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負數及四則算法の再審

の「數」の意義を定め,且此機會を利用して再び四則算法の意義を精密に審査せんとす.

所謂廣義の數は次の條件によりて定めらるゝものなりとす.

一,凡て相異なる二つの數の中,いづれか唯一つは他の一つより大なり.

甲,乙,丙なる數ありて,甲は乙より大,乙は丙より大ならば,甲は又丙より大なり.

甲が乙より大なるときは,乙は甲より小なりといふ.よりて,甲は乙より小,乙は丙より小ならば,甲は又丙より小なり.

二,凡て數には直ちに之に次ぐ數あり,又直ちに之に先だつ數あり.

乙が直ちに甲に次ぐとは,甲より大にして,乙より小なる第三の數存在せざるを謂ひ,乙が直ちに甲に先だつとは甲が直ちに乙に次ぐを謂ふ.

三,相異なる數甲,乙の中乙を甲より大なりとせば,甲より直ちに之に次ぐ數に移り,又此數より直ちに之に次ぐ數に移り,次第に斯の如くなし行きて竟