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師範学校教則大綱

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○第二十九号(八月十九日 輪廓附)

師範学校教則ノ大綱別冊ノ通可相心得此旨相達候事

(別冊)

師範学校教則大綱

第一条 師範学校ハ小学校教員タルニ必須ノ学科ヲ授クル所トス

第二条 師範学科ヲ分テ初等中等高等ノ三等トス

第三条 初等師範学科ハ修身、読書、習字、算術、地理、物理、教育学学校管理法、実地授業及唱歌、体操トス

但唱歌ハ教授法等ノ整フヲ待テ之ヲ設クヘシ以下之ニ傚フ

第四条 中等師範学科ハ修身、読書、習字、算術、地理、歴史、図画、生理、博物、物理、化学、幾何、記簿、教育学学校管理法、実地授業及唱歌、体操トス

第五条 高等師範学科ハ修身、読書、習字、算術、地理、歴史、図画、生理、博物、物理、化学、幾可、代数、経済、記簿、本邦法令、心理、教育学学校管理法、実地授業及唱歌、体操トス

第六条 師範学校ニ於テハ土地ノ情況ニ因リ某学科ノ程度ヲ斟酌シ農業、工業、商業等ヲ加フルヲ得殊ニ女子ノ為ニハ本邦法令、経済等ヲ除キ若クハ某学科ノ程度ヲ斟酌シテ裁縫、家事経済等ヲ加フヘシ

第七条 高等師範学課卒業ノ者ハ小学各等科ノ教員タルヲ得ヘク中等師範学科卒業ノ者ハ小学中等科及初等科ノ教員タルヲ得ヘク初等師範学科卒業ノ者ハ小学初等科ノ教員タルヲ得ヘキモノトス

第八条 師範学科ヲ修メントスル生徒ハ品行端正、体質強健、年齢十七年以上ニシテ小学中等科卒業以上ノ学力アル者タルヘシ

但年齢ハ土地ノ情況ニ因リ十五年以上トスルモ妨ケナシ又初等中学科卒業ノ者ハ高等師範学科第四年級ニ入ルコトヲ得

第九条 師範学校ノ修業年限ハ初等師範学科ヲ一箇年トシ中等師範学科ヲ二箇年半トシ高等師範学科ヲ四箇年トス

第十条 師範学校ノ授業時限ハ一年三十六週一週二十八時ヲ以テ度トス

第十一条 師範学科卒業ノ者ニハ其学修セシ所ニ随ヒ初等若クハ中等若クハ高等師範学科ノ卒業証書ヲ与フヘシ

第十二条 師範学校ニ於テハ本校ニ入学セスト雖モ卒業証書ヲ請フ者アラハ現ニ施行スル所ノ教則ニ拠リ其学力ヲ試験シ且其品行等検定ノ上合格ノ者ニハ卒業証書ヲ与フヘシ

第十三条 師範学科卒業証書ハ七箇年間其効ヲ有スルモノトス

但師範学校ニ於テハ本文七箇年ノ後卒業証書ヲ請フ者アルトキハ現ニ施行スル所ノ教則ニ拠リ更ニ其学力ヲ試験シ且其品行等検定ノ上合格ノ者ニ卒業証書ヲ与フヘキハ勿論タルヘシ

第十四条 高等若クハ中等師範学科卒業証書ヲ有スル者ニシテ七箇年以上小学校教員ノ職ニ従事シ学力優等、授業練熟、品行端正ノ証跡アル者ニハ試験ヲ須ヒス終身有効ノ卒業証書ヲ与フヘシ

第十五条 師範学科卒業証書ヲ有スル者ニシテ品行不正ノ証跡アルトキ[1]ハ其卒業証書ヲ没収スヘシ
右掲クル所ノ各等師範学科毎週授業時間ノ一例ヲ示スコト左表ノ如シ

(△印ハ朱書)



師範学科課程




第一 第二 第三 第四
{ 初等二級
中等五級
高等八級
初等一級
{ 中等四級
高等七級
{ 中等三級
高等六級
{ 中等二級
高等五級
中等一級
高等四級
高等三級 高等二級 高等一級

附礼
{
{
初等
中等
高等
一〇

初等
中等
高等

初等
中等
高等

初等
中等
高等
初等
中等
高等
中等、
高等、一一
中等、
高等、一〇
中等、
高等、



中等、
高等、
中等、
高等、
中等、
高等、
初等
中等
高等
中等、
高等、
中等、
高等、
高等、
高等、
簿
中等、
高等、
本邦法
高等、
高等、
教育
学校管理法
初等
中等
高等
実地授
一五
一八
初等
中等
高等
二八
二八
二八
二八
二八
二八
二八
二八
二八
二八
初等五六
中等一四〇
高等二二四

体操ハ適宜之ヲ授クヘシ

表中第三段ニ朱書セルモノハ初等科一級生ノミニ之ヲ課シ第六段ニ朱書セルモノハ中等科一級生ノミニ之ヲ課ス

{印ハ合併ノ符ナリ


  • 底本中の旧字を新字に改めた。
  • 「トキ」の合字は二字に分けて表記した。
  • 脚註:
  1. 「トキ」は合字。

関連項目

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外部リンク

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この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。