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コリント人に贈れる使徒パウロの書状第二(新契約聖書) 第九章

提供:Wikisource
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第九章

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1 そは聖徒等に對するの奉事に就き、汝等に書き贈るは我に過ぎたることなればなり。
2 そはわれ汝等の切なる望を知り、汝等に胱きて、アカヤは壹年先に備せり、とマケドニヤ人に誇りたればなり。かくて汝等の熱心は、多くの人〔の熱心〕を惹き起せり。
3 されど我等の、汝等に就きて誇りし此の事の、空しくならざらんために、われ兄弟等を遣はせり。これ我が云ひし如く、汝等の備してあらんためなり。
4 もしマケドニヤ人の我とともに到りて、汝等の備へざるを見出ださば、汝等は云ふに及ばず、我等も誇の此の確言にて、恐らくは耻を受くるならん。
5 是の故に我は兄弟等を勸めて、先づ汝等にまで往かしめ、備へてあるべく豫め宣べたる此の汝等の喜捨を、吝むが如くせずして喜びて備へ、豫めこれを調へしむるは必要なりと思へり。
6 されどかくの如し、乏しく播く者は穫るも乏しく、また裕に播く者は裕に穫るべし。
7 おのおのその心に思ふ如くせよ。哀しみてせず、或ひは强ひて爲す勿れ、そは神は快く與ふる者を愛し給へばなり。
8 また神は毎にすべての事に於て、すべてのものを豐に有ちて、すべての善きわざに汝等の豐ならんため、すべての惠を汝等に豐ならしむることを得給ふなり。
9 録して、彼は廣く散らし給へり、乏しき者に與へ給へり、その義はいつまでも存せん、とあるが如し。
10 されば播く者に種を給し、また食するためにパンを供し給ふ者は、また汝等の種を増し、且つ汝等の義の實を殖し給ふべし。
11 〔汝等は〕すべての事に富みたれば、すべての者に吝なく施すことを得るに至れり、されば我等により働きて神に感謝するに至らん。
12 そは此の奉仕のつかへは、唯聖徒等の乏を補ふのみならず、尚ほ多くの者によりても溢るるばかり神に感謝せらるればなり。
13 〔また彼等は〕此の奉事の證明によりて、キリストの福音に對して、汝等の告白せる服從と、彼等に對し、またすべての者に對して、(汝等の〕親しき交の吝なきとのために、榮光を神に歸し、
14 且つ汝等に〔賜はりし〕神の優れたる惠のゆゑに、汝等を戀ひ慕ひつつ、汝等のために祈願すればなり。
15 さればかく言ひ盡しがたきその賜物のために、神に謝しまつる。