神の國を傳へよ。
六一又他の者曰へり、主よ我爾に従はん、但先づ往きて吾が家の者に別を告ぐるを容せ。
六二イイスス之に謂へり、手を犂に著けて、後を顧みる者は、神の國に當らざるなり。
第十章
一厥後主は又別に七十門徒を選び、彼等各二人を己に先だてて、自ら往かんと欲する所の諸邑諸處に遣し、
二彼等に謂へり、穡は多く、工は少し、故に穡主に、工を其穡所に遣さんことを求めよ。
三往け、我が爾等を遣すは、羔を狼の中に入るるが如し。
四金嚢をも、行嚢をも、履をも、攜ふる勿れ、途中にて人に安を問ふ勿れ。
五人の家に入る時は、先づ此の家に平安と曰へ。
六若し彼處に平安の子あらば、爾等の平安は彼に留らん、然らずば、爾等に歸らん。
七其家に居りて、彼等に在る所の者を食飮せよ、蓋労する者の其値を得るは宜しきなり、家より家に移る勿れ。
八何の邑に入るとも、人爾等を接けば、其爾等の前に供ふる者を食へ。
九其中に在る病者を医せ、又衆に告げて曰へ、神の國は爾等に近づけりと。
一〇何の邑に入るとも、人爾等を接けずば、其衢に出でて曰へ、
一一爾等の
邑より
我等に
著きたる
塵をも、
我等は
爾等に
対ひて
払ふ、
然れど