となし，先づ其第一位の係數 d 1 {\displaystyle d_{1}} を求めんとするに二個の場合を區別せざるべからず．
第一， a 1 ≧ b 1 {\displaystyle a_{1}\geqq b_{1}} なるときは d 1 = a 1 − b 1 {\displaystyle d_{1}=a_{1}-b_{1}} なり，實にも
と置くとぎは P {\displaystyle P} は決して Q {\displaystyle Q} より小ならず，而して
にして d 1 {\displaystyle d_{1}} は t {\displaystyle t} よりも小なること明なり，さて P = ( ⋯ a 2 a 1 ) {\displaystyle P=(\cdots a_{2}a_{1})} ， Q = ( ⋯ b 2 b 1 ) {\displaystyle Q=(\cdots b_{2}b_{1})} にして D {\displaystyle D} の第二位の係數は P − Q = D 1 {\displaystyle P-Q=D_{1}} の第一位の係數に同じ．
第二， a 1 < b 1 {\displaystyle a_{1}<b_{1}} ならば d 1 = t + a 1 − b 1 {\displaystyle d_{1}=t+a_{1}-b_{1}} なり，此場合には P − 1 {\displaystyle P-1} は決して Q {\displaystyle Q} より小ならず，
にして D {\displaystyle D} の第二位の係數は D 1 = ( P − 1 ) − Q {\displaystyle D_{1}=(P-1)-Q} の第一位の係數なり．
を求めんとするに二個の場合を區別せざるべからず．
なるときは 
なり，實にも
は決して 
より小ならず，而して
は 
よりも小なること明なり，さて 
，
にして 
の第二位の係數は 
の第一位の係數に同じ．
ならば 
なり，此場合には 
は決して より小ならず，
の第二位の係數は 
の第一位の係數なり．
