り、夫子よ、我等は爾の名を以て魔鬼を逐ひ出す人を見て、之に禁じたり、其我等に従はざる故なり。
五〇イイスス之に謂へり、禁ずる勿れ、蓋爾等に敵せざる者は爾等の與屬なり。
五一彼が世より擧げらるる日の近づきし時、彼イエルサリムに面して行かんことを定めたり。
五二使を其面前に遣ししに、彼等往きて、サマリヤの郷に入り、彼が爲に備へんとしたれども、
五三彼處には彼を納れざりき、其イエルサリムに面して往くが故なり。
五四其門徒イアコフ及びイオアン之を見て謂へり、主よ、爾は我等がイリヤの爲しし如く、火の天より降りて、彼等を滅さんことを命ずるを欲するか。
五五イイスス顧みて、彼等を戒めて曰へり、爾等は自ら如何なる神に屬するを知らず。
五六蓋人の子の來りしは、人々の靈を滅さん爲に非ず、乃之を救はん爲なり。遂に他の郷に往けり。
五七彼等が道を行く時、或彼に謂へり、主よ、爾何處に往くとも、我爾に従はん。
五八イイスス之に謂へり、狐には穴あり、天空の鳥には巣あり、惟人の子には首を枕する處なし。
五九又他の者に謂へり、我に従へ。彼曰へり、主よ、我に先づ往きて、我が父を葬るを容せ。
六〇然れどもイイスス
之に
謂へり、
死者に
其死者を
葬るを
任せよ、
爾は
往きて、