆるし、且つ慰むべし。然らざればかくの如き人は、尚ほ勝れる哀に呑み盡されん。
8 かるが故にわれ汝等に勸む、彼に對して愛を確にせんことを。
9 そはわれかく書けるは、汝等のすべての事に柔順なるや否や、汝等のしるしを知らんためなればなり。
10 されど汝等何事をか恕したる者には、我も〔恕さん〕。そは我もし何事かを恕さば、汝等のゆゑにキリストの顏にて彼を恕ししなり。
11 是れサタナに我等のたぶらかされざらんためなり、そは我等は彼の所存を知らざるにあらざればなり。

12 またわれキリストの福音のために、トロアスに到りしとき、主に在りて我がために戸も開かれたれど、
13 我が兄弟なるテトスを見出ださざるために、我が靈に於てやすきを得ずして、人々に別を告げてマケドニヤにまで出で來れり。
14 されどキリストに在る我等を、恒に勝利に導き給ひ、且つ彼の知識の香を到る處にて、我等によりて顯ならしめ給ふ神に謝しまつる。
15 そは我等は救はれたる者のうちにて、また亡ぶる者のうちにて、神に對してキリストの芳しき馨なればなり。
16 如何にも或る者には死に至らしむる死の香にして、或る者にはいのちに至らしむる生の香〔なり〕。されば此等の事のために誰か適ふや。壹そは我等は多くの人々の如く、水を加へて神の冒をひさぎつつあらず、されど眞實なる者の如く、また神につける者の如く、神の面前にてキリストに在りてものがたればなり。