さむしろ

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こぞの秋、散りしこずゑもみぢして、今はた峯はありあけの、つきひばかりを数えても、まつに甲斐なきむらしぐれ。時しもかずふるからに、色も褪せつついつしかに、わがそでのみや変るらん。鳴くをそへてきりぎりす、よはの枕に告げ渡る。嵐の末の鐘の声、結ばぬ夢も覚めやらで、ただ偲ばるる昔なりけり。


  • 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』中、武蔵野書院、1975年。

この作品は1927年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。